講義録

血液・造血器疾患学

血液・造血器疾患学

■編集 小澤 敬也
直江 知樹
坂田 洋一

定価 6,050円(税込) (本体5,500円+税)
  • B5変型判  340ページ  2色(巻頭カラーページあり)
  • 2008年10月31日刊行
  • ISBN978-4-7583-0073-5

血液・造血器の基礎から臨床的症候までを理解し治療に結びつけられるよう,必要かつ十分な構成でまとめた医学生の必携書

 本書は「モデル・コア・カリキュラム」をもとに構成している。
 巻頭には医学生の学習に役立つ略語一覧,検査所見のカラー写真を掲載した。I章では血液・造血器を深く知るための基本を取り上げ,II章では疾患別に原因,症状,治療などを解説している。また,イラストを本文中に適宜挿入し,血液の凝固過程など微小なメカニズムをわかりやすく解説している。
 本文の内容に関連した基礎知識は「Basic point」と題した囲み記事で,臨床現場の最新情報や最近注目されている研究発表など学生にとってレベルの高い内容を「Level up View」として載せている。さらに欄外に「SideMemo」を載せ,本文と対比しながらKey Wordや重要語句の解説を確認できるようにしている。各項目の末尾には「Self Check」を設け,覚えておくべき重要ポイントを箇条書きにして掲載している。
 医学生が入学してから卒業するまで利用でき,講義の予習復習や試験の学習に活用できる内容となっている。


序文

 医学生向け教科書シリーズ『講義録』(メジカルビュー社)の刊行は2004年にスタートした。本シリーズは,モデル・コア・カリキュラムといった新しい医学教育の方向性を意識し,現在の医学生にとってスタンダードとなる教科書を提供するものである。情報量が加速度的に増えていく現代にあって,医学生に必要不可欠な内容をコンパクトにまとめ,さらに最新の動向も「Level up View」で紹介することにより,ダイナミックな医学の展開を垣間見ることができるようにするというのが,本シリーズの基本コンセプトである。そのほか,必要に応じて基礎知識を「Basic Point」として取り上げ,重要事項に関する「Self Check」でポイントの復習ができるような体裁となっている。出版社の特徴を活かし,図表をできるだけ多く載せるようにしている点も本シリーズの目玉の一つである。内容の理解や記憶を助けるとともに,取っ付きやすい印象を与えるレイアウトとなっている。
 血液学の教科書としては,これまでにもいくつか優れたものが出版されてきているが,分子病態の解明,分子標的治療の開発など,最近の医学の進歩には目を見張るものがあり,新しい時代にふさわしい教科書の登場が待ち望まれていた。『講義録』シリーズの一つとして今回刊行する本書『血液・造血器疾患学』は,まさにそのような期待に応えられる内容となっている。血液学の基礎知識や血液疾患の症候・検査法・治療法などを総論的に学ぶ前半と,血液疾患の各論を学ぶ後半に大きく分かれており,医学生の教科書として必要以上に細部に入り込まないようにすると同時に,一方で,血液学の面白さを医学生にぜひ伝えたいという執筆者の熱意にも配慮したバランスとなっている。各項目の執筆者にはそれぞれふさわしい専門家にお願いすることができ,執筆にあたっては,本シリーズの企画意図を十分ご理解いただき,『講義録』としてのさまざまな工夫を凝らしていただいた。
 本書が,系統講義の理解や知識整理のためのスタンダードな教科書として医学生に広く利用されることを願っている。また,本書が血液学講義の教科書・参考書としてできるだけ多くの大学で採用され,活用されることを期待したい。

2008年9月

編集委員を代表して
自治医科大学内科学講座血液学部門教授
小澤敬也
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目次

I.血液・造血器を深く知るための基本講義
 A.血液・造血器の構造と機能を学ぶ
  造血組織の構造と機能
  造血システムとその調節機構
  赤血球の形態・機能
  鉄代謝,造血ビタミンの代謝,ヘモグロビン合成
  白血球の形態・機能
  受容体,細胞内シグナル伝達系,転写因子
  血漿とその成分
 B.止血・凝固システムを学ぶ
  血管壁,血小板
  凝固系
  凝固系制御機構
  線溶系
  線溶系制御機構
 C.血液疾患の症候と所見を学ぶ
  貧血
  赤血球増加症
  白血球増加
  白血球減少
  リンパ節腫脹
  脾腫
  免疫グロブリン異常
  血小板減少と血小板増加
  出血傾向
  血栓傾向
 D.血液学的検査の基本を学ぶ
  末梢血塗抹標本と骨髄検査
  血清蛋白の検査
  溶血に関する検査
  リンパ節生検
  フローサイトメトリ
  染色体検査
  遺伝子検査
  凝固・線溶・血小板機能検査
  画像診断
 E.血液疾患の治療の基本を学ぶ
  血液型と輸血
  抗悪性腫瘍薬の種類と副作用
  分子標的治療
  感染症と対策
  造血因子/サイトカイン療法
  造血幹細胞移植
  出血傾向の治療
  抗血栓療法
II.血液・造血器疾患を深く学ぼう
 A.赤血球系疾患
  鉄欠乏性貧血
  巨赤芽球性貧血
  再生不良性貧血
  赤芽球癆
  発作性夜間ヘモグロビン尿症
  骨髄異形成症候群
  遺伝性球状赤血球症
  ヘモグロビン異常症
  ポルフィリン症
  赤血球酵素異常症
  自己免疫性溶血性貧血
  薬剤による溶血性貧血
  赤血球破砕症候群
  二次性(症候性)貧血
  脾機能亢進症
 B.白血球系疾患とその他の骨髄性疾患
  急性白血病
  慢性骨髄性白血病
  慢性リンパ性白血病
  成人T細胞白血病/リンパ腫
  伝染性単核球症
  慢性骨髄増殖性疾患
  真性赤血球増加症
  本態性血小板血症
  原発性骨髄線維症
  無顆粒球症
  白血球機能異常症
  免疫不全症候群
 C.悪性リンパ腫と類縁疾患
  Hodgkinリンパ腫
  非Hodgkinリンパ腫
  壊死性リンパ節炎
  Castleman病
  多発性骨髄腫
  マクログロブリン血症
  アミロイドーシス
  血球貪食症候群
  Langerhans細胞性組織球症,ヒスチオサイトーシスX
 D.出血性疾患と血栓傾向
  出血性疾患/血小板異常
   先天性血小板機能異常症
   後天性血小板機能異常症
   特発性血小板減少性紫斑病
   血栓性血小板減少性紫斑病
   溶血性尿毒症症候群
  出血性疾患/先天性凝固線溶因子異常症
   von Willebrand病
   血友病
   血友病以外の凝固線溶因子異常症
  出血性疾患/後天性凝固線溶因子異常
   循環抗凝固因子
   ビタミンK欠乏症
   新生児出血性疾患
   播種性血管内凝固(症候群)
  出血性疾患/血管異常
   遺伝性出血性末梢血管拡張症(Osler病)
   アレルギー性紫斑病(Schonlein-Henoch紫斑病)
   単純性紫斑,老人性紫斑,その他
  血栓傾向
   先天性血栓傾向
   後天性血栓傾向

Basic Point
 I.血液・造血器を深く知るための基本講義
 II.血液・造血器疾患を深く学ぼう
Level up View
 I.血液・造血器を深く知るための基本講義
 II.血液・造血器疾患を深く学ぼう 
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