食道・胃ESDの基本手技

手技のコツとピットフォール,適応の決め手

食道・胃ESDの基本手技

■編集 小山 恒男

定価 12,100円(税込) (本体11,000円+税)
  • B5判  268ページ  オールカラー,イラスト63点,写真500点
  • 2007年1月29日刊行
  • ISBN978-4-7583-0328-6

経験豊かな専門家が解説する安全な食道・胃ESDのためのコツとピットフォール

 本書では,さらに適応が拡大されるであろう食道・胃のESDについて,その特徴・操作法の基本,コツとピットフォールを詳しく解説した。偶発症(穿孔,出血)の回避法,偶発症をきたした場合の対処法などについて経験豊かな専門家に手の内をすべて披露していただいた。また,治療法選択のために極めて重要である術前診断学について,その実際とピットフォールも詳しく解説し,日常診療の即戦力となる臨場感あふれるテキストにした。


序文

 20世紀の後半に先進的な施設でESDが開発された。ESDは病変の大きさに関わらず,占拠部位に関わらず,瘢痕合併の有無にも関わらず,いかなる病変でも一括切除できる素晴らしい手技であった。開発当初はデバイスも少なく,その手技が難しかったため,ごく一部の開発施設のみで施行されていた。一方,その偶発症の多さからESDを禁止された内視鏡医も多く,学会もその教育普及に熱心ではなかった。
 しかし,多くの内視鏡医はESDの重要性を認識し,積極的に勉強を始めた。第一世代の施設には連日見学者が訪れ,瞬く間にESDの技術は日本中に普及した。この間,編者らが企画したESD live demonstration seminarが果たした役割は大きかった。
 小野,山本,矢作,小生ら第一世代は自らが開発したデバイスに対する愛着から,その手技は特徴的であった。しかし,第二世代,第三世代の内視鏡医達は第一世代から大きな影響を受けつつも,自由な発想でESDを身に付けてきた。本書はESDの開発に携わった第一世代のみならず,第二世代,第三世代の内視鏡医にも執筆して頂いた。また,第一世代を指導して下さった先生方にも主に倫理面での執筆を依頼した。
 技術は日進月歩だが,「十分な病理組織学的検索を行うには一括切除が必須である」という第一世代達の基本精神は確実に引き継がれている。次々と開発される新デバイスを含め,本書は現時点でのESDの到達点を示した。明日からの診療に役立つ事を確信している。

2006年12月 Augsburgでのlive demoを終え,帰路の機中にて

小山恒男
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目次

■ESDを始める前に
 1. 早期胃癌に対する内視鏡的粘膜切除術の歴史  赤松泰次
 2. ESDにおけるインフォームド・コンセント  斉藤大三ほか
 3. 適応の考え方  吉田幸永ほか
 4. 人工潰瘍の治療  角嶋直美ほか
 5. 抗凝固薬・抗血小板薬の取り扱い  飯石浩康
■ESDに用いるデバイス−使用法・注意点・コツ
 1. 針状ナイフ  石後岡正弘ほか
 2. ITナイフ  小田一郎ほか
 3. 改良型ITナイフ  小野裕之
 4. Hookナイフ  小山恒男
 5. Flexナイフ  矢作直久ほか
 6. 三角ナイフ(Triangle-tip knife)  井上晴洋ほか
 7. Flushナイフ  豊永高史
 8. B-knife  佐野 寧ほか
 9. Mantis hook  本間清明ほか
 10. ムコゼクトーム  河原祥朗
 11. スネアについて  貝瀬 満
 12. 局注液の特性と選択  藤城光弘ほか
 13. 局注  森田周子ほか
 14. 先端透明フード  吉澤充代ほか
 15. 高周波電源装置の種類・特性と条件設定 ICC200  後藤田卓志
 16. 高周波電源装置の種類・特性と条件設定 VIO300D  森田圭紀ほか
 17. 高周波電源装置の種類・特性と条件設定 PSD-60  土井俊彦
 18. スコープの選択  宮城隆康
 19. スコープの選択  菊池克也
 20. スコープの選択  伊藤慶時
■食道ESDの実際−安全・確実な手技のポイント
 1. 食道ESD術前診断  田中雅樹ほか
 2. 食道ESDの適応  宮田佳典
 3. Hookナイフによる食道ESD  竹内 学ほか
 4. IT ナイフによる食道ESD−コツとポイント  宮崎信一ほか
 5. Flex ナイフによる食道ESD  小田島慎也ほか
 6. 針状ナイフによる食道ESD  砂田圭二郎ほか
 7. 食道ESDの戦略  平澤 大ほか
 8. 食道切除標本の取り扱い  友利彰寿ほか
 "9. 食道ESDの偶発症−縦隔気腫,穿孔(遅発性穿孔も含む),狭窄について"  米湊 健ほか
 10. 食道ESD困難例の克服−1. 頸部食道  竹内 学ほか
 11. 食道ESD困難例の克服−2. 屈曲した食道のESD  花塚和伸ほか
 "12. 食道ESD困難例の克服−3. 拍動,呼吸性変動"  豊永高史
 13. 食道ESD困難例の克服−4. 出血  平澤 大ほか
 14. 食道ESD困難例の克服−5. 憩室  長谷部 修ほか
■胃ESDの実際−安全・確実な手技のポイント
 1. 術前診断  友利彰寿ほか
 2. 胃ESDの適応  横井千寿ほか
 3. Hookナイフによる胃ESD  堀田欣一ほか
 4. ITナイフによる胃ESD  小田一郎ほか
 5. Flexナイフによる胃ESD  野口知子ほか
 6. 針状ナイフによる胃ESD  花塚和伸ほか
 7. 三角ナイフ(Triangle-tip knife)による胃ESD  井上晴洋ほか
 8. 胃ESD−私の戦略  池原久朝ほか
 9. 胃ESD−私の戦略  菊池大輔ほか
 10. 胃ESD−私の戦略  藤城光弘ほか
 11. 胃ESD−私の戦略  岡 志郎ほか
 12. 胃切除標本の取り扱い  高橋亜紀子ほか
 13. 胃ESDの偶発症 穿孔  蓮池典明ほか
 14. 胃ESDの偶発症 出血  堀田欣一ほか
 15. 胃ESD困難例の克服−1. 脂肪と線維  米湊 健ほか
 16. 胃ESD困難例の克服−2. 瘢痕  濱中久尚
 17. 胃ESD困難例の克服−3. 出血  村木洋介ほか
 18. 胃ESD困難例の克服−4. 噴門部のESD  道田知樹
 19. 胃ESD困難例の克服−5. 体部大彎のESD  梅垣英次
 20. 胃ESD困難例の克服−6. 胃角小彎のESD  緒方伸一ほか
 21. 胃ESD困難例の克服−7. 幽門輪のESD  小野裕之
■ESDを学ぶには−指導施設での実際   
 1. ESDの教育−自治医科大学  喜多宏人ほか
 2. ESDの教育−佐久総合病院  堀田欣一ほか
 3. ESDの教育−国立がんセンター中央病院  池原久朝ほか
 4. ESDの教育−ESDトレーニングプログラム  今川 敦ほか
 5. ライブデモ  小山恒男
 6. ハンズオンセミナー  森田圭紀ほか
 7. 内視鏡治療トレーニングモデル  本間清明ほか
 8. ESDの練習モデル  河野孝一朗ほか
 9. Acquiring the Skills of Endoscopic Submucosal Dissection in the West  Roy Soetiknoほか
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