書籍詳細
一般臨床医のためのQ&A方式の気管支喘息解説書
気管支喘息診療ガイダンス

編集
大田 健
石井 彰- 定価 5,250円(5%税込)
- B5変型判 252ページ 2色
- 2003年4月18日刊行
- ISBN978-4-7583-0310-1
- 品切れ
- 内容紹介
- 「気管支喘息」は呼吸器領域でポピュラーな疾患でありながら,治療・管理の進歩にもかかわらず,患者数は年々増加して,ますます重要な疾患となってきている。また,一度は減少していた喘息死も1980年代から若年者を中心に著明な増加をみており,患者の状態をで日々把握できる地域のホームドクター(かかりつけ医)としての一般臨床医の役割が重要となっている。気管支喘息は判断を誤ると重大な結果を招きかねず,患者の状態を正確に把握することは大変重要なことといえる。そして,いざ高度な治療が必要なときには,専門治療を行える大学病院などの施設に治療をゆだね,治療後のフォローアップを専門病院と連携して行っていく必要がある。
本書では,一般臨床医に向け,「気管支喘息」のメカニズムから治療まで,健康管理,予防医学の視点を織り交ぜ,「最新の常識」(十分に検証された知見)を適宜入れながらQ&Aで解説する。
- 気管支喘息(喘息)の疾患としての歴史は古く,すでにヒポクラテス(BC460〜377年)の時代に喘息を示唆する記述が認められています。また1999年度厚生労働省「患者調査」によれば,喘息患者は約110万人,医療機関に受診していない未受診患者を含めると約500万人とも推定される比較的高頻度の疾患です。しかも近年,気管支喘息は増加の一途をたどっており,臨床の場で喘息患者に遭遇することは稀ではありません。喘息の病態を解明するための努力は常に払われてきましたが,大きな進展をみせたのは最近のことです。気管支鏡による気道粘膜の生検と免疫学や細胞・分子生物学の進歩による種々のサイトカインや化学伝達物質の発見により,喘息は呼吸生理学的な側面だけでなく,組織・細胞レベルさらには分子レベルにまで掘り下げて研究されるようになりました。その結果,喘息は炎症性疾患として認識されており,治療形態も強力な抗炎症作用をもつ吸入ステロイド薬を基本とするものに変化しています。また,気道炎症における化学伝達物質の解明も盛んに行われており,個別の化学伝達物質を標的とする新薬の登場など,治療薬も多様化しています。近年のより適切な喘息治療法の確立は,5〜34歳を対照とする喘息死亡率(人口10万対)にも反映され,1994年には0.7であったものが,1997年から急激な減少を示し,2000年には0.3となっています。しかし全人口ではまだ4,000人弱の喘息死があると推定されており,喘息死をゼロにするには一層の努力を必要としている状況にあります。
このような背景から,今回「気管支喘息診療ガイダンス」を上梓しました。本書は,喘息の診療に必要な項目が,病態,診断,治療と幅広く網羅されています。しかもいずれの項目も,最近の進歩も含めて,臨床経験豊富な喘息の専門家によりQ&A形式で分かりやすく解説されています。また患者さんへのムンテラに有用と思われる「患者さんの質問にどう答えるか」も設けられており,臨床の場でお役に立つものと確信しております。本書が,諸先生方の喘息の診療において,種々の疑問を解消する情報源となることを念じております。
2003年3月
大田 健
石井 彰
- 1.気管支喘息とはなにか
1)喘息は一言でいうとどのような病気ですか。
2)喘息の患者さんは全国に何人ぐらいいるのでしょうか。また最近,患者数が増加していますがなぜでしょうか。
3)喘息は適切な治療を施せば完全に治りますか。
2.気管支喘息のメカニズム
1)炎症によって喘息が起こるのはどうしてですか。
2)喘息による閉塞性換気障害はなにが関与しているのですか。
3)気管支喘息の患者さんはなぜ気道が過敏になるのでしょうか。
4)なぜ,アレルギー患者さんの多くが喘息になるのでしょうか。
3.気管支喘息を疑ったら
1)どのような症状をみたら喘息の患者さんだと疑いますか。
2)喘息を疑う患者さんにはどのような問診をすればいいですか。
3)喘息を疑う患者さんにはどのような検査をしますか。
4)喘息であると診断するための決め手となる目安を教えてください。
5)喘息以外に,喘鳴を認めたり発作性の呼吸困難をきたす病気はありますか。
6)喘息の発作強度と病気の重症度がどのような基準で分類されているか教えてください。
7)アレルギーが関与している喘息はどのような病型に分類されますか。そうでない喘息はどのように分類されますか。
4.発症を起こしたり悪化させる要因(危険因子)
1)喘息を起こす原因として現在わかっているものを教えてください。
2)喘息を発症させたり悪化させたりする危険因子にはどのようなものがありますか。
3)大気汚染によって喘息は発症しますか。もしくは悪化することに関係がありますか。
4)喫煙は喘息を悪くするでしょうか。
5)どのような病原菌やウイルスが喘息を悪化させますか。
5.喘息の治療に用いる薬剤
1)喘息の治療薬にはどのようなものがありますか。
2)ステロイド薬は副作用が大きいと聞きます。喘息の患者さんに本当に使わないといけないのですか。
3)喘息の患者さんに対するステロイド薬の具体的な投与法を教えてください。
4)ステロイド薬を安全に使うにはどのような注意が必要ですか。
5)小児喘息の患者さんにもステロイド療法を行うのでしょうか。
6)テオフィリン薬が海外であまり投与されていないのはなぜですか。
7)テオフィリン薬の安全な使い方を教えてください。
8)テオフィリン薬は気管支喘息にどのように作用しますか。
9)β2刺激薬と,他の気管支拡張薬を併用することは有効ですか。
10)発作時のβ2刺激薬の使い方を教えてください。
11)β2刺激薬の安全な使い方を教えてください。
12)抗コリン薬はどのような患者さんに使えばいいのでしょうか。
13)抗アレルギー薬にはいろいろ種類があるようです。それぞれの特徴を教えてください。
14)減感作療法の現在の評価を教えてください。
15)免疫療法の最近の話題について教えてください。
6.喘息の長期管理
1)長期管理の治療目的にはどのようなことがあげられますか。
2)成人喘息の長期管理はどのようにしたらよいでしょうか。
3)小児喘息の長期管理にはどのような配慮が必要でしょうか。
7.急性発作の治療
1)ガイドラインに沿った成人喘息の急性発作に対する治療を教えてください。
2)喘息で入院した患者さんがどのような状態になったら退院させますか。
3)小児喘息の急性発作時の治療の特徴を教えてください。
8.喘息死の撲滅に向けて
1)年間,喘息で亡くなる患者さんは何人くらいいますか。
2)喘息死した患者さんの病理の特徴を教えてください。
3)喘息死を防ぐために,担当医は患者さんに対してなにを注意すればよいでしょうか。
4)喘息の患者さんを専門医に依頼するタイミングを教えてください。
5)担当医が喘息の患者さんと信頼関係を築くコツを教えてください。
6)喘息の患者さんに絶対してはいけない治療(禁忌治療)を教えてください。
9.特殊な病態への対応
1)ピークフローが低値安定型の喘息にはどのように対応したらいいですか。
2)気管支拡張薬やステロイド薬に反応しない症例にはどのように対応したらいいですか。
3)タバコをやめない重症例にはどのように対応したらいいですか。
4)肺気腫合併の患者さんにはどのように対応したらいいですか。
5)ステロイド抵抗性喘息とはなんですか。
6)ステロイド依存性喘息の患者さんからステロイド離脱はできますか。
7)Near deathの既応のある患者さんには特別な配慮が必要ですか。
8)在宅酸素療法を必要とする患者さんへの対応はどうしたらいいですか。
9)治療抵抗性の咳がでるときはどのような病態が考えられますか。
10)咳喘息の患者さんはどのように診断したらいいですか。またどのように対応したらいいですか。
11)胸痛喘息とはどのようなものですか。またどのように対応したらいいですか。
12)術前,術中,術後の喘息管理の仕方を教えて下さい。
13)喘息の患者さんに解熱鎮痛薬を処方しても問題はありませんか。
10.患者さんの質問にどう答えるか
1)気管支喘息は治るのですか。
2)最近,ぜーぜー鳴る音も息苦しさもなく発作も起きないので治ったような気がします。
それでも薬を飲まないといけないのですか。また,定期的に受診しなくてはいけないのでしょうか。
3)そんなに症状は重くないのですが,タバコは吸ってもよいですか。
4)イライラや不安は喘息発作の誘因になりますか。
5)小児喘息の原因は母親にあると聞きましたが本当ですか。
6)学校などの集団生活のなかでどのようなことを注意させればいいですか。
7)幼いころ小児喘息でしたが,子供のときに治りました。成人した今,喘息は再発しますか。
8)喘息日誌をつけることによってどのようなよい点がありますか。
9)喘息患者に家族が協力できることはありますか。
10)学校の体育の授業を喘息の子供が受けたがっています。可能ですか。
また,してはいけない運動はありますか。
11)風邪を引いたときに注意しなければならない点を教えてください。風邪薬は飲んでいいのですか。
12)喘息患者がいる家庭では,部屋を毎日掃除しなければいけませんか。
13)喘息を悪化させないために患者自身はなにに気をつけて生活したらいいですか。
14)ステロイド薬は副作用が強いと聞きました。大丈夫でしょうか。
15)海外転勤が決まりました。喘息の治療法や予防法は日本と同じですか。
16)喘息の女性です。妊娠,出産を希望しているのですが,喘息が悪くなったり赤ちゃんに治療薬の影響が
出てしまうことはありませんか。生まれてくる子供はやはり喘息になりやすいのでしょうか。
17)喘息治療を受けているのですが,歯の治療は問題ないですか。
また他の疾患の手術や検査を受けるときの注意点はありますか。
18)交通量の多い道路沿いに住んでいます。喘息のためには引っ越したほうがいいですか。
19)畳の部屋に住んでいるのですが,フローリングにしたほうがいいですか。
20)ペットは飼ってもいいですか。
21)漢方薬は副作用がないと聞きます。漢方薬の治療のほうがいいのですか。





