書籍詳細
カテ室の基礎知識から造影写真の読み方までマスターできる現場で役立つカテ室ナース必読の1冊
カテ室ナースのための
やさしい造影写真の読み方
- 内容紹介
- 本書は心臓カテーテル検査や冠動脈インターベンションに携わるナースにとって役立つ「造影写真の読み方」を図解している1冊である。普段,カテ室ナースにとって学ぶ機会が少ない造影写真の読み方について,具体例やイラストを交えて基礎知識から実際の造影写真を用いての読み方まで幅広く網羅している。また,「現場で役立つ注意点」として,カテ室での職務の際に知っておくと役立つ情報を掲載している。
さらに各項目の最終ページにはそれぞれ「復習問題」を掲載し,セルフチェックできるようになっている。1日1日少しずつ理解できるように日付や習得項目をチェックできるように書き込み式となっている。
- この度,心臓カテーテル検査に従事している看護師さんに向けて,「心カテナースのためのやさしい造影写真の読み方」をメジカルビュー社から発刊させていただきました。
心臓カテーテル検査は,カテーテルを心臓に入れ,心内圧測定,酸素飽和度測定,造影などを行います。機械,器具の改良,手技の進歩によって検査の安全性は高くなり,検査時間も短縮されてきています。しかし,異物を体内に入れて行う侵襲的な検査であり,いつ合併症が起こるかもしれません。
医師,看護師,放射線技師,臨床工学技士,検査技師で構成される心カテチームは,患者さんを安全に,そして正確な検査が行えるように,各々の専門技術を駆使し最善を尽くし,完璧である必要があります。その中でも看護師さんは,患者さんの一番近くにいるプロフェッショナルとして,小さな変化にいち早く気づき,状況を判断し,迅速に行動することができる職業です。
心臓カテーテル検査を受検する患者さんの変化は,患者さんへの直接的な観察,会話をはじめ血圧,脈拍,心電図,酸素飽和度をモニターすることで気づくことができます。加えて,検査の中核をなす造影も,患者さんの変化につながる情報を発信します。患者さんの変化を示す情報を造影写真から読めるようになれば,看護師さんの技術もさらに高いものになると思うのです。また,直接造影写真を読まなくても,造影写真にかかわる言葉を理解することは,検査の状況を把握することになります。
造影写真が読めるようになるには,日々学習を積まなければなりませんが,看護師さんが造影写真について学習してくることはほとんどないと聞きます。心臓カテーテル検査に携わるその日から,造影写真について知るのが実状ではないでしょうか。
造影写真を読み,造影写真からも患者さんの状況を把握し,合併症発生の可能性を予測し,対処を考えておく。このようなことができれば,心臓カテーテル検査における安全性は,さらに高いものになると思います。本書は,一内容が2ページで完結し,一日で一内容を理解してもらえるように執筆しました。造影写真を掲載したページには,造影写真がなにを意味しているかについて記述しました。そして,造影写真の1枚が看護にどう結びつくかのヒントについても述べました。著者は造影写真に携わる放射線技師であるため,具体的な看護についてまで言及することはできませんが,みなさんに現場での看護につなげ応用していただければ幸いです。また,各章の最後に整理と復習をしていただくページを設けましたのでご活用下さい。
本書が心臓カテーテル検査における看護師さんの看護に少しでもお役に立てれば幸いです。さらには,心臓カテーテル検査の安全性を高めることにつながることを期待いたします。
本書の企画から発刊にあたり,メジカルビュー社の平野範子氏,吉田富生氏に心から感謝申し上げます。また,本書は,一例一例の心臓カテーテル検査から得られた経験を積み重ねることで築くことができました。ここに千葉県循環器病センターの心カテチームの皆様に深く感謝を申し上げます。
2007年12月
千葉県循環器病センター放射線科上席専門員
景山貴洋
- 基礎
Lesson1 患者さんの安全のために造影写真を理解しよう
造影写真は患者さんの状況把握に大切な情報
Lesson2 心臓カテーテル検査は侵襲的検査
合併症の発生を念頭に検査にのぞもう
Lesson3 心カテ室と撮影装置
検査室内にある機器や物品を覚えよう
Lesson4 血管撮影装置各部の名称と機能
血管撮影装置各部の名称と機能
Lesson5 患者さんの放射線被曝
放射線によって起こる皮膚障害
Lesson6 放射線被曝を減らすための心がまえ
放射線被曝を減らすための三原則は,距離,時間,遮へい
Lesson7 カメラ角度はRAOとLAOが基本
アイアイの4方向の角度を覚えよう
Lesson8 造影写真ができ上がるまで(白黒平面画像でなにがみえるの?)
造影写真は心血管の影絵
Lesson9 造影部位とカテーテルの種類
造影部位に応じたよく使うカテーテルを覚えよう
Lesson10 造影剤の安全性と副作用
アナフィラキシー様症状とショック
Lesson11 造影剤使用の限度量を知ろう
腎機能の把握が大切
Lesson12 造影中,造影直後の注意点
血圧,脈拍,心電図をチェックしよう
復習しよう
臨床 左室造影
Lesson1 左室造影の意義と解剖
ポンプ機能を把握するために造影上の解剖を覚えよう
Lesson2(1) 左室造影からなにがわかる? 左室の駆出率とポンプ機能
患者さんの予後が推定できる左室造影
Lesson2(2) 左室造影からなにがわかる? 左室の駆出率(EF)の求め方
重要な数値“EF”を覚えよう
Lesson2(3) 左室造影からなにがわかる? 左室の収縮性の評価
左室壁の運動を評価する左室造影写真
Lesson2(4) 左室造影からなにがわかる? 僧帽弁閉鎖不全症の評価
僧帽弁閉鎖不全症では僧帽弁逆流の重症度を把握しよう
Lesson3 覚えておきたい左室造影の方法
左室造影では患者さんの協力が不可欠
Lesson4 左室造影写真の観察ポイント
左室の運動,ポンプ機能,僧帽弁逆流をチェックしよう
Lesson5(1) 症例写真を理解しよう 左室ポンプ機能のしくみ
左室がギュッと小さくなればポンプ機能は正常と覚えよう
Lesson5(2) 症例写真を理解しよう 左室ポンプ機能の低下
ポンプ機能低下では拡張時と収縮時の差が小さくなると覚えよう
Lesson5(3) 僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁逆流の重症度を知って看護に活かそう
Lesson5(4) 左室内の血栓
左室内の白く抜けた像に注意しよう
復習しよう
臨床 大動脈造影
Lesson1 カテ検査における大動脈造影の意義と解剖
大動脈造影では血管の形や太さ,弁逆流を観察しよう
Lesson2 大動脈造影からなにがわかる
大動脈の形態,左室への造影剤の逆流の程度がわかる大動脈造影
Lesson3 大動脈造影はどう行う?
大動脈造影では息止めと十分な造影剤注入が必要
Lesson4 大動脈弁閉鎖不全:造影写真からわかること
重症度の評価方法を理解しよう
Lesson5 造影写真から大動脈閉鎖不全症を読みとろう
大動脈の形と造影剤の逆流を理解しよう
復習しよう
臨床 冠動脈造影
Lesson1 カテ検査における冠動脈造影法の意義
冠動脈造影の基本を理解しよう
Lesson2 冠動脈造影からなにがわかる?
狭窄病変と閉塞病変をチェックしよう
Lesson3 合併症に注意しよう
合併症の種類と原因を知ろう
Lesson4 冠動脈造影の方法
専用カテーテルで左右の冠動脈を造影しましょう
Lesson5 冠動脈造影直前・中・直後の観察ポイント
脈拍,心内圧,心電図の観察が大切
Lesson6(1) 左冠動脈の解剖
左冠動脈の大きな2本の血管を覚えよう
Lesson6(2) 右冠動脈の解剖
右冠動脈のしくみを理解しよう
Lesson7(1) 冠動脈造影写真観察のポイント
造影剤の流れに沿って2本の血管を追跡しよう
Lesson7(2) 右冠動脈造影写真観察のポイント
造影剤の流れに沿って1本の血管を追跡しよう
Lesson8 多方向撮影ってなに?
冠動脈はいろいろな方向からみて診断しよう
Lesson9 左冠動脈を観察するための角度と造影写真
6方向のカメラ角度で左冠動脈のイメージをつかもう
Lesson10 右冠動脈を観察するための角度と造影写真
4方向のカメラ角度の右冠動脈のイメージをつかもう
Lesson11(1) 冠動脈病変の部位を表す便利な地図
冠動脈病変の部位を表す番地を理解しよう
Lesson11(2) 右冠動脈を表す地図
右冠動脈の番地を理解しよう
Lesson11(3) 左冠動脈を表す地図
左冠動脈の番地を理解しよう
Lesson12 狭窄の進行度を表す狭窄率
病変の進行度を表す狭窄率を理解しよう
Lesson13 冠動脈病変の評価方法
病変部位+狭窄率で診断する方法を理解しよう
Lesson14 冠動脈病変の形態を表す用語
コンセントリックとエクセントリックを使いわけよう
Lesson15 側副血行路の観察方法
狭窄率90%以上の病変では側副血行路を観察しよう
Lesson16 カテーテルによる冠動脈攣縮
心筋虚血の原因となる冠動脈攣縮を押さえよう
Lesson17 冠動脈の空気塞栓
心筋虚血や心筋梗塞の原因となる空気塞栓を理解しよう
Lesson18a 狭窄病変
PCIの適応決定には狭窄率が重要
Lesson18b 閉塞病変
左室ポンプ機能の低下を予測し合併症に備えよう
Lesson18c 左主幹部動脈の閉塞
心原性ショックの危険性が高まる閉塞
Lesson18d 急性心筋梗塞症例
冠動脈の閉塞と血栓像を理解しよう
Lesson18e 解離病変
造影剤のたまりをみたら解離を疑おう
Lesson18f 右冠動脈造影時の心室粗動
造影剤注入時は心電図にも注意を向けよう
Lesson18g 冠動脈穿孔
冠動脈穿孔による血管外への造影剤流出を押さえよう
復習しよう












