研修医のための

整形外科救急外傷ハンドブック

整形外科救急外傷ハンドブック

■編集 松井 宣夫

定価 6,600円(税込) (本体6,000円+税)
  • A5判  252ページ  イラスト160点,写真50点
  • 2002年1月30日刊行
  • ISBN978-4-7583-0600-3

研修医,若手整形外科医が整形外科的救急外傷(骨・関節,筋肉,靱帯等)に遭遇したときに,どのように診療を行えばいいのか,専門医に手術を依頼するタイミング,それまでの救急処置,などについて具体的に解説。手技はイラストを使用して一目でわかるようになっている。現場でそのままひも解けるようなハンドブック。


序文

 整形外科領域,特に第一線においては,外傷学が重要な位置を占めていることは言うまでもありません。周知のように整形外科の領域は骨,関節,脊椎・脊髄,筋肉,靱帯,末梢神経,末梢血管の外傷による損傷が多く含まれております。
 近年整形外科分野の細分化,進歩は目を見張るものがあり,各分野における先人の研鑽と努力の賜であることは言うまでもありません。
 これらの細分化や専門化のしわ寄せを補足するために,救急外傷患者に対して即対応しうる初期診断,初期治療,全身管理に関する知識が研修医や若い整形外科医の求められております。
 平成16年からは卒後研修制度が全国的に実施される予定になっており,卒後教育システムの充実化に向け,初期研修と救急外科に対する全身管理を含めた総合的診断と治療,いわゆる救急医療−first aid−primary careなどの直感的かつ診断と治療が要求されております。しかし,これらに対する知識や技術を満遍なく学ぶ機会には恵まれていないのが現状であります。
 このような点を少しでも改善すべく本書は企画されたものであります。
 救急患者が病院に担ぎ込まれたとき,担当にあたった研修医や若手ドクターは,大きな不安に陥ることと思います。本書では,研修医,若手ドクターが救急外傷に遭遇したときに,慌てず適切に診療にあたれるために必要な内容に的をしぼり,知っておかなければならない診断法,基本的処置・手技をコンパクトに解説した実践書といたしました。いざというときにすぐにひも解けるように体裁もハンドブックとし,一目でポイントがつかめるように可及的簡潔な文章とし,イラストを多用いたしました。執筆には整形外科専門医のみならず救急外科医,麻酔医,脳外科医にも加わっていただきました。
 また,救急病院からのアドバイスや現場に立っている整形外科医からのアドバイスを取り入れ,実際に起こりうるさまざまな状況にも対処できるようにいたしました。指導医の整形外科医の方々には新しい救急外傷医療の一助にしていただければ幸いであります。

2001年12月
編者 松井宣夫
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目次

  救急外来に外傷の患者さんが運ばれたら
整形外科救急外傷の診断
  骨・関節外傷の診察法
  末梢神経・筋の外傷の診察方法
  血管外傷の診察方法
  手の外傷の診察方法
  スポーツ外傷の診察方法
  脊椎外傷の診察方法
整形外科救急外傷の検査法
  関節
  脊椎
整形外科救急外傷の処置,治療
 脊椎・胸郭
  脊椎脊髄損傷
  肋骨・胸骨骨折
 上肢
  肩甲骨骨折,鎖骨骨折,肩鎖・胸鎖関節部骨折・脱臼
  肩関節脱臼・脱臼骨折,肩腱板損傷
  上腕骨近位骨折,上腕骨骨幹部骨折
  肘周辺骨折・脱臼
  前腕骨骨幹部・遠位部骨折
  手の骨折,脱臼
  手指の腱,神経,靱帯損傷
 下肢
  骨盤骨折(寛骨臼骨折を含む)
  股関節周辺骨折・脱臼
  大腿骨頚部・転子部骨折,大腿骨骨幹部骨折,大腿四頭筋挫傷
  膝周辺骨折(大腿骨顆部,脛骨近位)・脱臼,膝蓋骨骨折・脱臼
  膝関節の靱帯損傷(膝蓋腱含む),半月板損傷
  下腿骨骨折
  足関節部の脱臼・骨折,足関節・足部の靱帯損傷(アキレス腱を含む)
  足部の脱臼・骨折
 基本手技と新鮮開放創の処置
  静脈確保と注射法,導尿法,局所麻酔・ブロック法,輸液・輸血法
  創傷処置,切開・排膿法
  包帯法,副子法,ギプス法
  骨折牽引法
  薬剤処方(抗生物質,鎮痛薬,副腎皮質ステロイドホルモン)
  デブリドマン,創外固定,感染症の予防(破傷風,ガス壊疽,狂犬病など)
  断端形成術,切断指再接着術の適応と前処置
 炎症性疾患
救急外傷合併症への対応
  蘇生・救命処置
  気管切開
  胸腔穿刺
  頭部外傷の評価と処置
  コンパートメント症候群,Volkmann拘縮,脂肪塞栓
救急病院からのアドバイス
  救急医から
  麻酔医から−緊急手術に当たって麻酔を行ううえでの注意点
  看護婦の立場から
  患者親族への対応・説明のしかた
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