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第6回 ゼロから始める美術5との邂逅 彩色編

うまァァァァァいッ説明不要!!(1カ月ぶり2回目)
盛り上がる指導役三木さんと新人Oさんの美術5トーク。取り残されるワタシとY本さんの温度差ピーク。 思わず韻を踏んでしまうくらいのかつてない東西分断の危機。やはり人と人は、美術2美術5はわかりあえないのか。
三木さん
「仕事で描いていると絵は多分にイラスト的,説明的になってしまうんですね。手がもうそういうふうに。Oさんのは作品(タブロー)ですね」
新人Oさん
「ありがとうございます」
美◯手帖でやれ。

いや,こんなエコール・ド・パリみたいな会話を届けたい企画じゃないんですよこれは。すみませんエコール・ド・パリまったく知らないんで今完全に想像で物言いましたけど。
当企画が想定する読者は画力ゼロ。初期パラメータを寸毫も美術系に振らなかった人でもなんとか格好がつく,そんな優しい世界を紹介したい。あわよくばイラストレーターさんとの打ち合わせで当職の手描きイラスト持参で説明したときにあちら様が余計に混乱する事態を減らしたい。
ワタシ
「ほらほら,色塗りますよ色。謎の超技能とか使わないでぺーぺーの素人でも気楽に真似できる感じでお願いしますね」
三木さん
「前回の彩色(註:連載第3回)のときのコツ,覚えてますか?」
Y本さん
「合いそうな色を探して重ねて塗る……とかでしたっけ」
三木さん
「そうですそうです。今回の脊椎では手と違って明確に違う色がありますよね。まずはそれを1つずつ塗ってみましょう」
神経根から塗りにかかる両氏。   
まー,そこがわかりやすいですよね。だいたいの解剖書でも黄色いですし。
三木さん
「まず影とかは考えずに全部同じ色で塗ってしまいましょう。一体感が出ます」
ワタシ
「ありがとうございます。美術2でも再現可能な手法です。ありがとうございます」
三木さん
「そうしたら次は椎体を塗りましょう。椎体と神経根にはお互いに同じ色を入れるといいです。反射しあってますからね。こうすることで塗り絵のようになるのを避けられます」
ワタシ
「んんんんー,それ美術4くらいの難度じゃないカナ?」

Y本さん
「うーん……うーん?」
新人Oさん
「(よどみなく動く手)(迷いのない筆致)(コーナーで差をつけろ)」
三木さん
「迷ったら色を探すのに戻りましょう。今自分が描いている色と目に見えている色。どれが近いと感じるのか」

このとき「まさに……色々!」というフレーズが浮かびましたが当職は口をつぐみました。えらい。
Y本さん
「うーん(↑)」
三木さん
「Y本さんはちょっと線に囚われすぎていますね。もちろん線は大切なんですが,今は主線を追いすぎています。もっと塗ればいいです」
Y本さん
「色の重ね具合で陰影をつけるんでしたっけ」
三木さん
「テクニックの話になりますが,例えば骨は硬いのでカーブした線ではなく短い直線で塗るのがいいです。全体が同じ調子にならないよう強弱をつけて,目を惹く場所を作りましょう」
新人Oさん
「最後に表面に鉛筆で生の線(註:いじくっていない,ひょっと入れた線,という意味だそうです。わかるか)を入れるとリアル感が増しますよ」
Y本さん
「うーん(↓)」

ワタシ
「出来ておる喃……」
Y本さん
「いや,あれみてできているとかいえますか」

ワタシ
「相当がんばってるでしょ。あれは異国だよ。南蛮だよ」
三木さん
「新人Oさんの絵はハーモニーとコントラストが作られていますね。フォーカスができていて,それでいて浮き上がらないように計算されています。紫が入っているのが憎いですね」
新人Oさん
「色のハーモニーがある程度のところで生まれると向こう側で自由に動き出すようになりますよね。そうなると楽しい」
ワタシ
「美◯手帖でやれ」
つづき(第7回)は10月20日公開予定です。