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書籍


脳血管内治療医必携。この1冊で脳動脈瘤に対する血管内治療のすべてが学べる!
新刊
脳動脈瘤血管内治療のすべて
基本から最新治療まで

脳動脈瘤血管内治療のすべて
監修
編集

   根來 眞
中原 一郎
入江 恵子
吉村 紳一
 

定価  9,450円(5%税込)
B5判  360ページ
2色,一部カラー
2010年8月刊行
ISBN978-4-7583-1186-1



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内容紹介
脳動脈瘤に対する血管内治療を行ううえで必要な基本解剖や画像診断などの基礎知識から始まり、コイル塞栓術を中心とした基本手技・応用手技や各種の病変に対応する治療を、多数の写真とイラストで解説する。また近い将来、薬事承認、保険償還が期待されている脳動脈瘤治療用頭蓋内ステントや新たなSurface modified coilなどの新規デバイスの情報を紹介する。本治療を行ううえで知っておかなければならない基本知識から手技の実際、最新情報までを修得できる一冊である。

序文
本書を刊行するにあたって

 本書は近年益々その重要性を高めつつある,脳動脈瘤血管内治療についてその基礎から臨床まで,日夜第一線で活躍する先生達が心血を注いで書かれた書籍である。その構成は解剖,画像診断から合併症に至るまで,微に入り細に入り日本のこの分野における水準の高さを示している。
 1974年旧ソ連邦の脳神経外科医 Serbinenkoがバルーンカテーテルによる脳動脈瘤血管内治療を発表し世界を驚かせてから既に40年近い歳月が流れ,その間に1985年米国人技師Erik Engelsonによるマイクロカテーテルの開発,1990年にはイタリア人医師Guglielmiによりelectro-detachable coil(GDC)が開発された。一方国内では1982年には第1回血管内手術研究会を故 景山直樹名古屋大学教授(当時)会長の下に名古屋で開催させていただいたが,これを契機に日本でも血管内治療の存在が認識され,血管内治療に取り組む人が一人また一人と増えていった。このような努力が報われ,GDCの国内治験も早期に開始することが出来たと言ってよい。1997年のGDCの保険診療収載は国内における脳動脈瘤治療に一石を投じ,clipping以外の治療法の存在を確固たるものとした。
 また世界的規模で行われ,2002年にMolyneuxらにより発表されたISAT (International Subarachnoid Aneurysm Trial)は批判を浴びつつも,世界的にはコイルによる動脈瘤治療をより普及させるきっかけとなった。しかしながらこのような血管内治療の普及は一方で,合併症の増加等不幸な結果を生み出すことにも繋がっている。日本では幸い早くからこの点に着目して専門医制度が敷かれ,若手医師の教育が行われてきた。本書は長年この分野に取り組んでこられた先生と若手の先生が協力し合って内容が構成され,脳動脈瘤の血管内治療の総てを網羅した実戦的な優れた書となっている。
 当初あくまでも補助療法であったはずのものが,いまや脳動脈瘤治療の主たる治療の座につきつつあることは,始まりを知る者にとっては驚き以外何者でもない。ここに到るまでの道程は平坦ではなかったし,国内での機器開発の遅れ,device-lagによる必須の機器の導入の遅れなど今後の道のりも決して楽ではないことが予想される。しかし本書に示されているように,各人が英知を出し合っていけばいつか解決出来ると信じている。
 本書の執筆に携わったすべての先生方に感謝すると共に,本書が脳動脈瘤血管内治療の確実性,安全性を高めることに少しでもお役に立つことを祈念したい。

平成22年6月吉日
根來 眞
 

序文

 脳動脈瘤に対する血管内治療は,開頭ネッククリッピング術などの直達手術が困難な症例に対する次善の治療として始められ,当初は効果の不確実な治療,長期予後の判らない治療とされていました。また開頭を行わない低侵襲性とは裏腹にいったん合併症を生じた場合のリカバリーショットが困難な,危険な側面を持った治療とも受け止められてきました。しかし当初,detachable balloonからスタートした本治療は離脱型コイルの出現,治療技術,診断技術の発展に伴い長足の進歩を遂げ,欧米の一部では脳動脈瘤の7〜8割が,また,米国や韓国などのアジア諸国の一部でも4〜5割の症例が血管内治療で対処されるようになっています。一方,本邦では,マイクロサージェリーの技術が高いこと,海外と比較して医療機器の承認要件が厳しく新規デバイスの使用制限があることなどから,脳動脈瘤治療における血管内治療の占める割合は未だ高くはありません。現在,国内での年間30,000件余りの脳動脈瘤治療のうち,血管内治療で行われている症例数は8,000件程度,penetration ratioは25〜30%と言われています。
 しかし,本邦で脳動脈瘤に対する血管内治療がはじめて行われてからすでに30年以上,離脱型コイルであるGDC保険償還から14年を経た現在,脳動脈瘤に対する血管内治療の進歩は目を見張るものがあります。日本脳神経血管内治療学会の会員数は2,500名を超え,専門医数は550名になり,年々,治療数は右肩上がりで増加しています。本書は,このような状況を背景に,脳動脈瘤の血管内治療に従事する方々すべてに気軽に手に取っていただけるように企画致しました。脳動脈瘤の血管内治療を行うにあたって必要な血管解剖や画像診断の基礎知識,薬剤・器材・機器に関する知識に始まり,治療戦略の立て方,基本手技・応用手技や,部位ごと,成因ごとの手技・治療戦略,合併症対策を含めた治療に必要なすべての情報が集約されています。また,巻末には動脈瘤治療に用いられるコイル,ステントの最新情報やガイドラインがまとめられており,本書の随所に脳動脈瘤に対する血管内治療の近未来を伺える情報もちりばめられています。さらにはインフォームドコンセントやクリニカルパス,コメディカルとの連携など,実際に治療を行うにあたって必要な内容が判りやすく解説されています。脳神経血管内治療の専門医を目指す若手医師はもちろん,すでに専門医,指導医を取得された先生方,これから脳神経外科や脳神経血管内治療を志す学生,研修医の方々にとって,それぞれの立場でお役に立てるものと思います。また,血管内治療の現場である血管撮影室・治療室,集中治療室やSCUなどにも是非置いていただき,脳動脈瘤治療に携わるすべての職種の方々にお読みいただければと存じます。
 本書は,脳神経血管内治療のトップリーダーのおひとりとして脳動脈瘤の血管内治療の進歩に情熱を注いで来られた根来 眞先生にご監修をいただき,先生のご薫陶,ご指導をいただいたり,あるいは直接,間接に教えをいただいて,第一線で活躍されている先生がたにご執筆いただきました。共著書籍の常として,重複した記載や意見の相反したところを見出されるかもしれません。しかし,これは気鋭の先生方が治療の困難な一筋縄ではいかない脳動脈瘤に対して,最新の技術と細心の配慮を重ね,熟考し,時には思い悩みながら,より良い治療成績を求めて日々努力を重ねておられる証でもあります。
 本書が刊行される2010年は,脳動脈瘤治療に用いられるステントが本邦でもいよいよ保険償還となりました。また,bioactive coilに加えて,親水性ゲルのcoatされたコイルや新たなデザインのコイルも臨床供用されることとなり,脳動脈瘤に対する血管内治療が一段と飛躍する年になります。本治療の新たな発展に際して,本書において現時点での脳動脈瘤血管内治療のstate of the artを再確認いただければ幸いです。
 末尾にあたりまして,編集者一同より,日常臨床にご多忙の中,力のこもった原稿をお寄せいただきました執筆者の先生がたに心より御礼を申し上げます。また,本書を通じて医学の進歩に寄与していただきましたメジカルビュー社の皆様,なかでも手間のかかる編集作業にご尽力いただきました尾高亜希氏に深謝申し上げます。

平成22年7月吉日
中原一郎
入江恵子
吉村紳一
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