新 目でみる循環器病シリーズ 2

心エコー図

撮る,診る,読む

心エコー図

■編集 赤石 誠

定価 10,450円(税込) (本体9,500円+税)
  • B5判  304ページ  2色(一部カラー)
  • 2006年1月6日刊行
  • ISBN978-4-7583-0124-4

循環器日常診療に必須の心エコー検査の知識をお手元に

 本書は日常循環器診療において広く利用され,不可欠な検査方法となっている心エコー図について,「撮る」「診る」「読む」の各項目を設けて解説している。
 「撮る」の章では最低限の原理,原則を理解し,機械の限界をわきまえて,心エコーをとれる腕を学べるようにとの意図から解説。
 「診る」の章では,今までM−モード,断層エコー,ドプラ法という切り口で考えられていたエコーを,機能評価,流れの評価という視点に変え,漠然と理解していた心機能を血行動態,左室収縮機能,拡張機能という視点から解説することにより,知識の整理が容易になるように工夫した。疾患別の各論は,検査室で頻度多く遭遇する状況を念頭において,心エコーを検査する場合に必要な知識,考え方を中心にまとめている。
 さらに「読む」では,依頼主の一歩先を行き,魅力あるレポートが書ける心エコーにするための章として構成した。


序文

 心エコーの進歩には,超音波診断装置の技術的な進歩(ハード面)と,忍耐強い観察と解析に基づく真実の追究(ソフト面)が不可欠である。しかし,そのようなハード面とソフト面の進歩が,必ずしも日常診療にそのまま応用され,役立つとは限らない。その進歩を,日常的な検査室の中に持ち込むには,エコーを撮る腕と,エコーを診る目と,エコーを読む頭を,バランスよく成長させていかなくてはならないからである。この10年の間に,組織ドプラ法,リアルタイム三次元画像,ストレイン画像,組織トラッキング法などさまざまな技術的可能性(ハード)が提示され,また多くの発見や解析(ソフト)が発表された。それらをどのように使いこなしていくかは,「撮る」「診る」「読む」という手段をどのように使いこなすかということに尽きる。
 20年前は「心エコーはあくまでも画像だから,心血管内圧はわからない」といわれ,そこが限界であるとされていた。しかし今では,心血管内圧の無侵襲的推定は,心エコーの重要な役回りである。さらに,拡張不全という病態を1つの疾患概念として確立させ,その評価方法を普及させたのは心エコ−法である。冠血流と心筋血流は異なったものであるということを常識にしたのも(コントラスト)心エコー法である。今,話題の心不全の心臓再同期療法のためには壁運動の評価が不可欠であるが,その壁運動評価にも,心エコー法はなくてはならないものである。
 10年間の間の進歩を目次に表現することが,このシリーズの企画者の仕事である。最低限の原理,原則を理解し,機械の限界をわきまえて,心エコーをとれる腕を学べるように「撮る」を企画した。今まで,M−モード,断層エコー,ドプラ法という切り口で考えられていたエコーを,機能評価,流れの評価という視点に変え,漠然と理解していた心機能を,血行動態,左室収縮機能,拡張機能という視点から解説してもらうことにより,知識の整理が容易になるように「診る」を工夫した。疾患別の各論は,検査室で頻度多く遭遇する状況を念頭において,心エコーを検査する場合に必要な知識,考え方を中心にまとめていただいた。心雑音という依頼理由であれば,心エコーレポートの返事はASDでよい。しかし,依頼理由がASDの場合に,レポートにASDを書くのは,意味がないことである。依頼主の一歩先を行き,魅力あるレポートが書ける心エコーにするため「読む」を編集した。
 この本が,心エコーを依頼する方々,心エコーを実際に行う方々,心エコーのレポートを読む方々のお役に立てば幸いである。

平成17年11月
北里研究所病院内科循環器科部長
赤石 誠
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目次

I−撮る   
 心エコー図を撮る:記録法  
  経胸壁心エコー図の撮り方,基本断面と応用断面  増田喜一
  心エコー装置の設定,アーチファクト  遠田栄一
 心エコー図を撮る:方法  
  Mモード法,カラードプラ法,パルスドプラ法,連続ドプラ法の原理と応用,  
  使用目的  種村 正
 救急の心エコー図  渡邉 望
 [TOPICS]三次元心エコー図  伊藤 浩
II−診る   
 心機能を診る  
  心臓の大きさ,収縮能を診る  村田和也
  血行動態を診る  岡田昌子
  拡張機能を診る  大手信之
  壁運動を診る  山田 聡,小室 薫,筒井裕之
 [TOPICS] CRTへの応用:組織ドプラ法  古堅あづさ,石塚尚子
 流れを診る  
  逆流の重症度判定  中尾伸二,増山 理
III−読む   
 虚血性心疾患  
  虚血性心疾患をみつける  高橋路子
  急性心筋梗塞  西野雅巳
  急性心筋梗塞の合併症の診断  田辺一明
  陳旧性心筋梗塞  鈴木真事
  血行再建を予定する患者  藤本啓志,大野忠明,本間 博
  [TOPICS]冠動脈を診る  渡辺弘之,吉川純一
  [TOPICS]コントラストエコー  太田剛弘
 弁膜症:僧帽弁  
  僧帽弁狭窄  佐伯文彦
  僧帽弁逆流1:病態を理解するための心エコー  尾辻 豊,鄭 忠和
  僧帽弁逆流2:弁形成のための心エコー  佐藤義浩,那須雅孝
 弁膜症:大動脈弁  
  大動脈弁狭窄  大倉宏之
  大動脈弁逆流  中谷 敏
  大動脈二尖弁  中谷 敏
  大動脈弁輪拡大  中谷 敏
 弁膜症:三尖弁  
  三尖弁逆流  山本一博,坂田泰史,増山 理
 弁膜症:人工弁  
  人工弁のみかた  岩永史郎
  Side Memo:もやもやエコーときらきらエコー  岩永史郎
 感染性心内膜炎  谷本京美
 左室の異常:心筋の異常の診断  
  肥大型心筋症  岩瀬正嗣
  肥大型心筋症の長期観察の仕方  岩瀬正嗣
  拡張型心筋症,特定心筋疾患  小山 潤,米山文子,池田宇一
 心不全  
  急性心不全(慢性心不全の急性増悪を含む)  芳谷英俊,穂積健之
  慢性心不全  宝田 明
 心膜疾患  
  心膜液貯留  古川佳子
  収縮性心膜炎  福田信夫,大木 崇
 成人の先天性心疾患  
  心房中隔欠損症  赤石 誠
  心室中隔欠損症  高元俊彦
  動脈管開存,Valsalva動脈瘤破裂  三神大世
  Ebstein奇形  宇野漢成
  Eisenmenger症候群  安河内 聰
  修正大血管転換  安 隆則
 心臓の腫瘍  大滝英二,鈴木健吾
 心房細動  上嶋徳久, 澤田 準
 大動脈解離  松村 誠
 肺塞栓症  田中信大
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