新 目でみる循環器病シリーズ 6

心臓核医学検査

心臓核医学検査

■編集 西村 恒彦

定価 9,900円(税込) (本体9,000円+税)
  • B5判  204ページ  2色(一部カラー)
  • 2005年2月28日刊行
  • ISBN978-4-7583-0128-2

循環器専門医をめざす医師のための必須の書

心臓核医学検査の基本手技から最新の応用に至るまでを簡潔にまとめた,心臓核医学検査法に直接携わる医師のみならず放射線医学・核医学や循環器病を専攻する医師にとっても必読の書。


序文

 平成4年,木全心一先生(現東京厚生年金病院院長)のご依頼により「心臓核医学検査」を「目でみる循環器病シリーズ」の一巻として上梓した。丁度,心臓核医学検査が心筋血流や心機能などの生理学的診断法に加え,心筋代謝や心筋交感神経機能などの生化学的診断法として新しい展開がなされていた時期であり,タイムリーな企画として本書は多くの先生方に好評をもって迎えられた。さらに平成10年には改訂版を出版した。この度,新たな改訂版の依頼を受けたのを機会に,心臓核医学検査の循環器疾患における診断,治療効果の判定および予後評価法としての有用性に焦点を合わせ,全面改訂を行った。
 本書の構成は総論としての「心臓核医学検査の基礎」や,各論としての「心筋血流」,「心筋代謝」などの項目に加え,この数年間における心電図同期心筋SPECTや動脈硬化に関する分子イメージングなど,心臓核医学の基礎,臨床両方にわたる進歩を取り入れ,さらに新しい医療体系のなかにおける心臓核医学検査の位置づけや役割についても言及した。したがって,本書は心臓核医学検査の基本手技から最新の応用に至るまで,簡潔にして明解にまとめられており,心臓核医学検査法に直接携わる医師のみならず放射線医学・核医学や循環器病を専攻する医師にとって有益な書物になったものと自負している。
 このように完成された本書を診療・研究の折に触れ,あるいは症例に接する度に気楽に使用していただければ著書らの望外の喜びである。

平成17年2月
京都府立医科大学大学院医学研究科
放射線診断治療学教授
西村恒彦
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目次

I 心臓核医学検査の基礎  西村恒彦
 放射性同位元素(radioisotope;RI) 
 核医学診断法 
 心臓核医学検査の展開 
 心臓核医学検査で用いられる放射性医薬品 
 心臓核医学検査で用いられるRI計測機器 
  シンチカメラ 
  SPECT装置 
  SPECT装置の進歩 
  RIデータ処理装置 
  PET装置 
  Hybrid-PET(FDG-SPECT)装置 
II 心臓核医学検査の特徴  西村恒彦
 検査法としての特性 
 心機能の診断 
 心筋虚血の検出 
 心筋viabilityの評価 
 ほかのmodalityとの比較 
 特異的機能の画像化 
 心臓核医学の新展開 
III 心臓核医学検査の役割  西村重敬
 急性冠症候群 
  ST非上昇急性冠症候群 
  急性心筋梗塞 
 慢性心筋虚血 
 心不全 
 心筋症 
  肥大型心筋症 
  拡張型心筋症 
 冠微小循環障害 
 弁膜疾患・先天性心疾患 
IV 心筋SPECT検査  中嶋憲一
 SPECTデータの収集と評価 
 SPECT装置と撮像法 
  SPECTカメラの構成 
  標準的収集 
 データ処理法
  SPECT画像再構成法
  標準的画像表示
 SPECT収集と処理の注意点
  体動の検出
  360゜収集と180゜収集
  2核種同時収集
 読影方法
  読影
  冠動脈領域との対応
  負荷時の誘発虚血を読む
  左室心筋以外の情報
 定量解析法
  コンピュータ処理
  心筋SPECT定量法
 散乱と減弱補正
  散乱補正 
  減弱補正 
 SPECTの品質管理 
V 心筋血流イメージングの基礎  中田智明,西里仁男,国分宣明
 血流イメージング製剤の特長 
 201Tl 
 99mTc標識心筋製剤 
 各種負荷法の特徴 
  目的 
  運動負荷法と薬物負荷法 
 運動負荷検査法 
 ジピリダモール負荷法 
 アデノシン(ATP)負荷法 
 ドブタミン負荷法 
 各種検査プロトコールの特徴 
 201Tl(再分布/再静注/安静時)法  
 99mTc標識心筋製剤負荷(安静時)法 
VI 心筋血流イメージングの臨床(エビデンス)  中田智明,藤井徳幸,吉岡拓司
 胸痛を疑うとき 
 不安定狭心症 
 急性心筋梗塞・再灌流療法 
 慢性心筋虚血 
  診断 
  重症度,リスク層別化 
  心筋生存性評価 
  予後評価 
 PCI/CABGの効果判定 
 心不全 
  心機能不全のタイプの決定 
  心不全の病因検索 
  心筋生存性の評価 
 腹部大動脈瘤,閉塞性動脈硬化症 
 非心臓手術 
VII 心電図同期心筋SPECT検査  中嶋憲一
 原理と放射性医薬品 
 心電図同期データ収集の実際 
 SPECTデータ処理法 
 QGSソフトウェアによる解析の原理と実際 
 各種ソフトウェアの比較 
  Emory Cardiac Toolbox 
  4D-MSPECT 
  pFAST 
  各種の処理法の比較 
 読影と定量解析上の注目点 
  まず壁運動をシネモードでみる 
  R-R分割数が小さいと駆出分画は過小評価になる 
  容積曲線の最後部は信頼性に要注意 
  収集カウントが少ないとき 
  アーチファクトを除外し境界領域の診断を減らす 
  心筋血流の大欠損の症例での注意 
  小さい心臓での駆出分画過大評価 
  負荷後の一過性左室機能障害 
  拡張障害も評価可能 
 急性冠症候群への応用 
 心不全・心筋症への応用 
 術前検査としての gated SPECTの利用 
VIII 心電図同期心プールシンチグラフィ  石田良雄
 原理と放射性医薬品
  ファーストパス心血管アンギオグラフィ(ファーストパス法)
  平衡時心電図同期マルチゲート心プールシンチグラフィ(平衡時法)
  放射性医薬品
  99mTc-RBCを用いた心プールシンチグラフィの一般的な手順
 データ収集とデータ処理
  ファーストパス心血管アンギオグラフィ(ファーストパス法)
  平衡時心電図同期マルチゲート心プールシンチグラフィ(平衡時法)
 臨床的意義
 各種心疾患への応用
  冠動脈疾患
  肥大型心筋症,高血圧性心疾患
  拡張型心筋症
  右室心筋疾患
  右室負荷疾患
  弁膜症 
 心電図同期心プールSPECT  
IX 123I-BMIPP心筋脂肪酸代謝イメージング  西村恒彦
 原理と放射線医薬品 
  背景 
  放射性医薬品 
  動物実験モデルにおける検討 
 データ収集と解析法 
 虚血性心疾患における応用 
 心筋症・心不全への応用 
 その他の心疾患への応用(123I-BMIPP無集積例も含めて) 
X 123I-MIBG心筋交換神経機能イメージング  石田良雄
 原理と放射性医薬品
  原理
  放射性医薬品
 データ収集とデータ解析
  データ収集
  データ解析
 画像の特徴
  正面planar像の異常所見
  SPECT像の異常所見
 虚血性心疾患への応用
  急性心筋梗塞例における意義
  一過性心筋虚血発作例における意義
  たこつぼ型心筋症における意義
 心不全患者への応用
  心不全重症度評価における意義
  心不全治療における意義
  予後予測における意義 
  心臓移植後の神経再生モニタリング 
 その他の疾患への応用 
  Parkinson病の診断 
  褐色細胞腫の診断 
  その他 
XI 99mTc標識ピロリン酸心筋イメージング  石田良雄
 原理  
 検査方法 
  検査時期 
  検査方法 
  画像判定 
 各種心疾患への応用 
  急性心筋梗塞 
  急性心筋炎 
  特発性心筋症 
  心サルコイドーシス 
  心アミロイドーシス 
  その他 
XII PETによる心筋血流・代謝イメージング  玉木長良,森田浩一
 PETの原理と放射線医薬品 
 心筋血流イメージング 
 心筋代謝イメージング 
 虚血性心疾患への応用 
 心不全,心筋症への応用 
 新しいPET検査 
XIII 心臓核医学の新しい展開  玉木長良
 心臓核医学検査の特徴と課題
 心臓核医学のガイドライン
 包括化医療時代の心臓核医学検査
 動脈硬化イメージングへの応用
 再生医療への応用
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