書籍詳細
明日からのPCI治療戦略に必携の1冊
PCIを究める
- 内容紹介
- PCIに関連する疾患手技等について,ライブサージェリーなど以外で触れることのできない著名な術者の治療戦略から,手技の実際までを症例を提示しながら,その考え方をみて,学ぶことにより,自身のスキルアップを図っていただくような書籍として活用していただきたい。
各病変,病態それぞれについて知っておくべき知識,症例ベースでの戦略の立て方,コツ,落とし穴などについて第一線で活躍されている多くの先生方に執筆していただいた実践に即した書籍である。
- 冠動脈インターベンション(PCI)が誕生してから30年が経過した。バルーンによる拡張に始まったPCIはニューデバイス時代(ステント時代といってもよい)で成熟期を迎え今日の薬剤溶出性ステント(DES)時代に至った。PCIのアキレス腱ともいえる再狭窄の問題も解決に向けて大きく前進した。このようななか,最近PCIの役割について疑問を投じる論文が相次いで掲載された。CourageやOATである。いずれの論文も今日までの薬物療法の進歩を実感させるものであり,その重要性が再認識させられた。一方,これらの論文に対してPCIアームの手技内容ならびに成績が標準的なものではなかったとの反論が多く述べられた。このように,PCIは手技に依存する側面が大きいことは否めない。
とはいえ,PCIの領域でもevidence-based medicineが定着してきた。さまざまな仮説の妥当性は多くの臨床試験で実証され,ガイドラインなどにも反映されてきた。しかし,これはあくまでも総論である。
実臨床においては,背景にある合併症,病態,年齢,病変形態,病変部位などから個々の症例で総合的な判断が求められる。治療手技はいわばアートである。術前に生じえる事象を想定し,思い描いた結果を創造する。このためには,技術に裏打ちされた治療が求められ,経験の重要性は否定できない。むしろ,過去の歴史を把握したうえで今日の新たな展開を理解していることは大きな強みとなる。その観点からこの本を企画した。知っておくべき知識,症例ベースでの戦略の立て方,コツ,落とし穴などについて第一線で活躍されている多くの先生方に執筆していただいた。幸い,非常に盛りだくさんの内容を網羅することができた。実践に即した企画を考えた。本誌を通じ一緒に考え,一緒にPCIを体感していただければ幸いである。
わが国のPCI技術が世界で誇れるものであることは周知の事実となった。米国では,日本を見習えといわんがごとくIVUSによる観察は主幹部病変では当然であるといった風潮である。エビデンスを踏まえたうえで,わが国の技術が発揮されれば,あらたなエビデンスの創造にもつながると確信する。
最後になったが,この本の作成にあたり執筆いただいた多くの先生方,適切な助言をいただいたメジカルビュー社の吉田富生氏に心から謝意を表したい。この本で得た知識,ヒントが明日からの臨床で,多くの症例に生かされれば望外の喜びである。
2007年12月
東邦大学医療センター大橋病院循環器内科准教授
中村正人
- I−PCIの基礎知識
ガイドカテーテルの種類と特徴 加藤健一
GWの種類と特徴,用い方 野崎洋一
血栓吸引デバイスの種類と特徴 原 久男
マイクロカテーテルの種類と特徴 小川崇之
ステントの構造と分類 勝木孝明
DESの種類 森野禎浩
ステント血栓症の分類とその要因 中川義久
ステント再狭窄の分類と予後 園田信成
クロピドグレル,チクロピジン,アスピリンレジスタンス 後藤信哉
造影剤の種類と副作用 道下一朗
放射線被曝とその防護 石綿清雄
II−各病態で知っておくべき基礎知識
糖尿病 七里 守
高齢者 中津裕介・中村文隆
腎機能障害保存期 林 孝浩・宮崎俊一
血液透析 川崎友裕
急性心筋梗塞症 木村一雄・小菅雅美
非ST上昇急性冠症候群 浅野竜太
多枝病変 堀内賢二
非保護LMT病変 松原徹夫
DES時代におけるBMSの適応は? 堀田祐紀
CABGのリスクの評価はどのように行うか 田辺健吾
PAD合併例のPCI(頸動脈含む) 横井宏佳
III−PCI治療を行う際の基本手技は大丈夫か?
trans radial intervention(TRI) 吉町文暢
パラレルワイヤーテクニック,サイドブランチテクニック 中村 茂
anchor balloon technique 石丸伸司・五十嵐慶一
deep engage techniqueと5 in 6 approach 井上直人
IV−各種デバイスをどのように選択し使用するか
Cutting balloon,Safe Cut 木下順久
debulking (DCA,ロータブレーター) 濱嵜裕司
止血デバイス 後藤 剛
IABP,PCPS,左心バイパス 小林智子
V−各画像イメージをPCIにどのように活かすか
IVUSをPCIに活かす 矢嶋純二
angioscopeをPCIに活かす 小谷順一
CTをPCIに活かす 大井田史継・近藤 誠・高瀬真一
VI−各種病変に対するPCI手技,治療戦略
Ostial lesion(RCA, LMT)
debulking 清野義胤
aorto-ostial lesionとnon aorto-ostial lesion 田中慎司
calcified lesion 上野勝己
angulated lesion 桜田真己
起始異常 小林延行
小血管に対するステント治療 山下武廣・筒井裕之
びまん性病変
造影ガイドによるPCI 林 康彦
IVUSガイドの治療 小林欣夫
CTO
LAD入口部CTO 朝倉 靖
大きな分枝直後のCTO 浜中一郎・上田欽造
高度屈曲のCTO 渡邉哲史・許 永勝
右の長い閉塞に対するCTO 山根正久
retrograde approach
1 経静脈グラフト 中村正人
2 trans epicardial artery 土金悦夫
3 trans septal branch 落合正彦
4 reverse CART法 藤田 勉
分岐部病変
single stentで治療可能な症例の条件 石川哲憲・柴田剛徳
kissing stentが必要な症例の条件 挽地 裕
DESの再狭窄 伊藤良明
血栓性病変
distal protectionが有効な症例とは 村松俊哉
吸引のみで十分例とは 興野寛幸・上妻 謙
血栓溶解療法が有効な症例とは 大嶋秀一
VII−合併症を未然に防ぐ,回避のための私のコツ・工夫
perforation 小田弘隆
slow flow 川野成夫
IVUSがトラップされたら 高木 厚
大動脈解離合併 高木拓郎
冠動脈ヘマトーマを疑う 舛谷元丸
HITを疑う 菅 好文












