カテーテルアブレーション

基本から最新治療まで

改訂2版

カテーテルアブレーション

■編集 相澤 義房
奥村 謙

定価 8,800円(税込) (本体8,000円+税)
  • B5判  324ページ  2色(一部カラー)
  • 2010年7月15日刊行
  • ISBN978-4-7583-0199-2

カテーテルアブレーションの習得をめざす医師必読の書

2006年の刊行より4年が経過したが,近年の不整脈に対するアブレーション治療の進歩は著しく,焼灼部位を同定する三次元マッピング,ナビゲーションシステムを中心とする医用電子工学の発達などにより,治療成績は飛躍的に向上し,治療の適応も拡大されてきた。とくに前述の各診断機器の発達も含め,心房細動アブレーションに対する各施設独自の治療法が開発され,臨床に応用されるようになってきている。
本書では,不整脈起源と心臓・大血管の解剖,機器,治療法の進歩に伴う新規項目を加えた。また,改訂されたガイドラインの内容を踏まえ,初版刊行時から現在までに進化した本領域の情報を加え,内容を改訂した。


序文

改訂2版 刊行にあたって

 2006年に「カテーテルアブレーション−基本から最新治療まで−」と題して初版を上梓した。本書はカテーテルアブレーションの教科書として,これまでに確立された基本事項を大切にする一方,カテーテルアブレーションの最新にも触れていただくということで,当時最先端で活躍中の不整脈研究者に執筆を依頼した。お蔭様で好評を博し,皆様のお役に立てたことは編集に当たったものとしての喜びであり,これはひとえに実力ある多くの執筆陣のお陰であると考えている。
 時の経つのは早いもので,初版よりすでに5年が経過し,その間にいくつかの新しい動きがみられるようになった。
 まず,マッピング手法もCARTOに加えnon-contactマッピング法も有用性が実証され,またCTやMRIなど他の画像とCARTOやEn-Siteによる心電情報との融合(Merge)も可能となり,ITの進歩は目を見張るものがある。また心外膜側に起源を有すると推定され,これまで難治例であった心室頻拍に対しても,マッピングとカテーテルアブレーションが可能となった。
 またIrrigationカテーテルを用いてより深層に起源を有する心室頻拍のアブレーションが可能となり,カテーテル電極への血栓形成を回避できる手段としてわが国に導入された。より容易にかつ広範な心筋傷害を目的にわが国で考案されたホットバルーンによるカテーテルアブレーションも,さらに冷凍凝固によるクライオバールを用いたアブレーションも,今後の展開が期待される。
 心房細動のカテーテルアブレーションでは,長期成績が揃いつつあり,またCFAEなどを指標として焼灼をどこまでアブレーションすべきかという課題も,やがて一段落するものと期待される。
 初版では不整脈のデメリットとその対策としてカテーテルアブレーションの意義を序文で述べたが,不整脈治療では各種デバイスやカテーテルアブレーションといった侵襲的,観血的手技を伴う。そこで,不整脈治療に関わる一定の知識と技術的レベルの維持,普及,研修および安全性の確保などを目的に不整脈専門医制度が論じられ,実現一歩のところにきている。このことも大変望ましいことではないか思われる。
 初版からの5年間で,カテーテルアブレーションを目指す多くの有能な若手の台頭もあるが,今回の改訂版では執筆陣はほぼそのままとし,ここ数年の新しい動きを加えて貰った。読者各層には,カテーテルアブレーションの基本事項の再確認,エキスパート達の工夫,各執筆者の自著文献からのカテーテルアブレーションにみる学問など,伺い知ることをお願いしたい。
 本書がカテーテルアブレーションの健全な発展の一助になれば編者の幸いである。

2010年5月
相澤義房
奥村 謙
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目次

I.基礎知識  
 1.アブレーションについて  相澤義房
 2.アブレーションの原理  佐竹修太郎
 3.アブレーションの装置と種類  岩 亨
 4.必要な心臓電気生理学的知識  奥村 謙
 5.不整脈発生機序:アブレーションに生かす  小林洋一
 6.不整脈起源と心臓・大血管の解剖  井川 修
  
II.アブレーション部位の同定法  
 1.基本的マッピング法と標的部位  古嶋博司,飯嶋賢一
 2.CARTOマッピング(CARTO Mergeを含めて)  内藤滋人
 3.EnSiteマッピング  山口尊則,土谷 健
  
III.ガイドラインに基づくカテーテルアブレーション  庭野慎一
  
IV.適応となる不整脈の特徴と症例の選択  
 1.WPW症候群  鵜野起久也
 2.発作性上室頻拍・心房頻拍  多田 毅,草野研吾
 3.心房粗動  山根禎一
 4.心房細動  熊谷浩一郎
 5.心臓術後心房頻拍  真中哲之
 6.心室頻拍・心室細動  池主雅臣,和泉大輔
  
V. 治療の実際:疾患部位別アプローチ  
 1.WPW症候群  沖重 薫
 2.発作性上室頻拍  須山和弘
 3.心房頻拍  山部浩茂
 4.心房粗動(通常型)  山田 功
 5.非通常型心房粗動(術後心房頻拍・粗動を含む)  佐々木憲一,奥村 謙
 6.心房細動アブレーション  
  a:肺静脈電気的隔離術  家坂義人
  b:肺静脈外起源心房細動に対するアブレーション  合屋雅彦
  c:CFAE  高橋良英,高橋 淳
  d:カテーテル・メイズ  池口 滋
 7.房室伝導のカテーテルアブレーション  奥山裕司
 8.心室頻拍  副島京子,中野恵美
 9.多形性心室頻拍/心室細動  野上昭彦
 10.心外膜アプローチによるカテーテルアブレーション  関口幸夫,青沼和隆
  
VI.合併症とその対策  
 1.カテーテルアブレーションにおける合併症  村川裕二
 2.合併症への対策  松本万夫,加藤律史
  
VII.カテーテルアブレーション後の長期予後  辰本明子,櫻田春水
  
附録:カテーテルアブレーションに必要な用語解説  藤木 明
  
索引  
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