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第5回 ゼロから始める美術5との邂逅

うまァァァァァいッ説明不要!!
前回上司Tと入れ替わるように参戦した新人Oさん。手先の器用な上司Tを企画意図に沿わないと招集しなかったのにもっと描ける人が来ました。童話のオチか
ワタシ
「描ける人じゃん。これ絶対描ける人じゃん。このうすーく鉛筆で塗ったところに消しゴムかけるやつハチクロ(註:『ハチミツとクローバー』<羽海野チカ・集英社>)で見たもん!
三木さん
「だいたい漫画で見ているんですね」
ワタシ
『かくかくしかじか』(東村アキコ・集英社)か『ホクサイと飯さえあれば』(鈴木小波・講談社)だったかもしれない」
Y本さん
「大学で美術やってたそうです」
新人Oさん
「やってました」
ワタシ
「ほらぁ! これ確実に美術5の人生歩んできた人だよ。美術5とかもう敵性言語ですよ
三木さん
「そこまで美術を目の敵に……でもやっぱり上手な人の手元を見てそこから学ぶことも大切ですよ。絵の描ける人の横でそれを真似するのも勉強になります」
その「ネイティブと会話するだけでぐんぐん英語が上達する」みたいな謳い文句が本当だった例があるのか気になるところですが、他ならぬ三木さんのお言葉とあっては今回は同じ釜の飯を食うとしましょう。

ワタシ
「ところであの消しゴムかけるやつ、実際のところどういう意図なんです?」
三木さん
「いくつも線を引いてそのなかから活かしたい線を見つけるという話は何度かしたと思うんですが、『これ』というのが決まったら軽く消しゴムでほかの線を消していってます」
Y本さん
「理屈としてはわかります」

同感です。その「活かすべき線」がよくわからんというところもたぶん同感のはずです。
三木さん
「Oさんは影を描いて、それを消すことでハイライトを表現していますね。光源を決めて影をつけることで立体感が出ます。影をつけると空間ができるわけです。対象のすぐ側は影で暗くなりますが、今回のように白い机だと下からの反射で明るくなるところもあります」
新人Oさん
「一番明るいところを白で抜いています。雰囲気を取りながらいらないところを削っていっています。モデルを取り巻く空気感が出るように意識します
ワタシ
「すみませんその『空間』とか『空気感』っての美術2には微塵も伝わらないのでやめてもらっていいですか。DICで言え! もしくはWebカラーコードで言え!
三木さん
「光源の反対側が一番暗いところになるのでそれを探して濃くしましょう」
Y本さん
「扱いに慣れてきてる」


新人Oさん
「最後に影を整理して線で質感をもたせます」
三木さん
「いいですねえ、絵が説明的でないところがいい」
Y本さん
「かつてないほど美術っぽい話してますね」
ワタシ
「かつてないほどの置き去り感でもある」

デジタルディバイドに遭遇した人の気持ちを味わいながら、このメンツのまま彩色編へ。
つづき(第6回)は9月20日公開予定です。