新 目でみる循環器病シリーズ 21

循環器病の薬物療法

循環器病の薬物療法

■編集 齋藤 宗靖

定価 10,450円(税込) (本体9,500円+税)
  • B5判  376ページ  2色
  • 2006年1月6日刊行
  • ISBN978-4-7583-0143-5

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循環器の薬物療法を究める

 製薬メーカーの開発により,新薬が次々と開発され,それに伴い,治療法自体が変化してきている分野も少なくない。本書では時代の流れに対応し,「循環器疾患の薬物療法−最近の趨勢」の章を設け,循環器疾患における薬物療法全体の流れをまず総論的に執筆いただき,「循環器治療薬剤−分類・作用機序と臨床応用」にて,分類・作用機序については薬理学関係の権威の先生方に,各疾患ごとの応用についてはその道の循環器臨床医の権威の先生方にご執筆をお願いし,薬理学から臨床応用までを図表を多用し,わかりやすく解説した。


序文

 循環器病学は日進月歩である。病態学,診断学,治療学は5年も経つとすでに古くなって,改定が必要になる。特に薬物療法に関しては,製薬メーカの必死の努力のもとに新薬が次々と開発され,それに伴って治療法自体が変わってきている分野も少なくない。また,多くの大規模無作為振り分け試験が行われ,それに基づいて治療ガイドラインが改定されつつあるのが現状である。
 さて,目で見る循環器病シリーズとして「循環器病の薬物療法」第一版が刊行されたのが平成10年であるから,もうすでに7年の歳月が流れている。その間循環器疾患の薬物療法の分野にさまざまな変化がみられている。急性心不全の治療におけるPDE阻害薬や心房利尿ホルモンの普及,慢性心不全におけるアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の位置付け,心疾患二次予防薬としての抗血小板薬やスタチン系高脂血症治療薬・ARBの有用性,さらには不整脈治療におけるKチャンネル遮断薬やアミオダロンの普及,など枚挙に暇がない。
 近年薬物療法に科学的な手法が導入された。すなわちevidence-based medicineの登場である。Yusufによれば,Evidenceのなかで最も確実なものは,大規模無作為振り分け試験または多くの無作為試験のメタアナリシスを含む系統的なレビューである。これまで臨床医学は経験と勘がものをいうアートの世界であったが,そこに科学を持ち込んだのがevidence-based medicineであるといえる。初版の序文でも触れたが,本シリーズは「目で見る循環器病」がテーマとして流れている。本巻においても薬剤の分類に関する表や作用機序に関するシェーマ,大規模無作為振り分け試験における生存率や心事故回避生存曲線など,目で見るシリーズを意識して図表を多く用いた。
 本書において編者が意図したところは,まず「循環器疾患の薬物療法—最近の趨勢」という1章を設けて,その道の権威の方に全体な流れを総論的に書いていただき,続いて「循環器治療薬剤—分類・作用機序と臨床応用」という各論を設けて,分類・作用機序に関して主に薬理学関係の先生に,また疾患ごとの臨床応用に関してはその道の権威の循環器臨床医にお願いしたことである。本書は巻構成等を刷新した新たなシリーズであるが,薬理学から臨床応用までを図表を多くしてわかりやすく解説した旧版の精神はそのまま受け継がれている。再度編者を努めさせていただいたことに大きな喜びを感じるとともに,本書が実際の臨床の現場で使っていただければ望外の幸せである。

平成17年10月
自治医科大学大宮医療センター
副センター長・循環器科教授
齋藤宗靖
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目次

I—循環器疾患の薬物療法:最近の趨勢
 急性心不全の治療  清野精彦,山下照代,小川晃生,佐藤直樹
 慢性心不全の治療  川城直美,川名正敏
 虚血性心疾患(二次予防も含めて)  齋藤宗靖
 不整脈  品川 香,三田村秀雄
 高血圧  島本和明
 高脂血症  武城英明,齋藤 康
II—循環器治療薬剤:分類・作用機序と臨床応用   
 強心薬  
  強心配糖体の作用機序と副作用  中村保幸
  心不全治療におけるジギタリスの有効性  後藤葉一
  強心薬の有効性と使い方  麻野井英次
  急性心不全におけるカテコラミンとPDE阻害薬の使い方  宮崎俊一
 昇圧薬の種類,作用機序と臨床応用  澤村匡史
 硝酸薬  
  硝酸薬の作用機序  遠藤政夫
  狭心症における硝酸薬の使い方  奥山裕司,平山篤志,児玉和久
  心不全と硝酸薬  高見澤 格,住吉徹哉
  硝酸薬とシルデナフィル  石蔵文信
 β遮断薬  
  β遮断薬の分類と作用機序  梅村和夫
  高血圧におけるβ遮断薬の使い方  有田幹雄
  虚血性心疾患におけるβ遮断薬の役割と使い方  金政 健
  心不全におけるβ遮断薬の役割と使い方  吉川 勉
 抗不整脈薬  
  抗不整脈薬の分類と作用機序  草野研吾,大江 透
  Naチャネル遮断薬の使い方  新 博次
  抗不整脈薬としてのβ遮断薬  清水昭彦
  Kチャネル遮断薬の使い方  岩崎雄樹,山下武志
 Ca拮抗薬  
  電位依存性Ca2+チャネルの分子薬理学とCa拮抗薬の差異化  柳澤輝行,増宮晴子,渡邊春男
  狭心症におけるCa拮抗薬の役割と使い方  岸田 浩
  降圧薬としてのCa拮抗薬の役割と使い方  目時弘仁,今井 潤
 ACE阻害薬およびAT1受容体拮抗薬  
  ACE阻害薬とAT1受容体拮抗薬の薬理作用  楽木宏実,荻原俊男
  降圧薬としてのACE阻害薬・AT1受容体拮抗薬  松岡博昭
  心不全治療薬としてのACE阻害薬と AT1受容体拮抗薬  三原宏之,浦田秀則
 α遮断薬の作用機序,分類と臨床応用  甲谷友幸,苅尾七臣
 その他の降圧薬  
  降圧薬の分類と作用機序  桑島 巌
  サイアザイド系利尿薬の作用機序と分類   後藤利彦,木村玄次郎
  中枢性・末梢性交感神経抑制薬,ヒドララジンの使い方  築山久一郎,重政朝彦,小林 泉,生駒英子,岡田興三
 利尿薬  
  利尿薬の分類と作用機序  秋元 哲,草野英二
  心不全における利尿薬の使い方  山本貴信
  ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチドの使い方  佐々木達哉
  心不全治療における抗アルドステロン薬の有用性  蔦本尚慶,林 優,堀江 稔
 抗凝固薬・抗血栓薬  
  抗血栓薬の分類と作用機序  村崎かがり
  血液凝固阻害薬の使い方  上塚芳郎
  急性心筋梗塞における血栓溶解療法  渡辺郁能,上松瀬勝男
  抗血栓薬の臨床応用  後藤信哉
 高脂血症治療薬  
  高脂血症治療薬の分類と作用機序  川上正舒
  HMG-CoA還元酵素阻害薬の使い方  小松愛子,野出孝一
  HMG-CoA還元酵素阻害薬以外の高脂血症治療薬  河野幹彦
 末梢循環改善薬の作用機序と臨床応用  松尾 汎
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