新 目でみる循環器病シリーズ 1

心電図

心電図

■編集 村川 裕二

定価 9,900円(税込) (本体9,000円+税)
  • B5判  232ページ  2色
  • 2005年6月20日刊行
  • ISBN978-4-7583-0123-7

実際の臨床で活用できる基本からスペシャリストからみた活用の仕方,応用まで身になる内容を満載

実際の臨床の場において必要な12誘導心電図を活かすための基本的な内容から,初歩的にみえても理解されていないような内容をスペシャリストの視点からとらえた内容および各種心電図検査の応用までを掲載し,わかりやすく解説していただいたものである。


序文

 心電図,ことに12誘導心電図という検査は不思議な検査である。長い期間,その本質に新奇な技術は加えられてはいないが,洗練を極めた検査手法ゆえに旧くなることはない。Brugada症候群や不整脈源性右室心筋症など新しい疾患概念が見出されるたびに,何らかの興味深い心電図所見を伴っている。
 ある程度,内科医や循環器科医として臨床経験を積んでいても,心電図判読に自信が持てないと言う声を耳にする。しかし,ひとつひとつの疾患に必ずしも固有の心電図所見があるわけではなく,難しい先天性弁膜疾患を心電図のみで診断する必要もない。むしろ左室肥大,右室負荷,心室内伝導障害など弁膜症や心筋疾患についてロジックを持って判読することが肝要である。一方では不整脈のメカニズムについては一枚の心電図でもかなり奥深い情報を得ることができる。病態ごとに心電図診断の特異性や感度が異なることを意識しなければ検査の価値を活かすことはできない。
 本書は心電図に隠されている情報をいかにして引き出すか,そのエッセンスが網羅されている。正常亜型,診断基準,右室の負荷,あるいは非特異的変化など日常診療で理解していなければならないが,知識が整理されにくいものを取りあげた。さらにwide QRS tachycardia,不整脈の起源,突然死など専門的な視点も学びたい。手軽に心エコーで形態的評価が可能な現代の臨床医学において求められるのは名人芸ではなく,整理された知識である。
 本書によって読者諸兄の心電図判読力になんらかのブレークスルーがもたらされることを期待したい。

平成17年4月
帝京大学溝口病院第四内科教授
村川裕二
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目次

I−12誘導心電図を活かす:基本を押さえる 
 正常亜型と非特異的変化  高橋尚彦
 心電図におけるクライテリア  鵜野起久也
 見落としやすい心電図異常  庭野慎一
 右室負荷と右室肥大  江森哲郎
 脚ブロックと心室内伝導障害  因田恭也
II−12誘導心電図を活かす:スペシャリストの視点 
 非心臓疾患を示唆する心電図所見  鷲塚 隆,相澤義泰,相澤義房
 わかりにくい調律異常  松本万夫
 薬物と心電図異常  清水 渉
 不整脈の起源を知る  安喰恒輔
 wide QRS tachycardia  畔上幸司・平尾見三
 突然死と関連する心電図異常  相原直彦
 心筋症の心電図  鈴木順一
 虚血性ST-T変化と非虚血性ST-T変化  瀬崎和典
 非定型的な心筋梗塞の心電図  中川幹子・犀川哲典
 ペースメーカ心電図の読み方  坂根健志,梅村 純
III−各種心電図検査とその応用 
 加算平均心電図法  池田隆徳
 負荷心電図  松本晃裕,川久保 清
 T-wave alternans  松本直樹
 Holter心電図法  高柳 寛
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