新NS NOW 11

Advanced脳血管内治療

一歩上の治療を目指して

Advanced脳血管内治療

■担当編集委員 吉村 紳一

定価 12,100円(税込) (本体11,000円+税)
  • A4判  192ページ  オールカラー,イラスト120点,写真150点
  • 2017年9月4日刊行
  • ISBN978-4-7583-1571-5

「最高の治療」を塗り替えていけ

No.11では脳血管内治療をテーマに取り上げた。
カテーテルを用いた脳血管内治療は適応・術式・使用するデバイスなど,現在脳神経外科において最も注目され議論が白熱する話題といって過言ではない。欧米を中心に手術数を増やしている本術式は,今後わが国においてもその数と重要性を増していくであろう。
本書は現在広く血管内治療が行われている疾患ごとに章を設け,いかにカテーテルを送り込むか,どのように手術器具を使いこなすかについて仔細に学べる1冊となっている。

■シリーズ編集委員
森田明夫/伊達 勲/菊田健一郎


序文

 脳血管内治療の進歩はめざましく,毎年のように新たなデバイスが導入されています。またランダム化比較試験によって,脳動脈瘤コイル塞栓術や頚動脈ステント留置術,さらには血栓回収療法の有効性も確立されました。このため,治療数も増加の一途をたどっており,今や外科手術と並ぶ重要な治療オプションとなっています。しかし,実際に治療を行う場合には臨床試験の対象となるようなシンプルな病態ばかりではありません。さまざまな工夫を凝らさないと治療を完遂できないような状況に頻繁に遭遇します。
 例えば脳動脈瘤においては,ワイドネック瘤や分枝を有する瘤,さらには大型・巨大動脈瘤など,一筋縄ではいかないようなケースが多く存在します。また,頚動脈狭窄症においてはソフトプラークや石灰化病変,急性期脳梗塞においては,屈曲病変や末梢血管閉塞,タンデム病変など,治療が難しい病態は枚挙にいとまがありません。一方,硬膜動静脈瘻などのシャント性疾患においては,アンギオの読影力そのものを鍛え,攻めかたを十分に考慮することが必要です。
 このように,治療が難しい病変に対してはデバイスや血管構築の深い理解と周到な準備が必要です。行き当たりばったりの対応では,治療を成功に導けないばかりか,合併症を招く可能性もあるからです。
 本書では現場で経験する機会が多く,しかも治療が困難な病態にフォーカスを当て,「一歩上の脳血管内治療」を習得していただくことを目標といたしました。各章の執筆は本治療の最前線で活躍中の先生方で,その内容は多くの示唆に富んでいます。ぜひ本書をお読みいただき,明日からの診療にお役立ていただきたいと思います。

平成29年7月 
兵庫医科大学脳神経外科学講座
吉村紳一
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目次

I 動脈瘤
ワイドネック瘤  岐浦禎展
アクセス困難例  泉 孝嗣
分枝を有する動脈瘤  新妻邦泰,ほか
フローダイバーター Pipeline™ Flex  石井 暁
巨大脳動脈瘤に対するフローダイバーター治療
 各フローダイバーターの相違と支援機材の進化  立嶋 智
大型・巨大瘤に対する母血管閉塞 +バイパス  江頭裕介

II 再開通療法
高度屈曲例  白川  学
末梢血管閉塞  園田和隆,ほか
タンデム病変  進藤誠悟
アクセス困難例  竹内昌孝

III 頚動脈ステント留置術
ソフトプラーク・石灰化病変に対する頚動脈ステント留置術(CAS)  山田清文,ほか

IV 頭蓋内動脈ステント留置術
頭蓋内動脈ステント留置術の適応と手技  植田敏浩

V 硬膜動静脈瘻
海綿静脈洞部の攻めかた  里見淳一郎
横静脈洞部の攻めかた  桑山直也

VI 脊髄動静脈奇形
脊髄動静脈奇形におけるアンギオの読みかたと血管内治療  新見康成

VII 脳動静脈奇形
脳動静脈奇形に対する塞栓物質の選択とその使用法  伊藤 靖

◆シリーズ わたしの手術記載
① 左視力・視野障害で発症したanterior clinoidal meningioma  黒田 敏
②くも膜下出血 脳底動脈頂部動脈瘤  水成隆之
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