産婦人科手術

産婦人科手術 No.23

産婦人科手術 No.23

■編集 日本産婦人科手術学会

定価 7,700円(税込) (本体7,000円+税)
  • B5判  184ページ  オールカラー
  • 2012年6月4日刊行
  • ISBN978-4-7583-1221-9

日本産婦人科手術学会機関誌。特集「性器奇形の手術」「低侵襲手術」「産道裂傷に対する工夫」

日本産婦人科手術学会機関誌。
2011年11月に「性器奇形の手術」「低侵襲手術」「産道裂傷に対する工夫」をテーマとして久留米で開催された「第34回日本産婦人科手術学会」の,主題や企画記事などを掲載している。
本号の企画記事テーマ「パワーソースの使用状況に関する全国調査」「Occlusion Balloonの適応と実際」


序文

日本産婦人科手術学会
巻頭言

 第34回日本産婦人科学会は平成23年11月26日,27日と久留米大学医学部産科婦人科学教室が主催させていただきました。それまでの数年間と異なり第51回日本婦人科腫瘍学会と引き続いて行ったため,実質27日の1日のみの開催となりましたが,多くの会員に参加していただき大変熱のこもった討論をしていただきました。学会の主題としては性器奇形の手術,低侵襲手術,産道損傷に対する工夫を取り上げさせていただきました。
 性器奇形は主に腟,子宮奇形の手術をテーマとして術式の工夫や適応,予後などについて5名の経験を積んだ先生方からご講演をいただきました。到達目標をどの辺において形成していくかということが重要であるということが示されました。
 低侵襲手術では腹腔鏡手術のさらなる低侵襲化を目指したNatural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery(NOTES)による卵巣嚢腫摘出術,単孔式,巨大卵巣嚢腫に対する工夫,Robotic Surgeryなどが紹介されました。最近のこれら低侵襲手術に対する保険点数の加点状況をみていると,この分野はさらに発展させていく必要があります。そこで必要となるのが質の高い内視鏡医を数多くつくることのできる研修システムであることが実感されました。名人芸の域をでない技術は結局後世まで伝わらないことが危惧されるからです。今後この方面の各位の努力をお願いいたします。
 産道損傷はすべての産婦人科医が経験する損傷であり,古くから先達がいろいろな経験をしてそのコツをつかみ,それが後輩達に伝えられています。そのコツをなんとか伝えて欲しいというのがこの主題を設けた目的でした。その目的は十分に達成できたのではないかと思います。テーマは直腸腟瘻修復,軟産道縫合,産褥子宮内反症整復術,会陰切開による傷害,急墜分娩時や児圧出時の会陰切開法などそれぞれに経験豊富な講師により突っ込んだ討論が行われたと思います。
 一般演題も性器奇形に関するもの,骨盤臓器脱に関するもの,専門医取得のための技術教育,巨大腫瘍の摘出術などの興味ある演題が集まり,日常臨床を行ううえで大変参考になる演題が多数ありました。
 本会がまだ研究会だった頃,難しい手術については当然であるが,どんなやさしいと思われる手術にも必ずその道の達人がおられ,さらによりよい手術法を目指して口角泡を飛ばして議論されていました。世の中は開腹から腹腔鏡,さらにロボット手術とテクノロジーの進化とともに手術法も変化していくと思われますが,その根底にあるものは人間の解剖の理解であり,掴む,切る,縫う,結ぶという基本操作であることに変わりはありません。そのことを常に念頭において若い医師には患者に合った手術を行えるように,日頃から手技の鍛錬に勤しんで欲しいと思います。
 そういった観点から,今回,第34回学術集会で発表された内容が紙面となって,少しでも日常臨床の向上,手術の研修に役立てていただければ,学術集会の主催者として望外の喜びです。

2012年5月
第34回日本産婦人科手術学会会長
久留米大学医学部産婦人科学講座
嘉村敏治
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目次

主題1:性器奇形の手術
 中隔子宮に対する子宮鏡下子宮形成術の工夫 林 保良ほか
 子宮奇形を持つ反復流産患者に対する手術は有効か? 杉浦真弓
 子宮奇形の外科治療と予後 西田正人ほか
 先天性腟欠損症(MRKH症候群)に対する,造腟術の検討 鍋島寛志ほか
 腟閉鎖症,処女膜閉鎖症に対するGranjon手術 藤本剛史ほか
 
主題2:低侵襲手術
 単孔式腹腔鏡手術の適応拡大を目指して—筋腫核出から後腹膜リンパ節郭清まで 安藤正明ほか
 我々が行っている比較的大きな卵巣腫瘍(長径15cm以上)に対する腹腔鏡補助下手術 藤下 晃ほか
 当院における低侵襲手術—シームレス・ハイブリッド手術— 畑瀬哲郎ほか
 超低侵襲性手術=ロボット支援手術 伊藤宏絵
  
主題3:産道裂傷に対する工夫(含む会陰縫合)
 直腸腟瘻修復のコツ(私が行う手術) 小辻文和
 軟産道裂傷縫合のコツ 竹田 省
 産褥子宮内反症整復術の工夫—14例の経験から— 吉田加奈ほか
 急速遂娩時や児圧出時の会陰切開法について 吉田信隆
 
企画記事
 パワーソースの使用状況に関する全国調査 寺尾泰久
 Occlusion Ballonの適応と実際 正岡直樹
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