カテーテルスタッフのための

PCI必須知識

これだけおさえれば大丈夫

2nd Edition

PCI必須知識

■編集 木島 幹博
添田 信之

定価 5,720円(税込) (本体5,200円+税)
  • B5判  344ページ  オールカラー,イラスト40点,写真700点
  • 2014年3月18日刊行
  • ISBN978-4-7583-1413-8

PCIに携わるカテーテルスタッフ必携! ベテランメディカルスタッフがPCIの必須知識をやさしく解説!

「カテーテルスタッフのためのPCI必須知識」のオールカラー改訂版。
まず,PCIとはなにか,心臓カテーテル検査とはどのようなことを行うのか,といった基礎知識から始まり,避けて通ることのできない心臓の解剖を学び,PCI前の準備,カテ室に入ってからの準備,術後の作業等を流れに沿って解説している。また,IABPやPCPSといった機器についてもわかりやすく解説している。


序文

序文 改訂版刊行によせて

 2007年12月に初版の 「カテーテルスタッフのためのPCI必須知識」 を編集させていただき,すでに7年の月日が経過いたしました。本書はメディカルスタッフがわかりやすい内容で書いた最初の著書ということで,多方面の方々に愛読していただき,現在,7刷まで刷を重ねています。そんななか,たくさんの人々よりご意見を頂戴し,時間の経過と医療技術の進歩とともに本書を現状に対応した内容に改訂する必要性を感じさせられました。そこで今回,すべての筆者に了解を得て,改訂第2版を出すはこびとなりました。
 PCIの原理,基本,考え方,検査,治療の流れなど変化のない部分もすべてフルカラーに変更し,医療技術の進歩と新しいデバイスの台頭で,この7年間に変化があったところは現状にあわせてすべて書き直しています。
 昔々,私が “MEに成り立て” のときと同じように,カテ室で仕事をしている方々もカテ室業務が好きな人ばかりではないと思います。それはなぜかというと 「カテ室業務がわからないから面白くない」 のです。医師の仕事を理解し,他職種のメディカルスタッフの仕事を理解して患者さんを助けるチームの一員となれれば必然的に仕事は楽しくなります。少しでも理解することができれば興味を持つことができます。
 われわれの目標は,メディカルスタッフの枠を取り払ったチーム医療の構築です。みんなで医師の仕事を理解し,すべてのメディカルスタッフの仕事を理解し,知識レベルを上げながら,お互いを補いながら患者さんにとってより安全で安楽なPCI環境を作りましょう。
 多施設のメディカルスタッフが執筆しておりますので重複しているところや若干異なっているところもありますが,本書が今後カテ室で仕事をしていく人々のお役に立てれば幸いです。
 最後になりましたが,星総合病院病院長の木島幹博先生とご執筆いただきました先生方に心より御礼申し上げます。

2014年2月
星総合病院臨床工学科技士長
添田信之
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序 文

 PCIは1977年,Gruentzig先生により世界で始めて臨床応用され今年は丁度30年の節目に当たる。当初はバルーンによる冠動脈形成術が主体であったが,急性冠閉塞や遠隔期の再狭窄といった問題点が浮上し,そのことが様々な新しいデバイスを開発していく推進力となっていった。その結果として,現在は薬剤溶出性ステントが全盛となり,血栓症という新たな問題点が出現しているとはいえ,極めて安全性が高く効果的な血行再建術のひとつとして広く受け入れられている。
 一方,時代の流れは医療を受ける側の権利意識を高め,社会の医療を見つめる目も極めて厳しく,常に最高の医療レベルと最高の結果を求める風潮がある。その是非はともかくとして我々はそうした現実に対応していく必要に迫られている。
 医療における治療技術の進歩は同時に,これまでも常に新たな未知のリスクをもたらしてきた。PCIも同様であり,厚生労働省の研究班による調査でも頻度が少ないとはいえ,予期せぬ不幸な出来事が発生しているのが現実である。こうしたPCIに伴う不具合を可能な限り減少させ患者様に安全な医療を提供するために最も大事なことは,医療に携わるもの全員のコラボレーションである。
 PCIは,患者様が入院した時点から治療が始まっていると言っても過言ではない。治療前の情報収集,スタッフのカンファランス,治療前の患者様への説明,カテ室での対応,治療中のご家族様への説明,治療終了後の説明や処置など,どれをとっても大事な治療完結過程のひとつである。とにかく皆が一丸となって患者様の治療に当たることが重要であり,特に治療中に何か不具合が発生した時には,医師,看護師,臨床工学技士,放射線技師などの職種を問わず力を合わせて対応すべきである。そのためには,コメディカルのスタッフも医師と同レベルのPCIに対する知識や経験を持つべきである。実際に私自身もコメディカルの助言で緊急事態を凌いだことが数知れずあり,チーム医療の重要性を身をもって感じている一人でもある。
 本書はPCIに関する全てを,経験豊富な多施設のコメディカルが分かり易い言葉と表現で書いた最初の著書である。内容に重複があったり,やり方が違っていたりするが,読者の皆様の施設に合った方法を選んで頂ければ幸いである。時代は今,コラボレーションを求めており,我々医師は,コメディカルの鋭い目を必要としている。

2007年11月
木島幹博
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目次

 PCI関連略語集  (佐藤政春)

Ⅰ 心臓カテーテル検査,PCIとは?
 カテ室ではなにが行われているのか?  (添田信之)
  歴史
  心臓カテーテル検査とは
  PCIとは

 カテ手技の大きな流れを理解しよう  (添田信之)
  心臓カテーテル検査,PCIの流れ
  カテ室での大きな流れ

 スタッフのそれぞれの役割を理解しよう  (添田信之)
  カテ室での大きな流れ

Ⅱ 心臓の解剖を理解しよう
 心臓の構造  (小松良司)
  心臓の形態
  心臓の弁
  血管の構造
  全身の動脈の走行と名称

 心臓の働き  (小松良司)
  心臓のポンプ作用
  体循環と肺循環
  心臓の自動性と刺激伝導系

 冠動脈の解剖  (小松良司)
  冠動脈口と大動脈起始部の解剖
  冠動脈の走行
  冠動脈の優位性

 冠動脈造影像からみた冠動脈の解剖  (小松良司)
  右冠動脈造影像と解剖(Segment 1〜4)
  左冠動脈造影像と解剖(Segment 5〜15)
  左前下行枝の造影像と解剖(Segment 6〜10)
  左回旋枝の造影像と解剖(Segment 11〜15)
  冠動脈造影法と斜位

 さまざまな角度からみた冠動脈造影像  (小松良司)
  さまざまな角度からみた右冠動脈造影像
  さまざまな角度からみた左冠動脈造影像

 冠動脈造影像と病変形態の分類  (小松良司)
  狭窄度
  定量的冠動脈造影法(QCA)
  病変形態とその分類

 心電図−ST変化の読み方  (佐藤真也)
  標準12誘導心電図
  STの上昇と低下?

 心不全の概念と血行動態の把握の仕方  (佐藤真也)
  血行動態とは?
  心不全とは?
  PCI中の血行動態の把握とは?

 心内圧  (佐藤真也)
  心内圧とは
  心内圧測定

Ⅲ 冠動脈の治療を理解しよう
 PCIの概要・原理  (平田和也)
  経皮的冠動脈インターベンション(PCI)とは
  虚血性心疾患とその治療法
  PCIにいたるまで
  冠動脈へのアプローチ
  PCIの原理
  PCIの実際
  再狭窄(restenosis)
  PCIの合併症

 PCIのデバイス(道具)  (平田和也)
  ガイドカテーテル
  ガイドワイヤー
  バルーンカテーテル
  スコアリングバルーンカテーテル
  ステント
  アテレクトミーデバイス
  血管内超音波(IVUS)
  OCT(光干渉断層撮影)
  OCT画像の読み方
  OCTをPCIに活用する
  FFR(冠血流予備量比)

Ⅳ PCI前準備
 PCI前準備  (中山美恵子)
  患者情報の把握
  患者入院時オリエンテーション
  患者の問題把握,看護計画
  病棟からカテーテル室に伝えるべき重要な情報

 心カテおよびPCIのメニューの把握  (中山美恵子)
  PCIの種類
  アプローチの部位による種類
  術前内服薬の服用と停止
  ステント挿入患者の指導
  ステント挿入患者の指導ポイント
  点滴
  剃毛部位
  マーキング
  食事制限 — 治療の前1食制限(延食)
  患者の精神状態把握

 PCIの前処置と確認  (中山美恵子)
  術前説明,確認,前処置

 クリニカルパス  (中山美恵子)
  適応基準
  患者用パス
  職員用パス
  アウトカムの設定
  バリアンス発生時の対応
  急性心筋梗塞(AMI)クリニカルパス

Ⅴ いざカテ室へ 入室〜手術
 スタッフの心構え  (赤松俊二)

 カテーテルセットの準備と必要物品  (赤松俊二)
  カテーテルセット
  必要物品
  検査台周辺環境
  緊急事態に備えた準備
  薬品

 患者の入室〜環境設定  (赤松俊二)
  入室時
  患者環境
  苦痛・不快感軽減
  スタッフ配置

 術野の消毒  (赤松俊二)
  剃毛
  消毒方法
  消毒範囲

 術者と助手の仕事の流れ  (添田信之)
  準備と穿刺
  診断カテーテル
  PCI

 術中のスタッフの役割  (添田信之)
  入室時
  合併症
 
 止血,後かたづけ  (添田信之)
  止血
  後かたづけ

Ⅵ こんなときどうすればいいの? ― 起こりうる術中の合併症対策
 PCIの合併症   (小林俊博,稲田 毅)
  合併症とは
  主要合併症
  主要合併症の原因となる合併症
  その他の合併症
  合併症を起こさないための準備
  合併症発生時におけるカテスタッフの役割
  夜間緊急時の対応
  リーダーの役割
  家族への対応

 蘇生処置   (小林俊博,稲田 毅)
  心肺蘇生の基本原則
  一次救命処置(BLS)
  二次救命処置(ACLS)
  心拍再開後の治療
  蘇生処置の実際
  いざというときにあわてないために

 意識障害の判定と対応   (小林俊博,稲田 毅)
  意識とは
  意識障害の定義
  意識障害が起こるメカニズム
  意識レベルの評価
  意識障害の観察
  重症度・緊急度の判断

Ⅶ 術後
 注意すること−インターベンション後の看護  (小早川香樹)
  術後早期に必要な情報
  看護の実際
  主な合併症

 術後〜退院までの患者に対するケア  (小早川香樹)
  術後後期に必要な情報
  看護の実際

 データ整理,データ解析  (添田信之)
  データ整理
  データ解析

 画像ネットワーク  (荒居広明)
  医用画像の標準化の流れ
  ネットワークとは
  接続形態
  LANの方式
  RAIDシステム

Ⅷ その他
 心臓カテーテル検査用X線撮影装置  (佐藤政春)
  高電圧発生装置
  X線管
  パルスX線
  X線量の自動制御
  平面検出器(FPD)
  カテーテル寝台とX線管−検出器支持アーム
  術者モニター

 心臓カテーテル室で用いられる機器(X線装置を除く)  (山﨑隆文)
  心臓カテーテル室の電気設備と環境
  多目的患者監視モニター
  心臓カテーテル室で用いられる治療機器および検査機器
  治療機器
  検査機器
  ディスポーザブル圧トランスデューサー

 IABP  (山口敏和)
  適応と禁忌
  原理
  IABPの効果に影響を与える因子
  合併症と対策
  装置の準備とトレーニング

 PCPS  (山口敏和)
  適応と禁忌
  必要物品と準備
  装置および回路
  送脱血カニューレの選択
  挿入時の注意事項
  回路の充填
  運転の開始
  操作・管理と血行動態
  血行動態
  PCPSからの離脱
  送脱血管の抜去

 放射線被ばくとその最適化  (粟井一夫)
  安全にPCIを遂行するためのポイント①
  安全にPCIを遂行するためのポイント②
  安全にPCIを遂行するためのポイント③
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