新NS NOW 7

脳波判読の基礎と手術への応用

脳波ギライを克服しよう!

脳波判読の基礎と手術への応用

■担当編集委員 三國 信啓

定価 12,100円(税込) (本体11,000円+税)
  • A4判  184ページ  オールカラー,イラスト120点,写真100点
  • 2016年9月5日刊行
  • ISBN978-4-7583-1567-8

読み取ろう 脳からのメッセージ

No.7では「脳波」とその判読をテーマに取り上げた。
脳波は脳からリアルタイムで送られてくる最も直截なメッセージであり,これを読み取り「今,脳のどこがどうなっているのか」を理解することは,脳を離断するてんかんの手術において必須の技術・知識といえる。
本書では1章で脳波測定・判読の基礎と手技を,2章では術前・術中の脳波判読から得た情報をいかに安全・確実な手術へとつなげていくかについて解説している。
脳神経外科医専門医も,これから専門医をめざす医師も必読の1冊である。

■シリーズ編集委員
森田明夫/伊達 勲/菊田健一郎


序文

 本書のねらいは「一般の脳神経外科医師が脳波アレルギーを取り去り,診療に必要十分な範囲で脳波の判読ができる」ことにあります。
 脳神経外科の学問と診療どちらにおいても機能的脳神経外科は重要な領域の1つとして古い歴史がありますが,脳波への苦手意識が強いためハードルが高いと感じていることがあります。てんかん外科は限られた施設で行われていると思いますが,てんかんに対する薬物治療の三分の一を脳神経外科が担っています。一方で,学生や研修期間に脳波に関する教育の機会が十分でない場合も多く,さらに専門医を取得してからは脳神経外科診療に特化した脳波の講義を受ける機会はほとんどありません。このような背景のなかで脳神経外科医師向けの脳波に関する教科書を企画する貴重な機会をいただきました。 
 そこで『I. 脳波編−脳神経外科医師が知っておくべき脳波判読の基礎』,『II. 手術編−脳波判読の手術への応用』とし,各分野で著名な先生方に趣旨をご理解いただいたうえで執筆していただいております。
 脳波編では,デジタル・アナログ脳波判読の基礎知識から長時間ビデオ脳波記録,神経救急や術中脳波までさまざまなシチュエーションでの脳波判読の実際が学べます。図表を多く用いて視覚的に脳波の読みかたが理解できるようになっており,また各項目で内容が完結していますので最初から順番に読み進む必要はありません。てんかん外科を前提にしていなくても,てんかん診療に必要な脳波判読方法が理解できます。
 手術編では,脳波編で学んだ知識を手術で生かすノウハウと,実際にてんかん患者の主治医や術者になった際に役立つ手術適応から手術方法決定の考えかたが学べます。脳腫瘍や海綿状血管腫摘出術,覚醒下手術での腫瘍外科とてんかん外科の観点の差や治療上の注意点についても理解できるようになっています。
 本書によって読者の先生方の日常診療が一層深厚なものとなり,脳神経外科学の発展につながれば望外の喜びです。

2016年7月
札幌医科大学医学部脳神経外科教授
三國信啓
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目次

Ⅰ脳波編 脳神経外科医師が知っておくべき脳波判読の基礎
 脳波判読の基礎  江夏 怜
 正常覚醒時脳波と睡眠脳波の読みかた  岩崎真樹
 部分てんかん脳波の読みかた  菅野秀宣
 全般てんかん脳波の読みかた  越智さと子
 発作時脳波(脳波ビデオ同時記録)の測定方法と読みかた  國枝武治,ほか
 非けいれん性異常脳波の測定方法と読みかた  久保田有一,ほか
 術中脳波の測定方法と読みかた  山本貴道
  
Ⅱ手術編 脳波判読の手術への応用
 内側側頭葉てんかん  稲次基希,ほか
 新皮質てんかん  臼井直敬
 脳腫瘍や海綿状血管腫によるてんかん 焦点摘出は必要か  貴島晴彦
 大脳半球離断術の対象となるてんかん  飯田幸治
 視床下部過誤腫によるてんかん  白水洋史,ほか
 緩和的治療の対象となるてんかん  川合謙介
 覚醒下手術 てんかんとグリオーマ  大瀧隼也,ほか
 
シリーズ わたしの手術記載
 ①側頭下アプローチによる側頭葉内側部病変とてんかん焦点(難治性)摘出  三國信啓
 ②再発眼窩内視神経膠腫の摘出と周辺構造の同定  鎌田恭輔
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