心血管インターベンションエキスパート 3

Endovascular therapy

エキスパートはこう考える

Endovascular therapy

■編集 中村 正人

定価 7,150円(税込) (本体6,500円+税)
  • B5変型判  326ページ  2色(一部カラー),写真700点
  • 2012年7月4日刊行
  • ISBN978-4-7583-0219-7

カテーテルのプロフェッショナルを目指すエキスパートシリーズ,ついに発刊

カテーテル治療は循環器診療において柱をなしている治療であり,その治療対象となる動脈硬化性疾患は冠動脈領域にとどまることなく,近年では頸動脈,大動脈,下肢の全身へと広がりを見せている。
そのような状況のなか,本シリーズでは,各領域のエキスパートの先生方に,常に読者が知りたいと考えている治療を行う際の,「治療の考え方,ポイント」,「治療施行のための最適なモダリティ選択」,「マスターすべき必須手技」,「手技の着目点」,「術中の注意点」といった内容を見出しとして掲載し,教科書からは学ぶことができない術者の本音や手技へのこだわりを掲載している。
「シリーズ③Endovascular therapy」では,新デバイスの開発や薬剤溶出性ステントの進歩に伴い発展著しい末梢血管インターベンションを行ううえで役立つ,術者の考え方や実手技を行う方法,ポイント,合併症予防策などを,第一線で活躍する末梢血管分野,カテーテルアブレーション分野のエキスパートのドクターが徹底解説。教科書には載っていない生の声を多数掲載している。


序文

 末梢血管インターベンションの歴史は冠動脈インターベンションの歴史より長く,バルーンによる血管拡張,ステント留置などはすべて末梢動脈における臨床使用で幕を開けた。しかし,その後のデバイス開発,臨床応用は冠動脈が末梢動脈に先んずることとなった。薬剤溶出性ステントが臨床応用され,次世代の薬剤溶出性ステントも開発されている。近年の末梢血管インターベンションは冠動脈インターベンションの後を追いかけるように進歩を遂げてきた。浅大腿動脈用の薬剤溶出性ステントがわが国で今まさに世に出ようとしている。実臨床における薬剤溶出性ステントの有効性は依然として未知数ではあるが,このデバイスをはじめdrug coated balloon,腎動脈ablationなど新たな概念に基づくデバイスが目白押しである。末梢血管インターベンションは大きな転換期を迎えていると実感させられる。
 デバイスのみでなく,この数年末梢血管インターベンションは技術的にも大きく進歩してきた。これらの進歩は冠動脈インターベンションの経験を生かした新たなテクニック,合併症予防策が創意工夫されてきたことによる。実際の手技から,末梢血管に固有の手技のみならず,考え方,ピットホールを体感できるライブデモンストレーションは常に満員の状況である。しかし,ライブで提示される症例には限界があり,また個々の医師が経験できる症例も限られている。経験を共有することが重要と考え本書を企画した。12章からなる本書は,全身の血管領域で知っておくべき手技のポイント,疾患の考え方,アプローチのエッセンスについて記されている。多くの経験を有する先生方に実践的要素を中心としてわかりやすく解説いただいた。各項目が独立しているので,どこから読んでいただいても結構である。実際の症例を体感し,末梢血管治療における自分の引き出しが増えたと感じていただけると思う。是非,臨床の現場で役にたつ情報満載の実践的アプローチ書を堪能いただきたい。
 最後に,日常臨床で忙しい中協力いただいた共著の先生方,ならびに作成にあたり,小見出し,わかりやすい配列など編集者の至らない点をサポートいただいたメジカルビュー社高橋範子,吉田富生氏に深謝する。末梢血管インターベンションの極意を多くの方と共有できれば望外の喜びである。

平成24年4月
東邦大学医療センター大橋病院循環器内科教授
中村正人
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目次

Ⅰ.頸動脈
Bovine arch  曽我芳光
ステント内プラーク逸脱症例  篠崎法彦
高度屈曲病変例に対するCAS  伊苅裕二
Proximal protectionと血栓浮遊例  梅本朋幸
Bow hunter stroke  梅本朋幸

Ⅱ.鎖骨下動脈
椎骨動脈分岐部前・分岐後狭窄  東谷迪昭
胸隔出口症候群  池田長生

Ⅲ.大動脈
急性下肢虚血を呈した解離性大動脈瘤に対する緊急fenestration術 中村正人
腹部大動脈狭窄  東谷迪昭
Leriche症候群に対する血管内治療  南都清範,飯田 修

Ⅳ.腎動脈
線維筋性異形成(FMD)に対する経皮的腎動脈形成術(PTRA) 藤原昌彦,横井良明
腎動脈完全閉塞に対する腎動脈形成術  中村正人
Trans radial approach  宮下裕介
Distal protection  宮下裕介
合併症  曽我芳光

Ⅴ. 上腸間膜動脈(SMA)に対するEVT  小林智子,中村 茂

Ⅵ.腸骨大動脈
CTO
 TASC C  船田竜一,及川裕二
 TASC D  安齋 均
合併症
 血管穿孔  鈴木健之
 末梢塞栓  中野雅嗣
内腸骨動脈  太田 洋

Ⅶ.浅大腿動脈
グラフト閉塞例  宇都宮 誠
Long CTO
 Knuckle wire  長島義宜
 裏pop puncture  平野敬典
 Trans-collateral angioplasty(TCA)  浦澤一史
 Direct distal SFA puncture(DSP):表パン 浦澤一史
 IVUSガイド  川崎大三
 体表エコー   宮本 明,橘内秀雄
Non stenting zone
 総大腿動脈(common femoral artery)  太田 洋
 膝窩動脈  飯田 修
遺残坐骨動脈  安藤 弘
再狭窄に対する末梢塞栓保護(平野どめ)  平野敬典
膝窩動脈補捉症候群  駒井宏好
膝窩動脈外膜嚢胞症  齊藤雅彦、齋藤淳一

Ⅷ.下肢動脈(膝下の動脈)
バックアップサポート  中村正人
Retrograde approach
 Trans-collateral angioplasty:TCA for BTK lesions浦澤一史
 Tibial puncture  土谷武嗣
エコーガイド  山内靖隆,橘内秀雄

Ⅸ.Critical hand ischemia  板谷英毅

Ⅹ.動脈塞栓症  松野俊介,矢嶋純二

XI.静脈
深部静脈血栓症  山田典弘
Iliac vein compression syndrome  山田典弘

XⅡ.コイル塞栓術  安藤 弘

XIII.シャントPTA
末梢血管シャントPTA  堀田祐紀
透析シャントの中心静脈PTA  堀田祐紀
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