画像でみる成人先天性心疾患

診断・治療へのアプローチ

画像でみる成人先天性心疾患

■編集 丹羽 公一郎
立野 滋
豊田 智彦
松尾 浩三
池田 亜希
赤木 禎治

定価 9,900円(税込) (本体9,000円+税)
  • i_dvd.jpg
  • B5判  302ページ  2色+カラー,DVD-Video付き
  • 2010年3月5日刊行
  • ISBN978-4-7583-0195-4

成人先天性心疾患診療の“実際”を理解するために必須の1冊

近年の各種画像診断法の進歩は著しく,形態,機能診断以外にも組織性状,自律神経機能,不整脈,冠動脈予備能の診断なども行われている。 特に先天性心疾患は,症例ごとに異なる解剖学/血行動態的特徴をもち,その病態を把握し的確な治療を行うために,各種画像診断法の特徴を生かした検査を選択し,その結果を統合して,疾患ごとの正確な解剖および病態診断を行うことが不可欠である。本分野は総合的画像診断法の特に有用な分野である。
本書は,成人先天性心疾患の診療機会はあるが,診療に習熟していない先生方を対象に,症例を理解し,治療戦略を決定するための一助となることを目的として刊行した書籍である。単なる症例提示ではなく,どう考え,どう応用し,どのように治療を進めているかを提示し,臨床に活用していける誌面構成としている。通読することにより,成人先天性心疾患で現在行われている診断,診療方針の決定,治療の実際を理解いただけることと考える。


序文

 成人先天性心疾患患者は40万人に達し,近年では, 成人患者数と小児患者数がほとんど同数になり, 先天性心疾患は成人循環器疾患の1分野と考えられるようになってきました。 先天性心疾患の手術の多くは合併症,残遺症,続発症を伴い,加齢により,あるいは加齢に伴う後天的疾患により, 心機能の悪化,不整脈,心不全,突然死などを発症することがあります。その結果,内科的治療,再手術を含む外科的治療を必要とすることが少なくありません。このため, ほとんどの循環器科では,一定数の成人先天性心疾患患者の診療を行わなければなりません。しかし, この分野を専門とする医師が少ない状況にあり,同分野を専門としない医師は,診療をどのように進めていけばよいのかを悩むことが少なくないのが現状です。また,成人期に入った患者さんを多くみている循環器小児科医も,成人期の疾患に習熟していません。
  近年,心臓カテーテル法以外にも,心エコー法,CT,MRI,カテーテルアブレーションなどの各種画像診断法の進歩は著しく,形態,機能診断以外にも組織性状,自律神経機能,不整脈,冠動脈予備能の診断も行われています。 特に先天性心疾患は,症例ごとに異なる解剖学/血行動態的特徴をもつため,病態を把握し的確な治療を行うためには,病歴,身体所見に加え,画像診断法の特徴を生かした検査法を選択し,その診断結果を統合して,疾患ごとの正確な解剖および病態診断を行うことが不可欠です。成人先天性心疾患は,総合的画像診断法の特に有用な分野です。
 本書は,成人先天性心疾患を診察する機会があるが,診療に習熟していない先生方を対象に,症例を理解し,治療戦略を決定するための一助となることを目的として刊行いたしました。単なる症例提示としてではなく,どう考え,どう応用していくか,そして,どのように治療を進めているかを提示し,臨床に活用していける誌面構成といたしました。実際に症例に出会った際に,同じ疾患の項目を見ていただいてもよいですし,通読していただくことにより,成人先天性心疾患で現在行われている診断,診療方針の決定,治療の実際を理解していただけることと思います。また,本書の作成にあたり,放射線科のスタッフ,メジカルビュー社の高橋さん,吉田さんに本当にお世話になりました。深謝申し上げます。

2010年2月
千葉県循環器病センター成人先天性心疾患診療部部長
丹羽公一郎
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目次

I 非チアノーゼ型先天性心疾患
□心室中隔欠損
 大動脈弁右冠尖逸脱豊田智彦
 左室右房交通症と心室中隔瘤豊田智彦 
 Valsalva洞動脈瘤と破裂椎名由美,豊田智彦,丹羽公一郎 
 感染性心内膜炎の合併川副泰隆 
□心房中隔欠損
 カテーテルインターベンション(閉鎖術)と手術適応谷口 学,赤木禎治 
 不整脈治療と手術立野 滋,丹羽公一郎 
 肺高血圧合併時の手術適応椎名由美,豊田智彦,丹羽公一郎 
□房室中隔欠損
 僧帽弁閉鎖不全合併に対する手術白井丈晶 
 遺残僧帽弁閉鎖不全に対する再手術 松尾浩三 
□動脈管開存症
 成人期手術の特徴松尾浩三 
 カテーテルインターベンション赤木禎治,中川晃司 
□肺動脈弁狭窄
 カテーテルインターベンション(バルーン形成術)赤木禎治 
□大動脈二尖弁
 上行大動脈拡張を伴う大動脈弁狭窄/閉鎖不全丹羽公一郎 
 大動脈二尖弁の診断と感染性心内膜炎丹羽公一郎 
□Ebstein病
 WPW症候群に対するカテーテルアブレーション立野 滋,丹羽公一郎 
 三尖弁閉鎖不全に対する外科治療と手術適応松尾浩三 
□右室二腔症
 診断と外科治療豊田智彦 
□修正大血管転位
 完全房室ブロック合併例とペースメーカ装着,頻脈性不整脈池田亜希,高橋一浩 
 右室機能不全と心臓再同期療法池田亜希,高橋一浩 
□大動脈縮窄
 未修復例の治療池田亜希 
 修復術後の再狭窄と高血圧白井丈晶 
□冠動脈異常
 冠動静脈瘻の診断,治療池田亜希 
□Marfan症候群
 大動脈瘤,大動脈弁閉鎖不全と僧帽弁閉鎖不全の診断と手術豊田智彦 
□川崎病冠動脈瘤
 カテーテルインターベンションと冠動脈バイパス手術赤木禎治 

II チアノーゼ型先天性心疾患修復術後
□完全大血管転位
 心房スイッチ術後の右室機能不全と上室性不整脈(頻脈性,徐脈性)池田亜希 
 大動脈スイッチ術後の大動脈弁閉鎖不全,肺動脈狭窄と冠動脈血流評価池田亜希 
 Rastelli術後の肺動脈狭窄と再手術立野 滋,丹羽公一郎 
□Fallot四徴症
 肺動脈弁狭窄/閉鎖不全と再手術丹羽公一郎 
 心室頻拍・心房性頻拍の診断と治療1 立野 滋,丹羽公一郎 
 心室頻拍・心房性頻拍の診断と治療2 立野 滋,丹羽公一郎 
 妊娠出産の評価(心不全,不整脈,遺伝)赤木禎治 
 大動脈拡張,大動脈弁閉鎖不全と大動脈弁置換術丹羽公一郎 
□修正大血管転位
 外科治療(ダブルスイッチ手術,三尖弁置換術,その他)とその合併症池田亜希 
□心外導管治療/総動脈幹症
 大動脈弁閉鎖不全の手術治療松尾浩三 
□心外導管治療/心室中隔欠損兼肺動脈閉鎖
 遺残肺高血圧の評価と治療立野 滋,丹羽公一郎 
□総肺静脈還流異常
 診断と治療丹羽公一郎 
□Fontan手術
 心房内血栓・肺塞栓豊田智彦,池田亜希 
 心房性不整脈,カテーテルアブレーションとTCPC conversion松尾浩三 
 蛋白漏出性腸症と肝硬変豊田智彦 
□肺動脈閉鎖(正常心室中隔,右室低形成症候群)
 Brock術後の修復術と適応川副泰隆 

III 成人期にもチアノーゼが持続している先天性心疾患
□肺血流減少性チアノーゼ型先天性心疾患
 姑息術例の成人期の修復手術の適応と注意点松尾浩三 
□Eisenmenger症候群
 診断と治療丹羽公一郎 
□チアノーゼ型先天性心疾患
 多臓器合併症(肺動脈内血栓,喀血,肥厚性骨関節症,腎臓形態機能異常)の評価丹羽公一郎 
□内臓心房錯位症候群
 診断と治療豊田智彦
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