泌尿器科周術期管理のすべて

新版

泌尿器科周術期管理のすべて

■編集 荒井 陽一
松田 公志
髙橋 悟

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • i_dl.jpg
  • B5判  488ページ  2色(一部カラー),イラスト120点,写真100点,クリニカルパスのダウンロードサービス付き
  • 2013年12月2日刊行
  • ISBN978-4-7583-1259-2

待望の新版。泌尿器科周術期管理の“今”を余すところなく解説

初版の刊行から9年,ご好評いただいてきた「泌尿器科周術期管理のすべて」待望の新版。「総論」では高齢者の周術期管理,感染症予防,血栓予防,抗凝固剤の使用,術後回復プログラム,デイサージャリー等を周術期管理の観点から解説。「各論」では主要66の術式を取り上げ,“インフォームドコンセント”,“術前管理”,“術中管理”,“術後管理”,“退院後のフォローアップ”,“クリニカルパス”の柱に沿って,最新の周術期管理の実際を解説している。
手術の成功は,手術手技の習得とともに,適切な周術期管理があって初めて達成される。ぜひ本書を活用して,泌尿器科周術期管理に役立てていただきたい。(クリニカルパスのダウンロードサービス付き)


序文

 泌尿器科診療の中で手術の占める位置はきわめて大きい。泌尿器科医は第一に手術手技に習熟して的確で安全な手術を行うことが求められる。一方,実際の治療は患者さんが外来受診したときに始まっており,検査の説明や治療法決定,手術と管理,アウトカム評価,などが一連の流れのなかで進められる。患者さんを無事退院に導くためには,外来または入院での正確な術前評価,それにもとづく十分なインフォームドコンセント,適切な周術期の管理,退院時の生活指導,など多くの重要な事項が確実かつスムーズに実践されなければならない。また患者さんだけでなく医療スタッフの満足度を高めることも重要である。看護師や他のメデカルスタッフとの良好なコミュニケーションを築いてより緊密なチーム医療を実践することが求められている。
 旧版『泌尿器科周術期管理のすべて』(2004年発行)は,一般の手術書とは異なり「周術期管理」というユニークな切り口で編集されたものである。研修医や若い泌尿器科医が臨床の現場で活用できる周術期管理マニュアルとして好評を得た。このたび,最近の泌尿器科手術の急速な進歩と周術期管理をめぐる新知見などを踏まえ『新版 泌尿器科周術期管理のすべて』を発行することとなった。新版で改訂された主な内容は以下の通りである。
1.総論。増加する高齢者手術を念頭に,高齢者精神身体機能の特徴を解説し,認知症・せん妄患者の周術期管理を詳述した。血栓予防対策ガイドライン,抗凝固剤使用のアセスメント,術後回復能力強化プログラムなどを記載した。
2.エンドウロロジー。アブレーション療法focal therapy,膀胱水圧拡張,HoLEP,HIFU等の新しい術式を追加した。
3.腹腔鏡手術・内視鏡補助下手術。単孔式腹腔鏡下手術,腹腔鏡下ドナー腎摘術,腟仙骨固定術,ミニマム創内視鏡下手術などを追加した。
4.新しくロボット手術の章を設け,その導入と周術期管理について詳述した。
5.オープンサージャリー。尿失禁・骨盤臓器脱手術,人工括約筋埋め込み術,尿道憩室手術,EDの手術などを追加した。
6.小児泌尿器科手術。腹腔鏡下の逆流防止術,腎盂形成術などを追加した。
 この他,「説明と同意」文書やクリニカルパスは出来るだけ多くとりあげ,臨床現場で使用しているものをそのまま掲載するように心がけた。
 新版においても第一線で活躍されている経験豊富な方々に執筆をお願いした。最新の成果はもちろんのこと,通常の手術書にはない管理上のコツや微細なノウハウなどが盛り込まれている。ご執筆いただいた諸先生方に深謝するとともに,若手泌尿器科医の周術期管理の指針として広く活用されることを期待したい。

 2013年11月

荒井陽一
松田公志
高橋 悟
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目次

I 総論
 高齢者の精神身体機能の特徴と医療的配慮
 高齢者の術前アセスメント(心機能,腎機能,呼吸機能,肝機能,糖尿病など)
 周術期感染症予防と抗菌薬の使い方
 周術期静脈血栓塞栓症の予防と対策
 抗凝固薬使用のアセスメント
 精神症状(不眠, せん妄など)を伴う患者の周術期管理
 術後回復能力強化プログラム—泌尿器科領域への活用—
 泌尿器科デイサージャリーにおける周術期管理の実際

II エンドウロロジー
 エンドウロロジー手術の周術期管理の特徴
 腎癌のアブレーション療法(focal therapy)
 PNL(腎瘻造設を含む)
 TUL
 PNLとTUL同時手術(TAP)
 TURBT
 膀胱水圧拡張術
 TURP/TUEB
 HoLEP
 内尿道切開術
 尿道ステント留置手術
 HIFU

III 腹腔鏡手術・内視鏡補助下手術
 泌尿器腹腔鏡下手術の周術期管理における留意点
 副腎腫瘍診断のための最小限の検査
 腹腔鏡下副腎摘除術
 腹腔鏡下腎摘除術
 腹腔鏡下腎部分切除術
 腹腔鏡下腎盂形成術
 腹腔鏡下前立腺全摘除術
 腹腔鏡下膀胱全摘除術
 腹腔鏡下後腹膜リンパ節郭清術
 単孔式腹腔鏡手術
 腹腔鏡下ドナー腎摘除術
 腟仙骨固定術
 ミニマム創内視鏡下手術

IV ロボット手術
 ロボット手術における周術期管理
 前立腺全摘除術
 腎部分切除術
 膀胱全摘除術

V オープンサージャリー
 腎移植術
 尿路変向,再建術
 後腹膜リンパ節郭清術
 副腎摘出術(腹腔鏡下手術適応外)
 根治的腎摘除術
 腎部分切除術
 腎盂尿管の手術
 膀胱全摘除術
 恥骨後式前立腺全摘除術
 陰茎癌の手術
 陰嚢内容の手術(急性陰嚢症を含む)
 尿失禁の手術(TOT,TVT)
 骨盤臓器脱手術(TVM)
 瘻孔閉鎖手術(膀胱腟瘻,膀胱直腸瘻を中心に)
 尿道憩室の手術
 人工尿道括約筋埋込術
 性同一性障害に対する手術
 erectile dysfunctionの手術
 陰茎持続勃起症の手術
 周術期のストーマ管理
 男性不妊症の手術
 外傷の手術
 尿道狭窄症に対する尿道再建手術(待機的手術)

VI 小児泌尿器科手術
 小児泌尿器科手術における周術期の特徴
 腹腔鏡下手術
 内視鏡手術
 逆流防止手術:開腹手術 
 逆流防止手術:内視鏡手術
 膀胱尿管逆流に対する腹腔鏡下膀胱内手術 
 腎盂形成術
 尿道下裂の手術
 停留精巣の手術
 包茎の手術

VII 泌尿器科検査と処置
 腎生検
 前立腺生検
 尿閉の処置
 前立腺癌に対するブラキテセピー
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