新 目でみる循環器病シリーズ 19

心臓ペースメーカ・植込み型除細動器

心臓ペースメーカ・植込み型除細動器

■編集 相澤 義房

定価 10,450円(税込) (本体9,500円+税)
  • B5判  336ページ  2色(一部カラー)
  • 2005年3月16日刊行
  • ISBN978-4-7583-0141-1

これから植込み術を行う医師にも,また経験豊かな循環器専門医にも満足いただける一冊

ペーシング治療と植込み型除細動器(ICD)治療の実際に即して,第一線で活躍しておられる専門家に執筆を依頼し,これからペースメーカ植込みを行おうとする医師にも,また経験豊かな循環器専門医にも満足いただけるような内容としており,これらの治療法の実践に役立つ書である。


序文

 致死的不整脈には,徐脈と頻脈の両方があり,現在非薬物治療といえば,ペースメーカー治療と植込み型除細動器(ICD)で代表される。
 現在,わが国ではペースメーカは年間2万台以上が植え込まれている。このなかには電池寿命のためのジェネレーター交換も含まれる。これまで,より生理的なペーシング法が進展してきているし,またペースメーカの植え込みの適応ガイドラインも整備されてきており,徐脈患者に福音をもたらしていると推察される。
 ペースメーカ植え込み後の機器の性能や,患者のQOLなど,医師側からの評価も絶えず行う必要があるが,幸いペースメーカ友の会による全国的な活動が続けられている。このような活動は,適切なペースメーカ医療を育てる際,大きな役割を果たすと思われる。即ち,医療を受ける側からの疑問や問題の解決と克服のため,医療を行う側が研究や技術開発への動機が与える可能性がある。
 一方,ICDの植え込み台数も徐々に増加しており,わが国ではやがて3千台を越えるものと思われる。ICDの適応例の増加は,致死的な頻脈症例が蓄積されたことによる。それでもなお,頻脈による不整脈死の実態は不明であるし,ICDの適応例は,幸いにも突然死を免れた幸運な例に限られるのではとの懸念は常に存在するといえる。さらにICD植え込み後も,electrical stormとよばれる頻脈の嵐に時に見舞われるし,不適切作動も完全に抑えきれていない。無論,ICD植込えみ患者の不安もつきない。これらの意味で,ICD治療はまだ発展段階といえる。
 慢性の重症心不全では,失われた心収縮の同期性を複数部位からのペーシングで是正することで,心機能が改善することが判明し,Cardiac Resynchronization Therapyとしての新しい治療の道が拓かれた。とはいえ,有効例の予知をどうするか,また心不全の改善以外に果たして不整脈死も回避できるか,またICDとの併用をどうするか,など多くの解決すべき課題がある。
 本書ではこのような背景と将来を展望できるように,ペーシング治療とICD治療の実際に即して,第一線で活躍しておられる専門家に執筆を依頼した。本書の目的は,これらの治療法の実践に役立つ書であることと同時に,このなかから新たな問題を見出すことで不整脈の非薬物治療の進展させるきっかけとなれば,執筆者一同の法外の喜びである。

平成17年2月
新潟大学大学院医歯学総合研究科
循環器学分野教授
相澤義房
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目次

I−心臓ペースメーカ
 不整脈治療の前に
  わが国における不整脈死(渡辺 淳)
  院外突然死の実態と対策(長谷川祐,三田村秀雄)
 心臓ペースメーカの基本的事項(戸叶隆司,中田八洲郎)
 ペースメーカの植え込みの実際(加藤 勲,岩 亨)
 ペースメーカ植え込みのための電気生理検査とその意義(水牧功一,井上 博)
 ペースメーカ植え込みのための植え込み適応のガイドライン(小宮憲洋,矢野捷介)
 洞不全症候群(sick sinus syndrome;SSS)(久賀圭祐,山口 巖)
 房室ブロック(中江武志,杉 薫)
 その他の病態におけるペースメーカ治療(石川利之)
 ペーシング様式によるQOLと予後(清水昭彦)
 徐脈の一時ペーシング(宮内靖史,加藤貴雄)
 頻脈の一時ペーシング(沖重 薫)
 心不全のペースメーカ治療−両心室ぺーシングを中心に−(上山 剛,松崎益徳,清水昭彦)
 CRTの実際(松田直樹)
 ペースメーカクリニック(加藤武史,相良耕一)
 ペースメーカ心電図の読み方(大友 潔,平尾見三)

II−植込み型除細動器(ICD)
 ICDの基本的事項
  Ccardioversion(村川裕二)
  ATP,Rampペーシング(古嶋博司)
 ICD植え込みの実際(里見和浩,栗田隆志,庭屋和夫)
 ICDと電気生理検査(岩佐 篤,佐々木真吾,大和田信玄,奥村 謙)
 ICD適応のガイドライン(高月誠司,小川 聡)
 再発予防としてのICD(大規模臨床試験から)(伊藤 誠)
 一次予防としてのICD
  器質的心疾患を有する例(心筋梗塞,拡張型心筋症など)(池田隆徳)
  無症候性Brugada症候群(斉藤博則)
  QT延長症候群,CPVT(鎌倉史郎 )
 ICD植え込みの合併症(西田 聡,渡邊 剛)
 ICD植え込み後の不整脈治療(池主雅臣,渡部 裕,鷲塚 隆)
 合併症とトラブルシューティング(谷崎剛平,庄田守男)
 ICD植え込み慢性期の管理(新田 隆)

付 録
 用語解説(戸叶隆司 )
 ペースメーカ機種一覧(安部治彦)
 ICD機種一覧(吉田明弘)
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