Medical Illustration 画力ゼロから始めるメディカルイラスト生活Medical Illustration 画力ゼロから始めるメディカルイラスト生活
Medical Illustration 画力ゼロから始めるメディカルイラスト生活
歌がいまいちな人は音痴といわれます。運動が苦手な人は金槌とよばれます。
じゃあ絵が下手な人のことはなんと表現するかといわれれば「絵が下手な人」ですよ。
なんという直球、絵が下手であるということから半歩たりとも目を逸らさせんぞという鉄の意思すら感じられます。
世の中には味音痴、方向音痴といった「ちょっとここ緩衝材入れとこうか」的な表現もあるのに絵に関しては
事実提示一辺倒(昨今では「画伯」という婉曲的な言い回しもありますがほとんど罵倒なのでここでは取り上げません)。苛烈。
この文章を書いている本人を含む「絵の下手な人」は度々己の画力のなさと向き合うことになるわけですが、
その事実に無関心というわけではありません。
むしろ多くは「いつか上手な絵が描けたらなあ」という願いを心に秘めているものです。
しかしそのために練習に精を出すかというとそういう人はあまりいないんですね。
なにしろ自分の筆が生み出すのは他人にはアスパラガスにみえるらしい示指骨だったりするので、
これはもう感想をいうほうもいわれるほうも辛い。
小学校の図工の時間から変わらぬあの気まずさを思えば向上心が発露されにくくとも無理からぬところだと思います。
だから、先程の願いはより正確を期すならば
「あんまり練習せずにちょっとしたコツとかでせめて人並み程度にみられる絵が描けたらなあ」
くらいになるのではないでしょうか(※個人の感想です)。

そこで今回、「生まれてこのかた美術は2」と豪語する弊社若手男性社員を被験者に
「画力ゼロの人間が一流メディカルイラストレーターの指導を受けたらどうなるのか」という前向き研究を実施してみます。
反復練習による基礎デッサン力の鍛錬などはひとまず脇に置き、
プロが実際に用いる線画の書きかた・色の置きかたのコツやテクニックを駆使して
「絵が下手な人」から「それなりに見られる絵の人」への(できればローコストでの)ステップアップを目標とします。
画力ゼロ近辺の人はもとより、ある程度描けるかたにとっても有益な点が必ずあるはず。
デジタルでの描画器材やソフトも豊富になってきてはいますが、
短時間での作製や細部の調整などではまだ手描きに一日の長があるとのアドバイスをいただいたので、
今回は鉛筆・色鉛筆での作画としました。メーカー名や商品名がバシバシ登場しますが開示すべきCOIはもちろんありません。

本連載が手術記録や論文に添えるメディカルイラスト作成の一助となれば幸いです。