Medical Illustration 画力ゼロから始めるメディカルイラスト生活Medical Illustration 画力ゼロから始めるメディカルイラスト生活

第4回 ゼロから始めるゼロベース再出発

あなたはもう忘れたかしら。
36色の色鉛筆並べあなたが描いた自分の左手。一緒に上手になろうねっていったのに。
次回撮影まで半年待たされた。
三木さん
「すみません仕事が押して」
ワタシ
「いやその仕事頼んでるのうちなんで」
Y本さん
「1回の撮影内容で3カ月も引っ張るから……」
黙らっしゃい!
毎回後先考えずに記事にしちゃってるから適切な分量が自分でもよくわからないんだよ!
ワタシ
「そういえば今回6カ月ぶりの撮影に至ったわけだけど、Y本さんこの間イラスト描いたりしてた?」
Y本さん
「いいえ微塵も」
ワタシ
「たいへんよろしい」
素晴らしい。企画意図をちゃんと理解しています。
本企画は残念画力の人間がちょっとした工夫やアドバイス「だけ」でそれを向上させることを目的としています。
努力とか研鑽とかそういう集英社の某週刊誌的な要素は持ち合わせていないのだ!
前回微増した画力がゼロに戻っていたとしても進行になんの支障もないのがストロングポイント。

Y本さん
「脊椎ですね」
ワタシ
「脊椎です。何番とかはわからないけど」
整形外科担当のデスクから拝借してきただけなので。
Y本さん
「なんでまた脊椎なんですか」
ワタシ
「形状が複雑でみるからに描くの難しそうじゃない? そしてこれをプロにアドバイスもらっただけで描けるようになっちゃいたくない?
Y本さん
「わかるー」
というわけで、先生、お願いしやす。
三木さん
「方針は前回までと変わりませんけどね。丸を描いて全体がその中に収まるバランスを考え、クロスの線を書き入れて中心を取ります。たくさんの線で紙を汚していきましょう。
ざっと取ってから細かい線を入れ、できあがってから補助線を消します」
ワタシ
「……前から不思議に思ってたんですけど、絵描きの人って鉛筆の端っこ持つのなんでなんです?」
三木さん
「鉛筆の可動域を増やすためです。パソコンのマウスを持つような感じで鉛筆に手を載せて、手首を固定して肘から動かすようにする人もいますね」

ちょうだいちょうだい。
そういう情報もっとちょうだい。
三木さん
「軸をメルクマールに棘突起のパースペクティブを取っていきましょう」
Y本さん
「パースペクティブ is なに」
ワタシ
「パースって正確にはパースペクティブっていうんだ……(←検索した)」
ワタシ
「こういうのってモデルのほかに解剖書とかあると便利なもんですか?」
三木さん
「構造を知っているとよく描けますね。観察は大事ですから。文献的な知識が役立つこともあります。そういう意味では手術をする先生は手術のイラストを描くのにすごく大きなアドバンテージを持っていますね」
Y本さん
「うーんパースペクティブ……」

三木さん
「あれ、Y本さんなんだか前より線が弱くなってしまっていませんか?」
確かに。半年前のが勢いのある絵だった気がします(前回更新分を見た)。
どうしたY本さん。まだ若いのに守りに入ってしまったのか。
もっと前に押し出して行きましょうよ! ワタシ(アラフォー)なんぞデビルマンの最終回くらい守るものがなくて自由奔放ですよ! 絵は自由な心で描かなくちゃ、ねえ三木さん?
三木さん
「別にそんなことはないですが、線は堂々としているのがいいです。強い線を描かないと弱い線は出てきません。どれだけ強い線があるかでグラデーションの幅が変わります。思いっきりやっちゃいましょう」
Y本さん
「わかりました……じゃあ、縁取り作戦で行きます!」
ワタシ
「縁取り作戦 is なに」
Y本さん
「今から線を太く濃くしてそれっぽく見えるようにします」
ワタシ
1万回いいねしたい。完璧に企画趣旨を理解している」

三木さん
「いいですね、その線が欲しかった!」

おお、なんかよくわかんないけど、風、風のようなものを感じる! よくわかんないけど!
ふたりとも作画に熱が入りはじめたので、今のうちに記事に使う用の写真を撮影しておきましょう。どれ、まずモデルの近接画像をもうちょっと……撮りづらいな、ちょっと場所を移して……。
三木さん
「あ、ダメですよなにしてるんですか!」
ワタシ
「え、ダメでしたか」
三木さん
「ダメですよ、見えている角度や影のつき方も変わっちゃうじゃないですか」
ワタシ
「確かに言われてみれば」
Y本さん
「ダメじゃないですか」
ワタシ
「う、申し訳ない」
ワタシ
「気をつけてくださいね」
ワタシ
「面目ない……おいまたこのパターンか」

ワタシ
「しかも明らかに描ける人枠じゃねーかこれなんのための上司T出禁だ」
Y本さん
「上手らしいって聞いて呼んできました」
ワタシ
「企画趣旨理解してなかったー」