支持・緩和薬物療法マスター

がん治療の副作用対策

支持・緩和薬物療法マスター

■編集 江口 研二
相羽 惠介
門田 和気
高野 利実

定価 4,180円(税込) (本体3,800円+税)
  • B5判  156ページ  2色(一部カラー)
  • 2011年2月1日刊行
  • ISBN978-4-7583-0357-6

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がん治療に伴う副作用対策を実践的に解説した,最新の化学療法レジメンを実施するために必携の書

抗がん剤の種類の増加,外来化学療法が広く利用されるなど,がん治療の様相が大きく変わりつつあるなか,緩和医療は終末期医療であるという認識はすでに過去のものとなり,がん治療の早期から身体的・精神的な負担になる症状の軽減を支援する緩和医療が広がりつつある。
本書は,がん専門医をはじめ,口腔外科,耳鼻咽喉科,呼吸器科,眼科のそれぞれの専門医も加わって,がん治療,緩和医療におけるの副作用対策を解説している。最新の化学療法レジメンを実施するために必携の書。


序文

序「支持・緩和治療薬物療法マスター」がめざしているもの

 高齢人口が急速に増加しているわが国では,いまや2人に1人はがんを経験し,3人に1人は,がんによって死亡するといわれる時代に入ってきています。平成18年がん対策基本法が成立し,がんによる年齢調整死亡率を20%減少させること,がん検診受診率を50%に向上させることなどを目標とし,各都道府県において,がん対策推進計画が実施されています。がん患者・家族が,どこにいても安心して治療・療養生活を過ごせることを実現するために,がん治療分野の中で特に人材の少ない放射線治療,化学療法の専門家育成,がん緩和医療の専門家やチーム医療の整備が行われています。
 最近のがん診療の現場では,いわゆる分子標的薬など新規抗がん剤の種類が急速に増えていること,抗体製剤なども含め免疫機序を利用した薬剤が増えてきたこと,外来化学療法が広く利用されるようになったことなど,がん治療の様相も大きく変わりつつあります。緩和医療は終末期医療であるという認識はすでに過去のものとなり,がん治療の早期から身体的・精神的な負担になる症状の軽減を支援する緩和医療が広がりつつあります。オピオイド,その他の新規製剤の種類剤型が大幅に増え,多職種によるチーム医療の体制が整備されてきています。新規の治療法や薬剤の使用に伴って,予想される副作用以外にも,従来経験されなかったような急性期の副作用や遅発性の有害事象,後遺症などの問題が新たに報告されてきます。
 本書はがん治療の副作用対策としての治療(支持療法)のみならず,緩和医療における各種薬剤の副作用対策もあわせて収載しました。後者については,特に大規模臨床比較試験によるエビデンスが極端に少ないこと,したがって適応外使用の薬剤が多いことなど,解決されていない矛盾も多くなっています。がん治療に身を委ねる患者および家族の療養の質を向上・維持させるために,がん診療に携わる医療者として現時点で最低限知っておくべく知見を集積しました。本書の執筆者一同,上記の目的に少しでも寄与するならば本書を上梓する意義があると考えています。日々のがん医療に努力されている皆さん,どうかご活用ください。

平成22年12月吉日
帝京大学医学部内科学講座腫瘍内科教授・帝京がんセンター長
江口研二
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目次

★Part1 がん化学療法に関連する副作用対策
  【口腔】    
    口腔・食道の炎症  金子明寛、伊澤和三
    口内炎  金子明寛、倉林宏考
    口腔乾燥  金子明寛、佐々木剛史
    口臭  本間明宏、福田 諭
    口腔潰瘍  本間明宏、福田 諭
  【消化器】    
    悪心・嘔吐  高野利実
    便秘・イレウス  大津 智、白尾国昭
    下痢  安井久晃
  【腎・泌尿器】    
    腎および尿路障害  江口研二
  【呼吸器】    
    薬剤性肺障害(特に間質性肺炎)  椎原 淳、加藤晃史
  【皮膚】    
    皮膚障害  堀 明子
    抗がん剤漏出による皮膚潰瘍・壊死  堀 明子
    爪の障害  荒川泰弘、相羽惠介
    脱毛  堀 明子
    手足症候群(HFS)  田口哲也
  【血液生化学所見】    
    好中球減少症・白血球減少症  森川哲行、相羽惠介
    血小板減少症・ヘモグロビン減少(貧血)  町島智人、相羽惠介
    電解質異常・脱水  小笠原洋治、相羽恵介
    血糖値異常  相羽惠介
    AST・ALT上昇  澤木正孝、安藤雄一
    ビリルビン上昇  笠間絹代、相羽惠介
  【循環器】    
    高血圧  宮野千恵、関 順彦、江口研二
    血栓症(予防)  宮野千恵、関 順彦、江口研二
    心毒性  望月直穂、坂田和之
  【神経】    
    味覚障害  本間明宏、福田 諭
    聴覚障害  本間明宏、福田 諭
    末梢神経障害  横山洋紀、相羽惠介
  【眼】    
    オキュラーサーフェスおよび涙道の障害  辻 英貴
  【全身症状】    
    倦怠感  小谷昌広、勝俣範之
    浮腫・腔水症(胸水・腹水)  堀 明子
    筋肉痛・関節痛  杉山勝紀、相羽惠介
    ほてり・発汗  矢萩裕一、相羽惠介
    infusion reaction  高原 忍、相羽惠介
  【精神】    
    うつ病(インターフェロン関連中心)  櫻井俊彦、冨田善彦
    副腎皮質合成ステロイド薬による精神症状  齋藤 健、相羽惠介
  【小児】    
    小児がんに特徴的ながん化学療法に伴う副作用対策(成人後の生殖機能を含む)  
      舩越康智、牧本 敦
★Part2 緩和医療−主としてオピオイドに関連する副作用対策
  WHOがん疼痛治療法を検証する    門田和気
  【高頻度の症状】    
    悪心・嘔吐  岩崎創史、川股知之
    便秘  橋爪隆弘
    眠気  田島つかさ、中保利通
  【用量に関係せず出現する症状】    
    排尿障害  長山忠雄
    掻痒感  大野茂樹、西崎久純
  【早急に治療を要する症状】    
    呼吸抑制  橋口さおり
    せん妄  森田達也
  【モルヒネ大量投与時に出現する症状】    
    ミオクローヌス  八戸すず、井関雅子
  在宅緩和ケアとオピオイド治療    行田泰明
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