口唇口蓋裂の最前線の診断と治療を実践する施設の最新知識のすべてがわかる本
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胎児診断から始まる 口唇口蓋裂 集学的治療のアプローチ |

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| 定価 9,975円(5%税込) |
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| A4判 272ページ |
オールカラー 写真200点,イラスト80点
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| 2010年3月刊行 |
| ISBN978-4-7583-1065-9 |

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口唇口蓋裂は約500人に1人発生し,高頻度にみられる疾患である。また,口唇口蓋裂を合併する染色体異常や症候群は約200以上存在するといわれており,外科的な修復術だけでは済まない場合も多い。 本書は,小児専門の医療施設である神奈川県立こども医療センターの医師達が行っている,出生前(胎児エコー)診断から出生後の手術,栄養指導や言語評価などその後のフォローアップまでを,さまざまな科の立場から紹介している。 1章で,まず胎児の口唇口蓋裂が確認できた際に,家族に説明するために最低限必要な知識について述べている。2章では,胎児の向きなどによって判別が難しくなる胎児エコーについて,経験豊富な医師が,コツを交えて解説している。また,胎児の口唇口蓋裂が確認できた際の家族への告知についても触れている。3章では,口唇口蓋裂児の栄養について,母乳の与え方や,口唇口蓋裂児をもつ母親へ向けてのアドバイスを掲載している。4章では手術手技について,特に神奈川県立こども医療センターで実際に行っている手技を,豊富な症例を交えて解説し,5章において,手術前後に必要となる矯正治療や,言語障害への対策についても述べている。 周産期・小児医療に携わる者には必読の1冊である。 |
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各施設において口唇口蓋裂の治療が行われていますが,集学的治療を行う上で,経験豊富な専門医によるチーム医療が行われ,長期的経過観察を含めた体制が整っているところは数少ないように思います。 この疾患は,適切な時期に適切な治療を受ければ,機能的障害なく社会生活を送ることが可能ですが,われわれの専門施設ですら,いまだに再現性のある良好な結果が得られていません。 しかし,上顎の成長を抑制することが少ないFurlow法による口蓋形成術など,治療法も日々進歩しています。特に非観血的治療である術前顎矯正の効果は目を見張るものがあります。それに伴い歯肉骨膜形成術や口蓋形成術が口唇形成術と一緒に行えるようになり,手術回数を減らすことができました。今後,nasoalveolar molding(NAM:術前鼻歯槽矯正)に代表される非観血的術前顎矯正が治療に占める割合は大きくなると予想され,多くの外科医が再現性のある安定した良質の手術を行うことが可能になることが期待されます。 また,近頃では胎児超音波検査の精度が上がり,出生前診断されて来院する方も増えています。それに伴い,両親への情報提供や精神面でのサポートが急務となっていますが,この分野での医療者側に立った口唇口蓋裂の専門書はありませんでした。したがって,本書では一般的な事項を割愛する代わりに,われわれが「実際に」行っている出生前診断や告知の項目を充実させました。また,栄養や治療の項目においても,実用書として従来とは異なったアプローチによりcontroversialな部分を含めて,「われわれが現在行っている治療法」を記載することに重点を置きました。 本治療法による長期症例は10歳前後であり,成人での最終結果はいまだ出ておらず,定量的かつ統計的な結果はもう少し先になります。しかし,われわれは今のところ,言語および混合歯列期での上顎の成長は,ともに従来の方法と比較して満足する結果であり,これらの治療法のなかのいくつかは,わが国においても標準化されるであろうと考えています。今後,さらなるシステムの最適化やより良い治療を目指す上で改善すべき点は多々あります。皆様の忌憚のないご意見をいただければ幸いです。 本書が口唇口蓋裂の治療を行う上で,皆様のお役に立てるとともに,問題提起になることを願っています。最後になりますが,出版にあたり多大なご協力を賜った清澤まや様,矢部涼子様に心より御礼を申し上げます。
2010年2月 神奈川県立こども医療センター形成外科科長 小林眞司 |
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