産婦人科手術

産婦人科手術 No.27

産婦人科手術 No.27

■編集 日本産婦人科手術学会

定価 7,700円(税込) (本体7,000円+税)
  • B5判  176ページ  オールカラー,写真100点
  • 2016年6月17日刊行
  • ISBN978-4-7583-1225-7

日本産婦人科手術学会機関誌。特集「若手に伝えたい—術中大量出血に対する止血法」「妊娠に絡む諸問題への対応」ほか

日本産婦人科手術学会機関誌。
2015年11月に「基本手技・術式の再評価と困難症例の対応」をテーマとして東京で開催された「第38回日本産婦人科手術学会」の,主題から「若手に伝えたい—術中大量出血に対する止血法」「妊娠に絡む諸問題への対応」というテーマにて選出した論文や企画記事,投稿論文などを掲載している。
本号の企画記事テーマ「直腸腟瘻の治療について」「広汎子宮全摘術時のドレーン管理」


序文

巻頭言

 第38回日本産婦人科手術学会学術集会を,平成27年11月28〜29日の2日間にわたって都市センターホテル(東京都千代田区平河町)におきまして開催させていただきました。テーマは「基本手技・術式の再評価と困難症例の対応」と題しまして特別講演,教育セミナーなどを企画しました。今回,基本的な手術手技をもう一度見直し,さらに困難な症例にどう対応するのか,に焦点をあてた多数の演題を御応募いただき,また,活発な有意義な議論ができましたのも皆様方のおかげと深く感謝いたしております。
 特別講演にはcompression suturesの本場イギリスのTimothy Draycott先生に“Haemostasis at Caesarean section”と“Effective training for obstetric emergencies” の2つの講演を戴きました。Draycott先生は,産科救急トレーニングプログラムPROMPT (the Practical Obstetric Multi-Professional Training)を開発・普及に尽力され,イギリスのみならずアフリカなどの母児救命にも大いに寄与したことから,エリザベス女王より“the Queen’s Anniversary Prize”を授与されたことでも知られています。産科救急のレベルアップには,チームとしてのトレーニングを行い,いざという時に対応できるようにすることが大切だと改めて感じました。ハーバード大学のWilliam Camann先生からは“Gentle Cesarean”という最近のアメリカでの帝王切開術の新しい概念をお聞きしました。
 また,韓国からは「開腹による頸管縫縮術」を数多くされているKeun-Young Lee先生に,胎胞膨隆時のuniconcave balloonによる頸管縫縮術やtransabdominal cervicoisthmic cerclageについて講演いただき,大変勉強になりました。台湾からはPOP surgeryを数多くこなしているHo-Hsiung Lin先生に“Clinical outcomes and urodynamic effects of tailored transvaginal mesh surgery for pelvic organ prolapse”について,国内からは血管外科の三原 誠先生に「婦人科癌術後リンパ浮腫の病態・診断・治療に関する最新のEvidence」についてご講演をいただきました。グローバルな見地から,さまざまな角度から産科,婦人科手術について基本から困難症例の対応まで広く深く知り,議論することができました。
 今回は,第119回日本産科麻酔学会学術集会(順天堂大学麻酔科教授 角倉弘行会長) も同時期に2日間にわたり併催されましたので,無痛分娩,産科麻酔,超緊急麻酔,全身管理など産科麻酔,母児救急に関するさまざまな最新の話題も同時に議論でき,有益な会となりました。
 手術は,基本を学び,それを確実に実行していくことですが,困難な症例にぶつかった場合には,どんなに複雑になっていても初心に立ち返り,解剖に忠実に行っていくことが重要です。実践して行くにつれてさらなる新しい知識,高い技術,技能が求められ,必要にもなりますが,本学術集会やさまざまな手術書,学術論文などで絶えず学んでいただければと思います。私自身,毎回この学術集会において何かしら新しい発見や感動に出会えますので,いつも楽しみにしています。皆様方には,ますますこの学術集会を盛り立てていただければと願っています。
 今回のテーマに沿った主題を中心に「産婦人科手術No.27」の執筆をいただきました。感動的なビデオやスライド,ホットな議論を思い出しながら紐解いていただければと思います。

第38回日本産婦人科手術学会会長
順天堂大学医学部産婦人科学講座
竹田 省
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目次

若手に伝えたい—術中大量出血に対する止血法
 広汎子宮全摘術における膀胱子宮靱帯周囲の処理の工夫 〜修練医による出血回避法  川名 敬
 腹腔鏡下骨盤リンパ節郭清術における外腸骨静脈穿破時の対応  出浦伊万里ほか
 局所進行卵巣・卵管・腹膜癌摘出における内腸骨血管系の処理  錦見恭子ほか
 傍大動脈リンパ節郭清時の出血に対するソフト凝固による止血法  松岡 歩ほか
 大量出血時のdamage control resuscitationとdamage control surgery  寺尾泰久ほか
 
妊娠に絡む諸問題への対応
 頸管縫縮困難例に経腹的に頸管縫縮術を行い生児を得た2例  小野理貴ほか
 腟内に突出する子宮腟部が存在しない子宮頸部円錐切除後妊娠に対する頸管縫縮術の工夫  村越 毅ほか
 超音波所見から子宮頸管延長及び嵌頓子宮と診断した子宮筋腫合併妊娠の一例  石田ゆりほか
 妊娠分娩を想定した腹腔鏡下子宮筋腫核出術  松本 貴ほか
 子宮腺筋症核出術後妊娠児の子宮破裂予防について  西田正人ほか
 
企画記事
 直腸腟瘻の修復 〜骨盤臓器脱の後腟壁修復を応用する手技〜  小辻文和
 広汎子宮全摘出術における手術手技とドレーン管理 アンケート調査(日本産婦人科手術学会企画)より  田中京子ほか
 
投稿論文
 子宮鏡を併用し腹腔鏡下手術を施行した帝王切開瘢痕症候群の一例  関根愛子ほか
 腹腔鏡下の腹腔内観察が病態把握及び診断の一助tonattaOHVIRA症候群の一例  瀬尾晃平ほか
 
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