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書籍


患者のQOLを著しく損なう尿失禁と骨盤臓器脱の多様な術式を詳解
新刊
新Urologic Surgeryシリーズ 5
尿失禁と骨盤臓器脱の手術

尿失禁と骨盤臓器脱の手術
担当編集委員    高橋 悟  

定価  12,600円(5%税込)
A4判  200ページ
オールカラー
2010年7月刊行
ISBN978-4-7583-1254-7



■編集委員
 松田公志  中川昌之  冨田善彦

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内容紹介
患者のQOLを著しく損なう尿失禁。超高齢社会を前にして患者のニーズに応えるためにも,泌尿器科臨床医にとって尿失禁の手術に習熟することは必須事項である。本書ではメッシュを使用したスリング手術をはじめ多様な尿失禁の手術を詳解している。潜在的に多くの患者がいるとされる高度の男性尿失禁患者の手術手技も収載。ウロギネコロジーの観点から骨盤臓器脱に対する手術も取り上げ,今後の手術対象疾患の拡大も視野にいれた泌尿器科臨床医必携の書である。

序文
 泌尿器外科は,高齢者の疾患を治療対象に多く含む外科学である。また前立腺肥大症に代表されるQOLにインパクトを与える疾患を対象にすることも,特徴の一つである。世界に類をみないスピードで超高齢社会に移行しつつある我が国では,今後20年間に前立腺疾患が増加することは間違いない。同時に世界一の女性長寿を誇る我が国では,腹圧性尿失禁や骨盤臓器脱などの女性QOL関連疾患も当然増加する。したがって,“female Urology(女性泌尿器科)”に端的に表現されるように,「女性」を新たな治療対象に加えることは,21世紀の泌尿器科学にとって,もはや時代の必然であろう。
 2000年6月フランスのニースでメッシュを用いた経腟式骨盤臓器脱手術の標準化を目指してurogynecologistsが集まったことを発端として,Tension-free Vaginal Mesh(TVM)techniqueが誕生した。本手術は,低い再発率と,排尿機能や性機能を含めた骨盤底が持つ本来の機能を損なうことなく,骨盤底を低侵襲に再建出来る特徴を有する。さらに今年,TVM手術は膀胱脱手術(メッシュを使用するもの)として保険診療が適用された。このように今や我々,泌尿器科医はTVT・TOT尿道スリングと併せて,中高年女性患者の排尿・骨盤機能障害を外科的に治療出来る,均一性の高いツールを手に入れたと言えよう。したがって,我々泌尿器科医は,“female Urology”を特殊な専門分野と考えるのではなく,「腹圧性尿失禁」と「骨盤臓器脱」を前立腺肥大症と同じQOL関連疾患と捉え,積極的に手術手技を習得して一人でも多くの患者を救う努力が必要であろう。
 近年男性骨盤底の解剖と機能に関する知識に基づいて,前立腺全摘除術の治療成績が飛躍的に改善されたように,尿失禁と骨盤臓器脱の手術を行う際には,まず女性骨盤底の解剖と機能を知ることが大切である。本書では,腹圧性尿失禁に対する「恥骨後式挙上術」,子宮脱に対する「腟式子宮摘除術」,「腟上端固定術」の項を,これらの手技に経験豊富な婦人科医の先生方に判り易く執筆して頂いた。ぜひ,「喰わず嫌い」にならずに精読して頂き,役立てて頂きたい。加えて,前立腺手術後の「男性括約筋性尿失禁の手術」と「瘻孔閉鎖・尿道憩室の手術」を本書の関連手術として収録した。
 本書が女性泌尿器科手術の習得を目指す若手泌尿器科医はもとより,手術のエキスパートを含めて多くの先生方に愛読されれば,望外の喜びである。多忙の中,丹念に詳述して下さった分担執筆者の諸兄に深謝申し上げる。

2010年5月
高橋 悟
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