新 目でみる循環器病シリーズ 15

心筋症

心筋症

■編集 松森 昭

定価 10,450円(税込) (本体9,500円+税)
  • B5判  352ページ  2色
  • 2007年3月9日刊行
  • ISBN978-4-7583-0137-4

心筋症を理解し,患者に役立たせるための1冊

心筋症の概念や疫学を解説することはもちろん,拡張型心筋症,拘束型心筋症,不整脈原生右室心筋症等にわけて治療法や病因について解説。画像診断法の進歩や,免疫学的技術の発展と共に病因の解明も進歩している。そこで本書では,既出の治療法や病因の解説に加えて,診断や治療の最先端の話題にも触れ,図解している。心筋症について,第1線で活躍している医師が図表を交えて治療に役立つ内容を厳選して紹介している。


序文

 心筋症は“原因不明の心筋疾患”であり特発性心筋症とよばれてきたが,近年“心機能障害を伴う心筋疾患”と定義されている。わが国においては昭和49年,本症が厚生省特定疾患(難病)に指定され,その調査研究が全国的規模で組織され,現在も引き続いて活発な研究が行われており,本研究班により多くの国際的な業績があげられている。
 以前は困難であった心筋症の診断は,近年,画像診断法の進歩により比較的容易になり,また分子生物学,遺伝子工学,分子免疫学的技術の発展により,病因の解明も大きな進歩をとげた。また,病因が明らかになるにつれ,従来まったく別個の疾患と考えられていた肥大型心筋症と拡張型心筋症に共通の病因が多く発見され,さらに肥大型から拡張型様病態への移行もまれではないことが明らかとなり,これらの病態形成は従来考えられてきた単一の病因では説明ができないこともわかってきた。さらに,治療面においても当初は多くの議論のあった拡張型心筋症に対するβ遮断薬法は開始されて30年後の現在,心筋症のみならず心不全の治療法として確立され,心筋症の治療研究は心不全の治療を大きく変えた。また,心移植の対象疾患の大部分は拡張型心筋症であるように,重症心不全の多くは心筋症であり,虚血性心不全の少ないわが国においては,心筋症は心不全の臨床において最も重要な部分を占める。
 さて,【目でみる循環器シリーズ】の14巻として『心筋症』が出版され6年が経過したため内容の刷新が必要となった。本書は心筋症の臨床・研究において,わが国を代表する先生方に執筆をお願いし,進歩の著しい本分野の臨床を解説していただくとともに,病因・診断・治療に関する最先端の話題についても執筆いただいた。本書を心筋症診断の場で使っていただければ望外の喜びである。

平成19年2月

京都大学大学院医学研究科
循環器内科学 助教授
松森 昭
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目次

I 概念
 心筋症の概念(定義,分類),病因概論  (松森 昭)
 
II 疫学
 心筋症の疫学  (松森昭,三浦克之,中川秀昭)

III 拡張型心筋症
 病因  (北浦 泰,寺崎文生,浮村 聡,藤岡重和)
 心内膜心筋生検と病理  (河合祥雄)
 診断基準/症状/胸部X線,心音図,心電図/心エコー・ドプラ  (川合宏哉,横山光宏)
 心臓カテーテル所見/造影所見  (廣江道昭,佐藤 明)
 核医学検査  (西村恒彦)
 CT・MRI  (寺岡邦彦,平野雅春,山科 章)
 治療の目的/薬物療法  (渡部徹也,堀 正二)
 植込み型除細動器/ペースメーカ  (谷本耕司郎,小川聡)
 心臓移植  (中谷武嗣)
 経過と予後  (岡本 洋)
 
IV 肥大型心筋症
 病因  (木村彰方)
 心内膜心筋生検と病理  (金井恵理,長谷川浩二)
 診断基準・病型分類/症状/胸部X線,心音図,心電図/心エコー・ドプラ  (藤井克仁,永井良三,宇野漢成)
 血行動態と心血管造影所見  (和田 浩,百村伸一)
 核医学検査  (玉木長良,森田浩一,犬伏正幸)
 CT・MRI  (栗田泰郎,大西勝也,佐久間肇)
 治療の目標/薬物療法  (山崎直仁,土居義典)
 ペースメーカ  (河野 了,山口 巌)
 外科治療  (小林順二郎,舩津俊宏,北村惣一郎)
 経過と予後  (岡 直樹,今泉 勉)
 
V 拘束型心筋症
 拘束型心筋症  (寺崎文生,伊藤隆英,北浦 泰)

VI 不整脈原性右室心筋症
 不整脈原性右室心筋症  (梶本克也)
 
VII 特定心筋症
 心筋炎  (大坂 勤,和泉 徹)
 ミトコンドリア心筋症  (西垣 裕,田中雅嗣)
 心Fabry病  (中尾正一郎)
 筋疾患に伴う心筋疾患  (豊岡照彦,熊谷啓之,金野 敏)
 心臓サルコイドーシス  (植村晃久,森本紳一郎)
 心アミロイドーシス  (三上陽子,高野博之,小室一成)
 薬剤性心筋症  (新井昌史)
 アルコール性心筋症  (武田信彬)
 糖尿病性心筋症  (磯部和哉,前嶋康浩,磯部光章)
 結合組織病・膠原病に伴う心筋疾患  (公受伸之,島田俊夫)
 たこつぼ心筋症  (山田京志,河合祥雄)
 
VIII 心筋症診断の進歩
 心筋症とC型肝炎ウイルス  (松森 昭)
 心筋炎とサイトカイン  (瀧原圭子)
 心筋炎とバイオマーカー  (村上 陽,島田俊夫)
 心筋炎,心筋症とテネイシンC  (今中恭子) 
 心筋症と遺伝子発現  (朝倉正紀,北風政史)
 拡張型心筋症と自己抗体  (西尾亮介)
 拡張型心筋症の温熱療法  (池田義之,富田昌明,鄭 忠和)
 経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA)  (高山守正)
 左室縮小形成術  (須磨久善)
 心筋症の再生治療  (北村元三,藤原久義)
 心筋症の動物モデル  (高橋直之,世古義規)
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