新 目でみる循環器病シリーズ 8

高血圧

高血圧

■編集 島本 和明

定価 9,900円(税込) (本体9,000円+税)
  • B5判  206ページ  2色
  • 2006年3月1日刊行
  • ISBN978-4-7583-0130-5

現在の高血圧診療の必須知識を収載。お手元に必携の1冊

高血圧はわが国において,推定患者3,300万と最も頻度の高い生活習慣病であり,男女とも加齢とともに増加し高齢者に多く,高齢者社会を迎えているわが国においては益々管理の重要性が増してきている。
本書では2004年12月に発表された高血圧治療ガイドラインJSH-2004を踏まえながら,高血圧の疫学,成因,病態,検査法,そして治療法について,各分野の専門科より解説をいただき,高血圧対策について包括的に理解いただける内容とした。


序文

 高血圧は本邦において推定患者3,300万と,最も頻度の高い生活習慣病である。男女共に,加齢と共に増加するため,高齢者に多く,高齢者社会の本邦においては益々管理の重要性が増してきている。高血圧管理の目標は,脳・心・腎を中心とした高血圧性臓器障害の予防に尽きる。とりわけ,本邦においては発症頻度の高い脳卒中と,増加しつつある虚血性心疾患の予防が重要となる。最近の生活習慣の欧米化により,高血圧を含めた動脈硬化危険因子が重積するメタボリックシンドロームが,話題となっている。メタボリックシンドロームの構成要因として高血圧は最も頻度が高く,予後にも重要な役割を果たしている。特にレニン‐アンジオテンシン系やアディポサイトカインとの密接な関連も指摘されており,高血圧の成因・治療における新しい分野として注目されている。
 高血圧の診断上,家庭血圧測定の意義が益々大きくなってきた。特に白衣高血圧のみならず早朝高血圧や仮面高血圧も重要な高血圧の診断・管理上の問題となっている。一方,動脈硬化性病変の多い高齢者では,腎動脈狭窄も増加しており,2次性高血圧における腎度血管性高血圧には留意が必要である。原発性アルドステロン症も診断基準を厳格にすると頻度がかなり増加することも推測されている。高血圧治療に関しては,2004年12月に公表されたJSH-2004が本邦の治療ガイドラインとして広汎に用いられている。特に,JSH-2004では,高齢者高血圧・糖尿病・腎障害合併高血圧・脳卒中合併高血圧において降圧目標血圧が更に低下している。メタボリックシンドロームにおいても,降圧目標は130/85mmHg未満とすべきである。降圧薬も主要降圧薬6薬剤を中心に積極的適応が決められている。特に,ARBの独立した第一選択薬としての位置づけが明確になり,積極的適応範囲も広がっている。
 高血圧治療における大きな課題は,降圧薬療法を必要とする高血圧患者の半数において降圧薬療法が行われておらず,治療を受けている患者においても半数で降圧目標を達成しているに過ぎない点である。
 本書においては,高血圧の疫学,成因,病態,検査法,そして治療法について,前述の課題を含めて各分野の専門科より解説をいただき,高血圧対策について包括的に理解する助けになれば幸いである。

平成18年1月
札幌医科大学医学部第二内科教授
島本和明
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目次

I−高血圧の疫学   
 わが国における高血圧の疫学  上島弘嗣
 わが国における高血圧合併症の疫学  斎藤重幸
II−高血圧の発症機構   
 高血圧の成因遺伝子  赤阪 憲,勝谷友宏,荻原俊男
 レニン・アンジオテンシン系と高血圧  堀内正嗣
 腎Na代謝と高血圧  木村玄次郎
 アディポサイトカインと高血圧  荒井宏司,中尾一和
 酸化ストレスと高血圧  岡田 基,菊池健次郎
III−高血圧の検査法   
 家庭血圧測定の評価法  青野蓉子,菊谷昌浩,大久保孝義,今井 潤
 24時間血圧測定の評価法  桑島 巌
 インスリン抵抗性の評価法  富樫信彦,浦 信行
 原発性アルドステロン症の診断  伊藤 譲,齋藤 淳,西川哲男
IV−高血圧の治療法   
 新ガイドライン(JSH-2004)における治療指針  安東克之,藤田敏郎
 白衣高血圧の診断と治療  河野雄平
 仮面高血圧の診断と治療  江口和男,苅尾七臣
 早朝高血圧の診断と治療  永井道明,苅尾七臣,島田和幸
 高齢者高血圧の診断と治療  楽木宏実,荻原俊男
 脳卒中合併高血圧の治療  井上 健,松本昌泰
 慢性腎疾患合併高血圧の治療  伊藤貞嘉
 糖尿病合併高血圧の治療  片山茂裕
 メタボリックシンドローム合併高血圧の治療  東浦勝浩
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