糖尿病チーム医療の教科書

糖尿病チーム医療の教科書

■編著 篁 俊成

定価 4,400円(税込) (本体4,000円+税)
  • A5判  168ページ  オールカラー
  • 2010年8月31日刊行
  • ISBN978-4-7583-0166-4

今すぐ始める! 糖尿病チーム医療:チームのつくり方と実践メソッド

増加の一途をたどる糖尿病患者に対し,糖尿病専門医の育成はなかなか追いついていない。今後も増え続けるであろう糖尿病患者に対し,少ない医療スタッフでどのように対応していけばいいのか。本書では,金沢大学附属病院 Team DiETによる,糖尿病患者を取り巻くチーム医療の実践法を具体的に紹介している。
Part 1では,糖尿病の基礎知識や現状を述べながら,今後の糖尿病治療の目標などについてを,Part 2では,「行動を起こしたい」と思っている医療スタッフがすぐに行動に移るために必要な医療チームの作り方のコツを具体的に紹介している。さらにPart 3では,外来患者指導現場で使える「チップ」として,糖尿病患者の日常生活への介入法を,栄養・運動・検査・服薬支援の専門スタッフがそれぞれの立場からのメソッドを紹介している。
本書を読めば,今日からすぐに糖尿病医療チームづくりが始められる!


序文

 糖尿病をはじめとする生活習慣病の病態は複雑であり,代謝恒常性の破綻をもたらす臓器間ネットワークの解明が,21世紀医学の大きな命題となっています。医療もまた,臓器別診療体制を進めるなかで失ってきた全人的医療への回帰をめざして,再び連携を模索し始め,ボーダーレス時代を迎えようとしています。
 あふれる生活習慣病患者に,数少ないスタッフで介入するために,看護師,管理栄養士,理学療法士,薬剤師,臨床検査技師など複数職種のメディカルスタッフからなるチーム医療アプローチがますます求められています。
 本書を手にとったあなたは,あなたの医療機関に通っている患者さんを助けるために,医療機関のスタッフが一体となって何かできないかと思っていらっしゃるのではないでしょうか。
 そこで本書では,糖尿病診療のめざすところを明確にし,チーム医療を始めるための具体的アクションを提言させていただきました。本書で提言させていただくチーム医療のストラテジーは,あくまで私とTeam DiETの私見です。治療のガイドラインはできるだけエビデンスを組み入れるべきではありますが,ある部分は「えい,やー」と仮説として打ち出す部分も必要かと思います。もちろん,それらの仮説は長い時をかけてさまざまな面から検証されることを待っています。
 また,糖尿病医療に限らず,あらゆる医療の場面において,どんなふうにしていったらスタッフ同士,医療チーム同士がコラボレーションを進め,日本の医療をよりよい方向に持っていけるかを考えるきっかけにしたいと思います。
 本書をたたき台として,すばらしいアイデアが集積し,真の「チーム医療の教科書」に育てていただければ幸いです。

2010年 8月
篁 俊成
金沢大学医薬保健研究域医学系恒常性制御学准教授
NPO Team DiETディレクター & Team DiET
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目次

Part 1 2型糖尿病治療のめざすところ 
 日本人はインスリンが出にくい−日本人の2型糖尿病の特性
 2型糖尿病の治療=血管のスローエイジング戦略
 スローエイジングを見据えた糖尿病治療の具体的アクション
 インスリン分泌/補充の観点から−糖代謝と糖尿病薬
 いかに経口血糖降下薬を使いこなすか
 考える糖尿病薬「インクレチン関連薬」
 Simple-to-the-Best Method−今すぐ始めるインスリン治療
 使うインスリンは超速効型と持効型だけ
 Bolus Firstメソッド−「食後から下げる」
 Basal Firstメソッド−「空腹時から下げる」
 インスリン抵抗性の観点から
 Simple-to-the-Best Methodのまとめと展望
 2型糖尿病治療のピットフォールとそれを乗り越える総合的治療

Part 2 今すぐ始めるチーム医療 
 今すぐチーム医療が必要なわけ 
 いつでも、どこでも、だれとでも−チーム医療の原点 
 How to Motivate Your Team?−元気の出る医療チームのつくり方 
 メソッド 1 Name first 
   −まず名前をつける。形から入ることでめざす医療がみえてくる
 メソッド 2 Meet once a week 
   −週に1回は顔を合わせる
 メソッド 3 Everybody, be a leader 
   −チームの一人ひとりをリーダーにする
 メソッド 4 Changing the world, one person at a time 
   −世界を変えるためには、まず目の前の患者さんから
 メソッド 5 Make something 
   −形になるものを作ることでチーム医療を楽しくする
 メソッド 6 Look outcome 
   −チーム医療のアウトカムを評価する。スタッフ自身が燃え尽きないために
 メソッド7 Think different 
   −ほんの少し、いつもとは違うように考える。一つ工夫を加えよう
 メディカルスタッフからみたチームビルディング 
 Part 2 のまとめ 

Part 3 根性いらずのフィットネスメソッド (外来患者指導現場で使えるチップ)  
栄養メソッド  
 こんな患者さんがいたら・・・  
 「朝食を食べない」 
 「食事量が多い」その 1 
 「食事量が多い」その 2 
 「食事量が多い」その 3 
 「間食がやめられない」 
 「お酒を飲みすぎてしまう」 
 「外食が多い」 
 「食事療法が長続きしない」 
運動メソッド  
 ステップアップ戦略
 こんなことも運動療法
 散歩から始める運動療法
 運動療法−だれかと一緒に
 筋トレをうまく使って基礎代謝アップ
 ながら運動のススメ
 すきま時間を使って運動時間をプラス
 3日坊主でもいい
 使ってみよう! 巷にあるぞ、いろいろな記録機器
 運動療法は治療の一つ
検査メソッド 
 1年に1度は、し、め、じ、の検査を受けよう!
 その結果、よ〜く見てみて! 検査結果の落とし穴
 たかが尿検査、されど尿検査
 HbA1cのピットフォール
服薬メソッド 
 インスリン注射を打てない患者さんへの対応
 「血糖コントロール」の意味を誤解している患者さんへの対応
 「インスリン療法」の意味を誤解している患者さんへの対応
 「シックデイ」への対応
 「低血糖」が怖い、あるいは「低血糖」を起こす患者さんへの対応
 薬を飲まない患者さんへの対応

オンラインジャーナル Team Approach 
バランス生活コミュニティ NPO Team DiET
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