リハ実践テクニック

脳卒中

第3版

脳卒中

■編集 千田 富義
髙見 彰淑

定価 6,160円(税込) (本体5,600円+税)
  • i_dvd.jpg
  • B5変型判  392ページ  オールカラー,イラスト143点,写真363点,DVD-Video付き
  • 2017年3月21日刊行
  • ISBN978-4-7583-1727-6

簡潔な解説と豊富なカラー写真,今回新たに付録としたDVDビデオで,脳卒中リハに求められる知識と技術をわかりやすく解説

脳卒中はその原疾患,病期によってアプローチが異なり,治療と並行して訓練を進めていく。治療・訓練には医師だけではなく,看護師,理学療法士,作業療法士をはじめ様々なスタッフが関わり,チームとして医療を行わなければならない。
本書では,脳卒中のリハビリテーションについて,その概要から,評価,リハの実際,また看護までを経験豊富なスタッフが解説する。特に第II・III章ではリハビリの評価法と実際を,カラー写真を多用してわかりやすく解説し,即,実践に役立つ内容になっている。
第3版では,書籍の内容に基づくDVDビデオを付録としている。実際の脳卒中患者の協力のもと,実践的なリハテクニックが理解できる内容となっている。また,脳卒中治療ガイドライン2015や関連法規の改定にも対応している。
脳卒中リハビリテーションの臨床で求められる知識と技術をまとめた1冊である。


序文

第3版 序文

 脳卒中のリハビリテーションは21世紀に入ってからも臨床的な側面・医療体制の側面で,引き続き発展してきた。たとえば,上肢機能障害,歩行障害のリハビリテーションのように,脳卒中で障害発生の頻度が高く生活への影響が大きい問題に対する取り組みが次第に充実し,麻痺側上肢の強制使用,ボツリヌス療法など脳卒中の新たな治療方法が確立されてきた。リハビリテーション体制としては,急性期における集中的アプローチ,回復期における包括的アプローチ,維持期における生活に密着した維持的アプローチが確立し,脳卒中患者の経過に合わせたリハビリテーション治療が実施されるようになっている。
 脳卒中リハビリテーションに関して,日本脳卒中学会・脳卒中ガイドライン脳卒中治療ガイドライン委員会が脳卒中治療ガイドラインをまとめてきた。ガイドラインの内容の変遷をたどると,明らかに記載内容が豊富になり,確証に裏付けられた記述になっている。すでに発行された3編のガイドラインが網羅している2004〜2015年の論文についていえば,脳卒中リハビリテーションに関する治療の研究が発展し,臨床技術と医療システムの向上により発病早期から,より恒常的に,より広汎に,治療が実施されるようになったことが伺い知れる。
 本書はこのような脳卒中のリハビリテーション技術の発展,リハビリテーション体制の確立などの状況を考慮しながら,それに対応するように版を重ねてきた。特に留意したことは,脳卒中の疾患治療とリハビリテーション治療の関連と進め方,リハビリテーションでの評価と治療,リハビリテーション関連職種の役割と協力等,実際のリハビリテーションで遭遇し,その解決にはリハビリテーション関連職種が相互に議論しなければならないような諸問題に触れることである。そのために,テーマによって最も記述するのが相応しい職種の方々に執筆を依頼し,議論しながら文章を形成するようなスタイルを選択した。また,疾病により発生する障害の捉え方,リハビリテーション目標の設定方法,リハビリテーション過程の選択方法などには,リハビリテーションチームの共通の認識が必要と思われるので,同一施設でともにリハビリテーション治療を議論し,リハビリテーションを提供した経験をもつ方々に多く執筆を依頼した。
 リハビリテーションに関連する各職種の方々が,それぞれの職種の業務内容について議論する際に本書を参考にしていただき,また他職種との役割分担を検討する際にも手元に置いて御議論いただければ幸いである。最後に本書の出版に当たっては,間宮卓治氏他メジカルビュー社の方々の多大なご尽力をいただいた。心から謝意を表する。

2017年3月
千田富義
髙見彰淑
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目次

Ⅰ.脳卒中リハビリテーションの概要
 疾患の特徴とリハビリテーションでの注意点
 各時期のリハビリテーション
 脳卒中リハビリテーションでのチームアプローチ
 脳卒中クリティカルパスの具体例
 サービス提供の場および制度

Ⅱ.問診と診察
 リハビリテーションで行う問診と診察
 神経学的診察
 心理検査
 整形外科的診察

Ⅲ.リハビリテーションの実際
 運動・動作障害
  評価/治療/下肢装具,歩行補助具,車椅子
 フィットネスあるいは体力の低下
 日常生活活動(ADL)制限
  ADL検査の概念/ADL評価/健康関連QOL評価/治療/職業前評価・訓練/自動車運転/自助具/CI療法
 嚥下障害
 言語障害
 高次脳機能障害
 排泄障害
 痙縮
 中枢性疼痛
 リハビリテーションの看護
 リハビリテーション医療における在宅支援
  在宅支援の進め方/病院外来リハビリテーション/間欠的入院/家屋評価と住宅改修
 具体的なリハビリテーション医療の進め方
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