新NS NOW 19

Advanced神経内視鏡手術

神経内視鏡の可能性をさらに拡げる

Advanced神経内視鏡手術

■担当編集委員 伊達 勲

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  132ページ  オールカラー,イラスト72点,写真213点
  • 2019年9月29日刊行
  • ISBN978-4-7583-1842-6

神経内視鏡手術の最新情報をキャッチアップ!

『神経内視鏡手術 スタート&スタンダード』(2018年刊行)の応用編。神経内視鏡手術は2002年に保険収載され,また2006年から始まった技術認定制度によって術者が増え,現在では水頭症,脳内血腫,下垂体腫瘍の第一選択となっている。神経内視鏡手術がどのように発展し,応用されているかを解説する。

■シリーズ編集委員
森田明夫/伊達 勲/菊田健一郎


序文

 この度,『新NS NOW No.19』として「Advanced神経内視鏡手術〜神経内視鏡の可能性をさらに拡げる」が発刊されることになりました。日本神経内視鏡学会の会員数が2,000名を超え,さらに右肩上がりになっている状況で,神経内視鏡手術はほとんどの脳神経外科施設において行われる標準的手術方法となっています。そのような現実に鑑み,メジカルビュー社から『神経内視鏡治療 スタート&スタンダード』を2019年1月に発刊いたしました。この本は主にこれから神経内視鏡手術を始めようとする人,あるいは現在この手術をマスターしつつある人,を対象にしていました。しかしながら,神経内視鏡手術はさらに適応範囲が広がっており,さまざまな応用が行われるようになっています。本書はそのような神経内視鏡手術の応用編を「Advanced神経内視鏡手術」というタイトルのもとにまとめたものです。
 項目ごとに具体的にみていきましょう。ナビゲーションを併用することで安全性と正確性が高まります。従来の内視鏡は2Dでしたが,3D内視鏡の開発で,奥行きがしっかりととらえられます。また3D内視鏡での技術は,3D外視鏡にも今後生きてくると思われます。内視鏡の固定装置を使って行う2 hand surgeryに加えて,scopist(内視鏡を保持・操作する医師)と術者で行う4 hand surgeryはどのように行うのかもわかりやすく解説されています。
 大きなトルコ鞍近傍腫瘍では,経鼻の内視鏡手術と開頭術を併用して行い,可及的に切除することによって,腫瘍の取り残しによる術後出血のリスクを回避する方法が各施設で行われるようになりました。また経鼻手術は下垂体周辺のみならず頭蓋底の広い範囲の病変に対して行われるようになっています。
 髄液関係の神経内視鏡手術についてもさまざまな応用が本書には掲載されています。中脳水道狭窄・閉塞に加え,第四脳室が孤立性に拡大する症例などに対してステントを留置する方法,水頭症に対して脈絡叢を凝固する方法,シャント再建術の際,神経内視鏡を併用して安全に行う方法などです。
 内視鏡下に腫瘍を摘出する際,周囲の脳をできるだけ損傷しないことを目的としてチューブレトラクターで保護しながら行う方法について解説があります。また,慢性硬膜下血腫の手術,頭蓋骨縫合早期癒合症の骨切りにも神経内視鏡が応用されています。これらの新しい技術を本書から学んで,患者の皆さんにより低侵襲で安全な脳神経外科手術を提供し,患者さんの良好な予後に貢献していただくことを祈念いたします。

2019年9月
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科脳神経外科学教授
伊達 勲
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目次

ナビゲーションを併用した神経内視鏡手術  黒住和彦,ほか
3D内視鏡による経鼻手術  吉本幸司
神経内視鏡における4 hand surgeryのセッティングとコツ  阿久津博義
大きなトルコ鞍近傍腫瘍に対する開頭-経鼻内視鏡の同時手術  西岡 宏,ほか
神経内視鏡による頭蓋底外科  谷口理章
中脳水道狭窄に対するステント留置術  朴 永銖
神経内視鏡による脈絡叢凝固術  荻原英樹
神経内視鏡を併用したシャント再建術  藤田浩二,ほか
チューブレトラクターを用いた内視鏡下腫瘍摘出術  渡邉 督
神経内視鏡による慢性硬膜下血腫除去術  平井 聡,ほか
頭蓋骨縫合早期癒合症に対する内視鏡補助下縫合切除術  原田敦子,ほか

シリーズ わたしの手術記載
① 手術イラストの描き方:基礎編   馬場元毅
②小脳橋角部の髄膜腫と残存腫瘍の両側摘出手術   森岡基浩
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