産婦人科手術

産婦人科手術 No.19

実践手術学:病変部位別手術対応方法

産婦人科手術 No.19

■編集 日本産婦人科手術学会

定価 7,700円(税込) (本体7,000円+税)
  • B5判  200ページ  
  • 2008年7月31日刊行
  • ISBN978-4-7583-1052-9

日本産婦人科手術学会機関誌

2008年2月16,17日に「実践手術学:病変部位別手術対応方法」をテーマとして京都で開催された第30回日本産婦人科手術学会の主題,ワークショップ,企画記事などを掲載している。


序文

巻頭言

 産婦人科という診療科は,骨盤臓器である子宮とその付属器にかかわる疾患あるいは病態に対して外科的介入を行います。この外科的介入には,分娩にかかわる帝王切開や分娩前あるいは分娩後にかかわるさまざまな出血への対応・止血から各種婦人科疾患での子宮や付属器の摘出あるいは機能温存手術など多彩な手術手技があります。それも開腹手術から,内視鏡手術,腹腔鏡手術あるいはロボット手術まで,さまざまなアプローチの仕方があります。しかし,どのような手術であれ,どのような手術アプローチであれ,その原理原則は同じです。それは疾患や病態によって混沌とした解剖を,もとの解剖にもどして必要な止血操作を行って摘出あるいは機能を温存する手術を行うというものです。その基本はやはり正確な解剖学的知識に裏打ちされた確実な手術操作の繰り返しであります。このことによって手術侵襲の際に抱いている患者の不安を確実に取り除き患者に安心を与えることができる手術を行うこと=これがプロとして産婦人科医として手術を行うことが神に許されている人々に要求されているのであります。
 しかし,骨盤臓器の手術といっても,そこにはさまざまな問題点あるいは難問があります。病変の存在場所によってその手術が急に難しいものになることがありますし,場合によっては発想の転換をする必要が生じてきます。そこで,今回の手術学会では,病変の部位別での手術の対応法を討論することによって,手術において実践しなければならない要素を学ぶ機会になればと思い,メインテーマを「実践手術学:病変部位別手術対応方法」として,それぞれ良性疾患と悪性疾患で問題になりそうな部位を選択して九つのワークショップを組ませていただきました。またシンポジウムは,「実践手術学:わたしとがん手術」というテーマで,がん手術を日々実践しておられる婦人科腫瘍専門医である女性医師のご発表の中から,今後産婦人科において特に婦人科腫瘍の分野で女性医師がどのような姿勢を持てば婦人科腫瘍の専門医として手術分野で活躍できるのかということを学んでいただきました。
 また2月16日(土)のイブニングセミナーと2月17日(日)ランチョンセミナーにおいては,米国メイヨークリニックのPodratz教授に子宮体癌,卵巣癌の手術について講演いただきました。Podratz教授は骨盤手術の世界的な権威でありますが,どういう訳か,いままで一度も日本国内に入っておられなかったとのことでありますので,本邦での初の講演となりました。大変厳しい意見をお持ちの先生であり,いかに手術の技術が患者の予後にかかわってくるかということをお話していただきました。
 2月16日(土)のランチョンセミナーでは,広汎子宮全摘術と骨盤神経について私が講演させていただきました。

2008年7月

第30回日本産婦人科手術学会
会長 藤井信吾
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目次

巻頭言
 第30回日本産婦人科手術学会 会長 藤井信吾
実践手術学:病変部位別手術対応方法
 腟奇形の手術  嘉村敏治ら
 巨大子宮頸部筋腫  平松祐司ら
 分娩時の出血・血腫の取り扱いについて  井上卓也ら 
 前置胎盤,低置胎盤,前置血管の帝王切開—従来法に「子宮底部横切開法」「子宮下部U字縫合」を組み合わせた治療指針—  小辻文和
 帝王切開時の胎盤剥離面の止血法  竹田 省ら
 傍大動脈リンパ節郭清—後腹膜の展開および乳糜腹水防止について—  三上幹男ら
 卵巣癌大網転移に対する大網・脾臓・膵尾部合併切除術  杉山 徹
 ダグラス窩の病変(子宮内膜症を含む)の取り扱い  落合和徳
 Cytoreductionのための骨盤腹膜切除術pelvic peritonectomy—子宮を軸としたマンシェット型切除術—  片渕秀隆
 基靱帯手術について  梅澤 聡
 仙骨前面からの出血に対する対処法  櫻木範明ら
ワークショップ
 前置癒着胎盤症例におけるcesarean hysterectomy術中出血量低減に関する手術手技の検討—従来法と総腸骨動脈balloon occlusion法—  村山敬彦
 内腸骨動脈バルーンカテーテル留置による前置癒着胎盤cesarean hysterectomy  小濱大嗣
 腹部大動脈一時血流遮断を併用して帝王切開後の子宮摘出を行った前置癒着胎盤の2症例  高橋慶行
企画記事
 腹壁創の縫合と管理—整容的な腹壁の縫合法—糸の選択,手技,抜糸後のケア,超肥満者の対応など  木股敬裕ら
 産婦人科手術における保険請求  落合和彦ら
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