画像で診る膠原病・リウマチ性疾患

読影のポイントとコツ

画像で診る膠原病・リウマチ性疾患

■監修 鎌谷 直之

■編集 山田 隆之

定価 6,050円(税込) (本体5,500円+税)
  • B5判  160ページ  2色,写真200点
  • 2006年4月26日刊行
  • ISBN978-4-7583-0352-1

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リウマチ医必携!臨床医のための画像診断のポイントとコツ

膠原病・リウマチ性疾患の画像を部位別に紹介。症例を呈示し,Q & A方式で解説。注意すべき点をわかりやすく解説した。また,第一線の臨床医の視点から対比した疾患の臨床的解説を加えた。


序文

 本書は私が20年以上も前から「こんな医学書がほしい」と思い続けてきた本である。20年以上前,私は米国カリフォルニア州に留学していた。カリフォルニア大学サンディエゴ校で二週間に一度,リウマチ学専門の放射線画像カンファランスが行われていて,私も不定期に出席していたのである。講師は当事有名なリウマチ学を専門とする放射線科医(名前は失念した)で,臨床医が提示するX線像に次々に明確な読みを披露するのである。彼は放射線科医であるのに,臨床リウマチ学にもある程度通じ,その臨床の知識を付加して画像から得られる情報を分析しているようであった。
 私はまず,米国にリウマチ学を専門とする放射線科医が存在することに驚嘆した。当時,日本ではリウマチ学そのものも頼りない存在だったのである。その有名な放射線科医は関節であろうと肺であろうと,リウマチ性疾患である限りは完全な知識と経験を備えていた。現在では単純放射線像だけではなく,CT,MRIとデータの種類や量が格段に増えた。しかし,リウマチ性疾患に関する画像をあの放射線科医のように明快に分析する医師を見たことは無い。
 そもそも私は完全なデジタル人間で,数式や論理が明確な分野は得意なのだが,画像診断が大の苦手なのである。数学や論理を使わずに,何故あれほど明確な分析が可能なのか全くわからない。思うに画像診断には何といっても膨大な経験が必要である。多数の患者の画像を見,その臨床診断や経過に照らし合わせて自らの判断力を高めていくのであろう。多数の患者の画像を経験するという面からは,リウマチ学においては,やはりリウマチの臨床医が有利である。しかし,経験のあるリウマチ医でも,なかなか呼吸器,消化器,神経,関節などを網羅した画像診断の教科書を書くことは難しいのではないだろうか。画像診断の教科書を書くためには,正統な放射線科の基礎知識と教育が必要であろう。従って,米国で見たような,リウマチ学を専門とする放射線科医が居て,そのような医師が豊富な経験を積んで教科書を書けば良いのである。できるなら,臨床リウマチ医と協議しつつ書かれたような教科書が望ましい。そのような教科書を読むことにより,個々のリウマチ医は画像診断の基礎知識を身につければよい。これが,私が20年以上にわたって,是非ほしいと思い続けた教科書である。
 本書の著者である山田隆之医師は,私の待ち望んだ医学書を書くにふさわしい放射線科医である。最近,10年間は東京女子医科大学青山病院専属の放射線科医として勤務してきた。青山病院のベッドのうち,半分の42ベッドはリウマチ性疾患のためのベッドである(膠原病リウマチ痛風センター)。多くは膠原病,あるいは類縁疾患の患者であり,一部は関節リウマチ患者である。従って,山田隆之医師は10年間の半分をリウマチ疾患専門の放射線科医として勤めてきたはずである。青山病院のリウマチ性疾患の症例の豊富さは驚くほどである。今回,その膨大な資料の中から選りすぐって,臨床リウマチ医のための画像診断の教科書を発行した。画像診断の部分はすべて山田医師によるものである。それに,リウマチ学の専門の医師を東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センターの中から選び,画像に対比した臨床的解説を行った。
 まさに理想的なリウマチ性疾患の画像診断の教科書ができたと思う。本書が特にリウマチ学を専門とする医師に取って必須の本であると信じる。また,リウマチを専門とするわけではないが,一般の内科医,整形外科医で日常診療の中でリウマチ性疾患を診る機会のある医師にとっても有用なものである。実際に最近は整形外科医であっても肺の画像診断などの知識は必須となっている。効果が強いが呼吸器の副作用も見逃せない関節リウマチの薬が増えたためである。そのような臨床医にとって,リウマチ性疾患に関する肺の画像診断の知識は欠かせないはずである。本書が広い範囲の臨床医の役に立つことを希望する。

2006年4月

東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター
所長 鎌谷 直之
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目次

刊行にあたって

胸部
関節
骨・軟部
頭部・脊髄
脊椎
頸部
消化器
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