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睡眠呼吸障害診療のポイント

睡眠呼吸障害診療のポイント

■監修 栂 博久

■編集 高橋 昌克

定価 3,850円(税込) (本体3,500円+税)
  • B5判  112ページ  2色
  • 2006年5月16日刊行
  • ISBN978-4-7583-0326-2

在庫僅少です。


睡眠呼吸障害はココから知る,学ぶ,診る,看る!

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は,いまやcommon diseaseとして認識され,死の四重奏などの合併症を引き起こす恐ろしい疾患である。本書は,各科にわたる知識が必要とされている睡眠呼吸障害について,合併症までを含めてわかりやすく解説しており,研修医や若手医師に最適の一冊である。
また,SASの診療に際し大きな意味を持つPSG(終夜睡眠ポリグラフ)をはじめとする睡眠検査の際に,患者に対して直接指導にあたるのが看護師,検査技師などであり,CPAP(経鼻的持続気道陽圧呼吸療法)を行う患者のケアにも関わっているが,本書はSASの基本的な知識とPSGなどの睡眠検査の意義,実際の手技が実践的に解説されており,コメディカルスタッフにもお勧めのガイドブックである


序文

 2003年2月,山陽新幹線の運転士が居眠りをして列車が停車位置のかなり手前で停車したことがありましたが,原因が睡眠時無呼吸症候群(SAS)であることがわかりました。事故の第1報が報じられまだ原因がはっきりしなかった時,私たちSASを診療しているグループでは「きっと居眠りの原因はSASだろう」と噂していましたがやはりその通りでした。わが国でSASが一般のマスコミにはっきりニュースとして載ったのはこれが初めてであろうと思われます。幸い人身事故にはつながらず,はからずもSASという疾患が広く世に知られることになったのは不幸中の幸いと言うべきことでした。それ以来私たちの金沢医科大学病院の「いびき外来」にはSASを心配した患者が殺到し,外来と睡眠呼吸モニターの入院ベッドは多忙を極め,初診患者が検査を受けられるのは早くても4カ月後という状態になりました。その時の1年で300人以上のSASを診断しましたが,疫学調査でSASは人口の5%くらいいそうだということがわかり,それでは石川県には約5万人の患者がいる計算になり,私たちが診断したのは1年間でやっと全患者の1%もいかないということがわかり愕然としたものでした。
 それから3年近くたった現在,SASを心配して病院を訪れる人はさすがに当時ほどではありませんが,それは患者が少なくなったのではなく関心が薄れて来院しなくなっただけでしょう。今でも無呼吸低呼吸指数(AHI)100回/時以上で眠気のために交通事故を何回も起こしたという患者が初診で訪れることが少なくありません。SAS診療の最も重要なポイントは今でもまず疾患の存在を広く世に知ってもらうこと,そのために啓蒙活動を行うことであると思います。
 本書は主として初めてSAS診療の検査や診断にあたる医師,コメディカルの方々を対象として疾患の概念や実際の検査について解説しました。日常診療の場で見てすぐわかるよう実践的な内容にすることを心がけました。本書がSAS診療に関わる人々の助けになることを期待しています。

2006年4月  栂 博久
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目次

I 睡眠呼吸障害とは
 睡眠呼吸障害の歩み  栂 博久  
 睡眠呼吸障害の疫学  栂 博久  
 睡眠呼吸障害が引き起こす社会的問題  栂 博久  
II 睡眠呼吸障害の原因・病態と臨床症状  
 睡眠呼吸障害の分類  高橋昌克
 閉塞型睡眠時無呼吸症候群の原因と症状  黄 正寿
 中枢型睡眠時無呼吸症候群の原因と症状  黄 正寿
 チェーン・ストークス呼吸症候群の原因と症状  黄 正寿
 上気道抵抗症候群(UARS)とはどんなものか?  舘 由貴,高橋昌克
 睡眠時低換気症候群(SHVS)とはどんなものか?  高橋昌克
 慢性閉塞性肺疾患(COPD)と睡眠時無呼吸症候群の関係  関 利満,高橋昌克
 睡眠時無呼吸症候群とうっ血性心不全  大久保信司
III 睡眠呼吸障害の症状出現のメカニズム
 呼吸器内科領域からのアプローチ  高橋昌克
 耳鼻咽喉科領域からのアプローチ  高島雅之,友田幸一
IV 睡眠呼吸障害の合併症
 高血圧  大久保信司
 高脂血症  中野 茂
 耐糖能異常  中野 茂
 肥満  木越俊和
 肺高血圧  関 利満,栂 博久
 脳血管障害  堀 有行
 精神的障害  窪田 孝
 性機能障害  高橋昌克
V 診断の流れと実際の診断法
 睡眠呼吸障害の診断の流れ  高橋昌克
 実際の診断の流れ(ゴールデン・スタンダード法,スクリーニング,PSG)  黄 正寿
 画像検査  高島雅之,小田真琴,藍 志傑
 セファログラム  出村 昇
 睡眠の定義と睡眠段階の判定  堀 有行
VI 睡眠呼吸障害の治療と予後
 睡眠時無呼吸症候群の治療の選択  高橋昌克
 肥満治療  木越俊和
 口腔内装置  出村 昇
 経鼻的持続的陽圧換気療法(CPAP)の適応,使用状況,問題点  高橋昌克
 耳鼻科的外科治療  高島雅之,小田真琴,友田幸一
 薬物治療  堀 有行  
 睡眠時無呼吸症候群の予後  高橋昌克
VII 睡眠時無呼吸症候群以外の睡眠障害
 神経精神科領域  窪田 孝
 一般臨床と神経内科領域  堀 有行
 睡眠の指標(睡眠変数)  堀 有行  

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