新 目でみる循環器病シリーズ 20

カテーテルインターベンション

カテーテルインターベンション

■編集 光藤 和明

定価 10,450円(税込) (本体9,500円+税)
  • B5判  324ページ  2色(一部カラー)
  • 2006年6月20日刊行
  • ISBN978-4-7583-0142-8

カテーテルインターベンション理解のための必読の書

PCI関連の書籍は数多出版されているが,本書ではこれから手技を行おうと考えている医師や,手技を行うに際し疑問点を抱えている医師に対して,掲載項目を細分化し,適応,アプローチ,手技,合併症,術中診断,冠動脈以外のインターベンションまで,すぐに項目を探し,知識を得られるように構成し,事細かに解説している。PCIを理解するための必読の書である。


序文

 2004年8月に日本でもようやく薬剤溶出性ステント(DES)が保険償還されて以来,冠動脈インターベンション(PCI)の適応は拡大し,技術的な部分でもステント留置法・デバルキング・IVUSを含む診断に対する考え方も変容を遂げつつある。また日本ではGPIIb/IIIa拮抗薬が承認されていないし,クロピドグレルのステント血栓症の予防に対しては承認されてはいないという事情もあり,抗血小板療法も他の諸国とは異なる形をとらざるをえない。また現在のところDESは第一世代のCypher(BX Velocity)ステントしか承認されておらずCypherステントであるがゆえの問題点も指摘されている。そうした制約はあるがおそらくは様々な工夫を重ねることによって,わが国においてもDESはPCIにおいて高い成功率と低い合併症率を納めることができている。さらにDESは欧米と同様に圧倒的な再狭窄低下効果を示し,ステント血栓症の発生率も欧米に比して決して高くはない。一方DESで再狭窄率が低下したがゆえにこれまでは再狭窄率が高いことでその価値に疑問が投げかけられていた慢性完全閉塞(CTO)の分野においても多くの目が向けられるようになった。
 これまでの問題であった再狭窄の問題を解決しようとする勢いのDESが出現したのだからPCIは容易になったとはいえない。「再狭窄に有効な」デバイスをその有効性を最大限に引き出すために,また再狭窄以外の不都合を最小限にするために,そしてそれらの結果としてのQOLの改善と生命予後の改善のためにはPCIは術者に多岐にわたる知識と技術とを要求しているといえる。こうした状況であるからこそPCIそのものに対する考え方,他の治療法との協調,異なる病態に対する異なる対応,基本的な手技の確認と新しい工夫への認識などが歴史を踏まえたうえで確認されることは極めて重要であると思われる。
 弁膜疾患,先天性心疾患に対するインターベンションはこれから数多く行われることになると考えられるが,企画をした時点で厚労省に承認されて一般に行われていたPTMCのみをとりあげた。心筋症,肺塞栓症,末梢動脈に対するインターベンション,血管新生療法(再生治療)もPCIと同じ術者が行うことも多いと考えられる。
平成18年6月

倉敷中央病院循環器内科主任部長
光藤和明
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目次

I—PCI
 PCIの歴史  木村 剛
 PCIの病理  井上勝美,光藤和明,延吉正清
 PCIの適応と禁忌  西垣和彦,藤原久義
 PCIの実際
  アクセスサイト
   大腿動脈アプローチ  濱嵜裕司
   橈骨動脈アプローチ,上腕動脈アプローチ  金田秀昭,齋藤 滋
  PCIにおける薬物治療
   PCI中の薬物療法  本多 卓,目黒泰一郎
   DES時代の抗血小板療法  中川義久
   PCIの長期基礎的薬物療法  安藤英之,齋藤 穎
  拡張デバイス
   ステント  辻 貴史,玉井秀男
   ステントグラフト  柴田剛徳
   カッティングバルーン  原 久男,中村正人
   DCA  相澤忠範
   Rotablator(回転性粥腫切除術)  谷口 優,三角和雄
   DES  上妻 謙
  病態別PCI
   STEMIに対するPCI  井上直人
   非ST上昇型ACSに対するPCI  中村正人
   安定狭心症に対するPCI  野村雅則
  病変部位・病変形態別PCI
   左冠動脈主幹部病変(LMT)  西川英郎
   慢性完全閉塞病変に対するPCIの意義,現況,問題点について  武田吉弘,加藤 修
   分岐部,屈曲病変  中村 淳
   small vessel,びまん性病変に対するPCIとDES  村松俊哉
   バイパスグラフトに対するPCI  安本 均
  補助デバイスを用いたPCI
   補助循環下PCI  笠原洋一郎,宮崎俊一
   末梢保護デバイスの概念とデバイス  一色高明
  合併疾患
   糖尿病とPCI  林 康彦
   腎機能障害とPCI  道下一朗
  合併症とその対策
   冠動脈の障害による合併症  曽根孝仁
   心臓以外のPCIの合併症  門田一繁,光藤和明
  術中診断
   PCIにおけるIVUSの役割  本江純子
   PCIにおける定量的冠動脈造影(QCA)の役割  尾崎行男,菱田 仁
   機能診断(フローワイヤー,圧ワイヤー)  久保隆史,赤阪隆史
   OCT,VHなど新しい診断法  寺島充康,鈴木孝彦
   血管内視鏡  水野杏一
   MDCT  佐藤 誠,角辻 暁
 再狭窄・その解決に向けた取り組みの歴史と今後の展望  石綿清雄
 Hybrid血行再建術  伊藤茂樹,渡邊 剛
II—弁膜疾患    
 弁膜症に対するカテーテルインターベンション−PTMC(僧帽弁)を中心に肺動脈弁,大動脈弁などについて−  井上寛治
III—閉塞性肥大型心筋症
 経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA)  高山守正
IV—肺塞栓症に対するカテーテルインターベンション
 急性肺血栓塞栓症に対するカテーテルインターベンション  山田典一,中野 赳
 慢性肺塞栓に対する肺動脈拡張術  廣野明寿
V—末梢動脈に対するカテーテルインターベンション    
 頭頸部カテーテルインターベンション
  頭蓋内カテーテルインターベンション   倉石慶太,滝 和郎
  頸部動脈  坂井信幸,坂井千秋
 末梢四肢動脈に対するカテーテルインターベンション  横井宏佳
 腎動脈に対するカテーテルインターベンション  横井良明
 透析内シャントに対するカテーテルインターベンション  天野 泉
VI—AG    
 血管新生療法  辰巳哲也,安居俊秀,松原弘明
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