新 目でみる循環器病シリーズ 7

不整脈

不整脈

■編集 小川 聡

定価 10,450円(税込) (本体9,500円+税)
  • B5判  392ページ  2色(一部カラー)
  • 2005年7月29日刊行
  • ISBN978-4-7583-0129-9

不整脈の基礎知識から各種検査・治療に至るまで,不整脈に関わる医師に必須の情報満載

不整脈治療を行うための不可欠な基礎知識,各種検査法・治療法を,分かりやすく解説した。また,巻末に抗不整脈薬の一覧を掲載し,よく使われる薬剤の適応症,基本用法,禁忌など,治療にあたって知っておかなければならない知識を簡潔に紹介した。


序文

 不整脈領域のこの10年の進歩は,大きく3つに分けることができる。一つは,不整脈の発症機序が分子レベルで解明されて来たことであり,一つはそれに基づく新たな治療法の開発がなされていることであり,一つは,治療戦略に関わる診断技術の進歩である。心房細動を例にとってみても,肺静脈における電気生理が細動の開始にも維持にも重要な役割を演じていることが明らかとなって来たのはごく最近のことである。肺静脈入口部に分布する細胞には心房筋とは異なるイオンチャネル組成があり,さらに左房への圧負荷が肺静脈にも大きな影響をもたらしチャネルリモデリングを惹起する分子機構も解明されて来ている。さらには,その細胞に対する自律神経支配が肺静脈起源の心房細動を修飾することも明らかとされ,心房細動アブレーションの標的に対する解釈も少しずつ変化するとともに,これらの分子機構に基づいた新しい薬物療法も開発されている。抗不整脈薬療法の進歩もまさにこうした基礎的知識を背景にしており,Sicilian Gambitの基礎的概念が薬物療法ガイドラインに見事に反映されている。一方で,非薬物療法,特に植込み型除細動器の技術的進歩と欧米での大規模試験による突然死予防効果の証明は,一次予防への適応拡大への道を開きつつあるが,そのためのrisk stratificationが臨床上極めて重要な課題となっている。その診断的手法としてT-wave alternansが最近注目されているが,従来からの心室レートポテンシャル,さらには電気生理学的検査の意義も改めて問われている。
 本特集では,これら最新の知見を含めた各種不整脈の基礎から治療までを網羅するよう配慮したが,その中には教科書では得られない多くの最新知識が盛り込まれ,また本書の特徴を生かして画像を中心として判りやすく解説されている。

平成17年7月

慶應義塾大学医学部
内科学教授
小川 聡
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目次

I−不整脈の基礎を識る
 正常洞調律と不整脈発症機序(異常自動能,triggered activity,リエントリー)を識る (李 鍾国,児玉逸雄)
 不整脈の電気生理を識る (山下武志)
 不整脈の分類 (高柳 寛)
 自律神経と不整脈 (井上 博)
II−不整脈診断に必要な各種検査法
 Holter心電図 (田邉晃久)
 イベントレコーダ (岩永史郎)
 体表面心電図による不整脈診断 (林 博史)
 加算平均心電図法 (笠巻祐二,渡邊一郎)
 運動負荷試験法 (三田村秀雄)
 心磁図 (山田さつき,渡辺重行,山口 巖)
 T-wave alternans (小林義典)
 Head-up tilt試験 (小林洋一)
 電気生理学的検査法 (沖重 薫)
 遺伝子解析 (堀江 稔)
III−治療法
 治療の目的と手段をどのように考えるか (内藤政人)
 薬物療法:Sicilian Gambitに基づく抗不整脈薬療法
  抗不整脈薬の分類と薬理作用 (中谷晴昭)
  抗不整脈薬の選び方と使い方 (小川 聡)
 非薬物療法
  カテーテルアブレーション (奥村 謙,岩佐 篤,佐々木真吾)
  植込み型除細動器(ICD)・自動体外式除細動器(AED) (横川美樹,栗田隆志,鎌倉史郎)
  ペーシング療法 (石川利之)
  手術療法 (新田 隆)
IV−ガイドラインを治療にどう活用するか
 ガイドラインを治療にどう活用するか (新 博次)
V−各種不整脈の診断・治療
 洞機能不全症候群 (戸叶隆司,中里祐二)
 房室ブロック (鵜野起久也)
 心室内伝導障害 (清水昭彦)
 心房期外収縮 (川村祐一郎)
 上室頻拍 (庭野慎一)
 心房細動 (畔上幸司,平尾見三)
 心房粗動 (山根禎一)
 心室期外収縮 (野呂眞人,杉  薫)
 心室頻拍 (副島京子)
 心室細動 (池田隆徳)
 QT延長症候群 (清水 渉)
 Brugada症候群 (山下文男,相澤義房)
 Adams-Stokes症候群 (長田圭三,中沢 潔)
VI−突然死の予知・一次予防の現状を識る
 突然死の予知・一次予防の現状を識る (松田直樹,笠貫 宏)

付録
 主な抗不整脈薬一覧 (栗田康生)
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