新 目でみる循環器病シリーズ 5

冠動脈造影

冠動脈造影

■編集 土師 一夫

定価 9,900円(税込) (本体9,000円+税)
  • B5判  246ページ  2色(一部カラー)
  • 2007年3月15日刊行
  • ISBN978-4-7583-0127-5

冠動脈造影に携わる方々必須の一冊

医用材料・医薬品の質的向上と,撮影環境の改善,技術の向上に伴い,冠動脈造影の安全性は飛躍的に高まり,今日ではその適応は基礎疾患の診断から治療法の選択・効果判定,予後推定まで大幅に拡大されている。
本書では,冠動脈造影に必要な設備や,冠動脈造影に必須の解剖,適応・不適応,また手技の基本的内容から,各種造影所見とその評価,冠動脈造影の補助的診断法までを収載し,多数の症例写真やシェーマをまじえながら,より読者の方々に理解して使用いただける書としてまとめた一冊である。


序文

 この度,目でみる循環器病シリーズ第8巻『冠動脈造影』が2000年に改訂されてから6年が経過し,再改訂されることになった。本書の初版は1993年であったが,シリーズ刊行書が13年間で2回にわたって改訂されることは医学書の分野では比較的珍しい。本シリーズが幅広く継続して受け入れられていることの反映と思われ,編集者にとっては喜ばしい限りである。
 本改訂版の特徴は,前回の編集方針を大きく変更し,治療分野の項目を削除した点にある。昨今,コンピュータ断層撮影(CT)と磁気共鳴像の診断精度が向上し,冠動脈病変の形態的特徴や心筋性状の評価に有用とされる所見が相次いで明らかにされている。なかでも多列CTの進歩がめざましく,64列造影CTを通常の冠動脈造影の代わりに初期診断手段として用いている施設も見受けられる。さらに,体表面超音波・ドプラ法による冠動脈病変の診断精度が向上し,研究目的から定例検査に取り入れている施設もある。したがって,本書ではこれらの非侵襲的検査法と冠動脈造影の対比というテーマも必要と考えた。また,冠動脈造影の補完的診断法として,従来の冠動脈内視鏡,血管内超音波法,血管内ドプラ法などに加えて最近では,冠動脈粥腫の組織性状検索(virtual histology),光学干渉性断層法(optical coherence tomography),冠動脈熱像記録法(coronary thermography)という新たな病態解明手段も登場している。一方,冠動脈造影の延長線上にある経皮的冠動脈インターベンションは,薬物溶出性ステント留置が中心となるとともに複雑病変に対する手技の進歩や種々の医療材料の導入など,全般的な発展度も顕著である。このため治療分野の記載内容が多岐に及び,診断と治療を同一書籍に包含するには無理がある。そこで,本書では冠動脈造影という本来のテーマに沿って診断分野に限定し,治療分野は別書に譲ることにした。執筆者は前回執筆者を踏襲することを基本にしたが,6年の間に専門分野を離れた方もおられ,新設項目の執筆者も含めて大幅に変更させていただいた。多忙な診療・研究・教育業務にもかかわらず,快く執筆していただいた先生方にお礼を申し上げる。
 本書が冠動脈造影に携わる医師やこれから修練しようとされる若い医師の身近な手引き書として,活用していただければ幸いである。

2007年1月
大阪市立総合医療センター病院長
土師一夫
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目次

I 冠動脈造影に必要な知識
  冠動脈造影設備と附属器具上村史朗, 斎藤能彦
  冠動脈の解剖酒井芳昭, 大江 透, 由谷親夫
  冠動脈造影の適応と禁忌土師一夫, 伊藤 彰
  冠動脈造影の合併症土師一夫, 伊藤 彰
  冠動脈造影の手技石原正治
II 冠動脈造影所見と評価
  冠動脈造影の評価法藤本 肇, 石綿清雄
  狭心症の冠動脈造影藤井徳幸,長谷 守,土橋和文
  心筋梗塞症の冠動脈造影木村一雄,小菅雅美
  冠動脈バイパス術後の冠動脈造影一色高明
  経皮的冠動脈インターベンション後の冠動脈造影中川義久
  非虚血性心疾患の冠動脈造影西上和宏
  先天性心疾患の冠動脈造影磯田貴義
  川崎病の冠動脈造影赤木禎治
III 冠動脈造影の補助的診断法
  補助診断法の使い分けと内視鏡伊藤 彰, 土師一夫
  補助的診断法
   血管内超音波本江純子
   血管内ドプラ法,血管内圧測定,血管内温度測定,血管内心電図財田滋穂, 赤阪隆史
   Virtual Histology, Optical Coherence Tomography武田吉弘,鈴木孝彦
  左室造影とその評価山岡 修
  非侵襲的冠動脈造影
   マルチスライスCTによる冠動脈の診断陣崎雅弘,栗林幸夫
   冠動脈MRA飯野美佐子
  非侵襲的冠動脈病変の診断水上尚子
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