新 目でみる循環器病シリーズ 13

先天性心疾患

先天性心疾患

■編集 中澤 誠

定価 10,450円(税込) (本体9,500円+税)
  • B5判  376ページ  2色(一部カラー)
  • 2005年11月28日刊行
  • ISBN978-4-7583-0135-0

在庫僅少です。


小児循環器医のみならず内科医にも必須の最新の知識を集約

今回,旧シリーズより引き続きシリーズの1冊として刊行される本書は,「成人先天性心疾患」領域を独立した1冊として刊行したため,より先天性心疾患領域の内容を充実させ,循環器医・小児循環器関係者のみならず,これからの内科医にも必要な最新の基礎知識を網羅している。


序文

 目で見る循環器病シリーズ「先天性心疾患」が1992年に始めて刊行され,その7年後の改訂版を経て早や13年が経過した。先天性心疾患の発生頻度は生産児に約1%であり,時代によって変化がないと考えられているが,出生数全体の減少から先天性心疾患の発生数も減少している。しかし,一方で産科医が中心になって行われている胎児診断による胎児の心疾患の発見は増えている。現在そして近未来的にも少子化の流れには大きな変化がないと考えられ,一人一人の子どもたちの命と健康の大切さはむしろ急速に増大している。それは,子どもさんが心疾患をもつことの親御さんへのインパクトの大きさ,そして,情報社会での親御さんたちが得る心疾患に関する多くの,そしてしばしば混乱した情報からの不安,となって医療現場で多くの困難を生じさせている。
 わが国の新生児乳児死亡率は世界に冠たる立派なものであるが,他方,1〜4歳児の死亡は先進国のなかで最も高い位置にあり,そのなかに心疾患による死亡も含まれている。その背景には,医療経済や医療システム,専門医制のあり方など実に多くの要因は挙げられる。収穫逓減の法則にあるように,僅かな努力や改善ないし投資で大きな成果が得られた時代は過ぎ,今や大きな努力,改善そして投資によって1人の患者の命を救い健康を確保する時代となっている。こうした流れにあって,先天性心疾患について言えば,疾患によっては急速に悪化し生命を脅かすもの,その時点で安定していても突然死や将来の心不全のリスクが隠れているもの,など,子どもの医療に携わるすべての者の役割として,その早期発見と適切な方向付けが求められる。
 先天性心疾患患者の年齢分布をみると,少子化の流れ,医療の進歩によって,成人先天性心疾患の頻度が急速に増大している。前版までは成人期まで含めていた,その重要性と知識情報の多さから,今回は,この本を分冊する形で別に「成人先天性心疾患」を丹羽氏とともに編集した。この二冊は,これからのこの分野における必須のものとなると確信している。
 最後に,このシリーズは循環器専門医を目指す医師たちに向けて企画されているが,「先天性心疾患」ではもっと幅広く,先天性心疾患を診る機会のあるすべての人たちに参考にして頂きたいと考えて編集作成したつもりである。この意図は初版本および改訂版と同様で,幸いなことに多くの方々に読んで頂けたと思う。この本が,再び多くの方々の医療の参考になれば,編集者として望外の喜びである。

2005年11月
東京女子医科大学循環器小児科教授
中澤 誠
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目次

I—総論
 先天性心疾患の発生と臨床経過
    疫学  中澤 誠
    成因論  松岡瑠美子
 診断のポイントと病勢診断  中澤 誠
 治療総論
   薬物治療  村上智明
   カテーテル治療  中西敏雄
 先天性心疾患の外科術式−人名のついた手術法−  吉原克則,佐地 勉
II—胎児期から周生期に発症する循環器異常
 胎児心疾患
   診断  石井徹子
   治療  石井徹子
  side memo:心磁図による診断(記録の実物と,正常値,不整脈例)  堀米仁志
 周生期循環異常  楠田 聡
III—主として新生児期に発症する心疾患
 完全大血管転換  中澤 誠
 総肺静脈還流異常  安河内 聰
 肺動脈閉鎖
    肺動脈閉鎖(右室低形成  中澤 誠
 左心閉塞性疾患
    大動脈縮窄複合  中澤 誠
    大動脈弓離断複合  中澤 誠
    左室低形成(大動脈閉鎖  青墳裕之
    重症大動脈狭窄  青墳裕之
    先天性僧帽弁狭窄  青墳裕之
 総動脈幹症  山村英司
 内臓心房錯位  朴 仁三
IV—主として乳児期に発症する心疾患
 心室中隔欠損症  中澤 誠
 房室中隔欠損完全型  鈴木清志
 Fallot四徴症  城尾邦隆
 心室中隔欠損,肺動脈閉鎖,主要体肺側副動脈  城尾邦隆
 大動脈肺動脈短絡
    動脈管開存症  小山耕太郎
    大動脈肺動脈窓  小山耕太郎
 三尖弁閉鎖症  中澤 誠
 単心室  朴 仁三
 修正大血管転換  中澤 誠
 両大血管右室起始  康井制洋
 冠状動脈奇形
    左冠状動脈肺動脈起始症(Bland-White-Garland症候群)  中川雅生
    冠動静脈瘻  中川雅生
    冠動脈開口異常(閉鎖,狭窄,起始異常  中川雅生
V—主として幼小児期に発症する心疾患
 心房中隔欠損
    二次孔欠損  豊野学朋
    一次孔欠損  豊野学朋
    部分肺静脈還流異常  豊野学朋
 左室流出路狭窄
    大動脈弁狭窄  安河内 聰
    大動脈弁上狭窄  安河内 聰
    大動脈弁下狭窄  安河内 聰
    単純型大動脈縮窄  松井彦郎
 右室流出路狭窄
    肺動脈弁狭窄  中澤 誠
    肺動脈弁下狭窄  中澤 誠
    末梢性肺動脈狭窄  中澤 誠
 心室中隔欠損+大動脈閉鎖不全
    心室中隔欠損+大動脈弁逸脱  富松宏文
     Valsalva洞動脈瘤破裂  富松宏文
 房室弁閉鎖不全
     Ebstein奇形  村上智明
     僧帽弁閉鎖不全  村上智明
 原発性心筋症
     拡張型心筋症  市田蕗子
     肥大型心筋症  市田蕗子
     心筋緻密化障害  市田蕗子
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