整形外科サージカルアプローチ
体位から到達術野まで
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定価 17,600円（税込） （本体16,000円＋税）
- B5変型判 560ページ 2色，イラスト620点，写真280点
- 2014年9月29日刊行
- ISBN978-4-7583-1039-0
序文
運動器の手術的治療にあたっては，皮膚，皮下脂肪を切開し，筋肉を分け，神経血管を避けて，目的とする部位に到達する。その部位で何を行うかの術式にかかわらず，目的とする部位まで安全に，素早く，確実に到達する展開法は，メスを持つすべての整形外科医にとって必要不可欠な技能と言える。本書では全身の部位に対する「アプローチ（展開まで）のみ」の紹介と長所・短所の解説，習熟のためのポイントを網羅し，まさに「アプローチ（展開まで）のすべて」をまとめた一冊である。
多くの手術書は目的部位へ到達してから何をするかに多くの紙面を割いているため，ややもすると展開の記述が疎かになってしまう。本書では一般の手術書では割けない紙面量とイラスト量で展開を詳説する。大きな皮切になっても筋肉を温存する方法，美容面を重視した皮切，効果的な鉤の掛け方など，展開に必要な技術を分かりやすく項目別にまとめている。
本書は上肢編，脊椎編，下肢編の3部構成であり，整形外科のすべての領域をカバーしているが，特に最近では関節外科のみならず脊椎外科においても内視鏡手術の進歩が著しい。それぞれの部位別に従来の直視下法の展開に加えて，鏡視下法の皮切，進入法についても新たな章を設けて専門家に分かりやすく解説してもらった。
本書の特徴としては術者の視点だけではなく，助手の視点でどのような操作をするとよりよい視野が得られるか，またトラブルの芽を早めに摘むためには何を知らなければいけないか，という独特の項目が設けられており，極めて実践的な手術展開解説書になっている。手術書は数多いが，このような視点で書かれた書籍はこれまでにないといっていいだろう。
読者にとっては「手術の展開はこの一冊をみればわかる」と言えるような充実した内容になっている。手術部位の適切な展開は手術成功への出発点である。若手・ベテランを問わず，「理想的な展開」を追い求めるすべての整形外科医にとって，本書がその要望に応える書になることを願っている。
東北大学大学院整形外科学分野教授
井樋栄二
多くの手術書は目的部位へ到達してから何をするかに多くの紙面を割いているため，ややもすると展開の記述が疎かになってしまう。本書では一般の手術書では割けない紙面量とイラスト量で展開を詳説する。大きな皮切になっても筋肉を温存する方法，美容面を重視した皮切，効果的な鉤の掛け方など，展開に必要な技術を分かりやすく項目別にまとめている。
本書は上肢編，脊椎編，下肢編の3部構成であり，整形外科のすべての領域をカバーしているが，特に最近では関節外科のみならず脊椎外科においても内視鏡手術の進歩が著しい。それぞれの部位別に従来の直視下法の展開に加えて，鏡視下法の皮切，進入法についても新たな章を設けて専門家に分かりやすく解説してもらった。
本書の特徴としては術者の視点だけではなく，助手の視点でどのような操作をするとよりよい視野が得られるか，またトラブルの芽を早めに摘むためには何を知らなければいけないか，という独特の項目が設けられており，極めて実践的な手術展開解説書になっている。手術書は数多いが，このような視点で書かれた書籍はこれまでにないといっていいだろう。
読者にとっては「手術の展開はこの一冊をみればわかる」と言えるような充実した内容になっている。手術部位の適切な展開は手術成功への出発点である。若手・ベテランを問わず，「理想的な展開」を追い求めるすべての整形外科医にとって，本書がその要望に応える書になることを願っている。
東北大学大学院整形外科学分野教授
井樋栄二
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目次
◯上肢
●肩関節
上腕骨頭，関節窩への前方アプローチ
後方アプローチ
腱板断裂に対するアプローチ
腕神経叢へのアプローチ
肩鎖関節へのアプローチ
肩甲骨へのアプローチ
肩関節鏡のアプローチ
●肘関節
後方アプローチ
内側アプローチ
外側アプローチ
前方アプローチ
肘関節鏡のアプローチ
●手関節
掌側アプローチ
背側アプローチ
手関節鏡のアプローチ
●指関節
指関節へのアプローチ
◯脊椎
●頚椎
前方アプローチ
後方アプローチ
上位頚椎の開口位アプローチ，側方アプローチ
内視鏡手術のアプローチ
●胸椎
前方アプローチ
後方アプローチ
内視鏡手術のアプローチ
●腰椎・仙椎
腰椎前方アプローチ
腰椎後方アプローチ
Wiltseアプローチ
仙腸関節へのアプローチ
内視鏡手術（前方）のアプローチ
内視鏡手術（後方）のアプローチ
◯下肢
●骨盤
前方アプローチ（Pfannenstiel approach）
前方アプローチ（腸骨鼡径アプローチ）
側方アプローチ（ミニY展開法）
後方アプローチ（Kocher-Langenbeck）
●股関節
前方アプローチ
大転子切離側方アプローチ
側方アプローチ（Hardinge，Dall）
後方アプローチ
股関節鏡のアプローチ
MIS THAのアプローチ
Revision THAのアプローチ
●膝関節
前方アプローチ
内側アプローチ
外側アプローチ
後方アプローチ
膝関節鏡のアプローチ
MIS-TKA（Sub-Vastus）のアプローチ
Revision TKAのアプローチ
腓骨近位端へのアプローチ
脛骨内側へのアプローチ
脛骨外側へのアプローチ
横切開によるアプローチ
●足関節・足
脛骨遠位端へのアプローチ
腓骨遠位端へのアプローチ
足関節前方アプローチ
足関節内側アプローチ
足関節外側アプローチ
足関節後方アプローチ
後足部へのアプローチ
母趾へのアプローチ
中足骨・足趾へのアプローチ
足底へのアプローチ
足関節鏡のアプローチ
●肩関節
上腕骨頭，関節窩への前方アプローチ
後方アプローチ
腱板断裂に対するアプローチ
腕神経叢へのアプローチ
肩鎖関節へのアプローチ
肩甲骨へのアプローチ
肩関節鏡のアプローチ
●肘関節
後方アプローチ
内側アプローチ
外側アプローチ
前方アプローチ
肘関節鏡のアプローチ
●手関節
掌側アプローチ
背側アプローチ
手関節鏡のアプローチ
●指関節
指関節へのアプローチ
◯脊椎
●頚椎
前方アプローチ
後方アプローチ
上位頚椎の開口位アプローチ，側方アプローチ
内視鏡手術のアプローチ
●胸椎
前方アプローチ
後方アプローチ
内視鏡手術のアプローチ
●腰椎・仙椎
腰椎前方アプローチ
腰椎後方アプローチ
Wiltseアプローチ
仙腸関節へのアプローチ
内視鏡手術（前方）のアプローチ
内視鏡手術（後方）のアプローチ
◯下肢
●骨盤
前方アプローチ（Pfannenstiel approach）
前方アプローチ（腸骨鼡径アプローチ）
側方アプローチ（ミニY展開法）
後方アプローチ（Kocher-Langenbeck）
●股関節
前方アプローチ
大転子切離側方アプローチ
側方アプローチ（Hardinge，Dall）
後方アプローチ
股関節鏡のアプローチ
MIS THAのアプローチ
Revision THAのアプローチ
●膝関節
前方アプローチ
内側アプローチ
外側アプローチ
後方アプローチ
膝関節鏡のアプローチ
MIS-TKA（Sub-Vastus）のアプローチ
Revision TKAのアプローチ
腓骨近位端へのアプローチ
脛骨内側へのアプローチ
脛骨外側へのアプローチ
横切開によるアプローチ
●足関節・足
脛骨遠位端へのアプローチ
腓骨遠位端へのアプローチ
足関節前方アプローチ
足関節内側アプローチ
足関節外側アプローチ
足関節後方アプローチ
後足部へのアプローチ
母趾へのアプローチ
中足骨・足趾へのアプローチ
足底へのアプローチ
足関節鏡のアプローチ
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整形外科手術アプローチを究める
整形外科のあらゆる手術は進入と展開によって進行する。皮膚上よりメルクマールを定め，皮切を置き，筋膜や脂肪を除き，筋や神経・血管を分けて目標までアプローチする。こうした進入法は部位や手術の術式に左右され，最適なアプローチの選択と解剖学的な知識が必要とされる。
本書では手術書では省略されがちなアプローチにスポットを当て，「皮切」「浅層展開」「深層展開」「到達術野」と進入を大きく4段階に分けて，それぞれを詳細なイラストを中心に解説することで，進入・展開の手技を充実させている。
整形外科手術で用いられる主なアプローチを網羅し，必ず手術の助けとなる1冊である。