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第10回 ゼロから始める時短イラストへの挑戦

君の行く道は〜♪ フフンフフ〜フンフ〜♪(著作権配慮)

この連載記事も10回目。思えば「Bの鉛筆って,なんか鉛筆削り器で無限に削れない? 止めどころがわかんなくない?」とかいっていたころから遠くへ来たものです。今でも無限に削れる気はしています。

しかし,最近のこのコーナーは主旨を見誤っていたところがなかったでしょうか。われわれ美術2の者共は「それっぽい絵が描きたい,描けたらいいなあ」という精神を宿していたはずです。これには<「あんまり努力とかせずに」という枕詞がつきます。
ワタシ
「ところがなんですか最近のY本さんは! 薄々気づいてましたけど,あなた着実に地力ついてますよ! 美術3寄りの人間になってますよ!」
いいのか。いいのかそれで。
まあまあ描ける人がまあまあ描いてる,そんな様子を紹介する企画。そこにバリューはあるのか。
三木さん
「いいんじゃないですか」
Y本さん
「そりゃこれだけプロに指導受けてますし少しくらいは上達するんじゃ」
ワタシ
「いいやワタシは抗うね! 楽してズルしていただく精神(byエディ・ゲレロ)を取り戻すね! 三木さん,今回からのテーマは『時短』です。ただ描く時代は終わった,われわれはもっと楽したい」
Y本さん
「うわあ」
三木さん
「うわあ」
いや真面目に必要でしょう時短。
「あー,これくらいの時間で済むなら描けるなあ」ってならないと,そもそもイラストを描く機運にならないというか。
ワタシ
「そこで今回は時間を決めて描くことにします。1時間! 1時間で最高の……ではなくてもいいんですが,手術イラストを用意していただきたい! テーマは『前十字靱帯断裂の再建術』とします」

三木さん
「なるほど主旨はわかりました」
Y本さん
「ちなみにこれくらいのイラストを1時間で描こうと思ったら三木さんならどういう時間配分にします?」
三木さん
40〜45分くらいは線画に費やしますね。影がどこに付くかを線画の段階である程度しっかり描いておくことで塗りやすくもなります」
ワタシ
「2/3以上も線画に振り分けちゃうんですか。それで塗れるもんですか?」」
三木さん
「塗れますよ。やってみましょう」

ワタシ
「(やはり確実に上達している……これが『幼年期の終り』……)ところで今回のは皮膚を大きく開かない手術ですけど,こういうときはなにみて描くといいんですか?」
三木さん
「やはりまず解剖書ですね。ドンピシャの位置や角度がみつからなくても,それぞれの組織の位置関係や距離・サイズなんかの参考にはなります。資料はあればあるほどいいです」
Y本さん
「僕はこれ脛骨から描いているんですけど三木さんはどっちからですか?」
三木さん
「うーん,どっちというのはないです。関節付近全体を描いていきます。今回のイラストでいえばランドマークは大腿骨の関節面の形,脛骨全面のでっぱりとかになるのでそのへんですね」
ワタシ
「自分で描くとしたらやっぱり脛骨から描いちゃうなー」」
三木さん
ランドマークさえしっかりしていれば周囲が多少いびつでも伝わります。この手術のイラストは骨に開ける孔の部分が主役ですよね? であれば,骨孔がランドマークからどれくらいの距離にあるかを描いてやることです」
おお,ランドマーク。第1回とか第2回の記事で出てきましたね。だいたい出っぱってるところ!(雑な知識)
「進◯ゼミでやったところだ!」みたいな展開が本企画であろうとは。
三木さん
「イラストの時短テクニックとは,つまりいらないものを描かないことです。ポイントだけ描いていきましょう。例えば大腿骨の関節面のような骨の『顔』ともいうべきところが描けていればそれっぽくみえるものです。その『顔』こそがランドマークとよばれる箇所なんです」
す,すごい……まるでイラストレーション講座みたいですよ三木さん!
三木さん
「あとはやっぱり反復練習で早くなります」
ワタシ
「うーんその情報は聞きたくなかったかナー」

つづき(第11回)は2月20日公開予定です。