最新化学療法レジメン

癌研有明病院

乳癌

改訂第2版

乳癌

■編集 伊藤 良則

定価 3,300円(税込) (本体3,000円+税)

乳癌治療における最新の化学療法を掲載した実践書

今回,改訂に伴い,既に使用されなくなったレジメンが削除され,さらに化学療法の適応を術前と術後に分け,10のレジメンを新たに追加した。具体的には,下記のレジメンが新たに追加されている。
術前化学療法では「FEC療法」「FEC→wPAC療法」「FEC→3wDOC療法」「FEC→wPAC+wHER療法」「FEC→3wDOC+3wHER療法」,術後化学療法では「CAF→3wHER療法」「FEC→3HER療法」「AC→3wDOC療法」「AC→wPAC+wHER→3wHER療法」「AC→3wDOC+3wHER→3wHER療法」,再発転移治療では「LAP+CAP療法」「CAP+wHER療法」「GEM療法」「GEM+3wPAC療法」「Nab-PAC療法」。

  • B5判  120ページ  2色
  • 2011年2月28日刊行
  • ISBN978-4-7583-0359-0

序文

 乳癌の罹患は年間約4万人に上り,女性の癌の第1位を占める。乳癌の治療は手術,放射線療法の局所治療だけではなく全身的薬物療法によって予後が改善する。化学療法,ホルモン療法の進歩により多様な手段が存在する。オンコロジストはそれを使いこなす技術が必要である。日本における乳癌の薬物療法は,多くは外科医が行っている。薬物療法を専門とする腫瘍内科医の必要性が叫ばれ,関連学会による専門医制度が実行されている。われわれの癌研ではいち早く平成13年から乳癌薬物療法の研修システムを開始し,すでに60人以上のレジデントが研修を修了した。薬物療法は外科医,内科医のいずれが行うかに関係なく,その効果,毒性を把握して安全に実施しなければならない。癌研は平成17年3月,東京お台場,有明の地に移転し,名称も「癌研究会有明病院」となった。癌研有明病院における乳癌の手術件数は,年間1,000例を超えている。平成18年8月から外来治療センターAmbulatory Therapy Center(ATC)は60床で運用している。毎月の乳癌患者の外来点滴治療患者数は1,200人を超える。乳癌薬物療法はスタッフとレジデントを合わせて10名の医師が行っている。また,乳腺外科医,放射線科医,乳腺病理医と連携をとり,チーム医療を実践している。このような治療システムは,この10年で徐々に築き上げてきたものであり,今後さらに発展させなくてはならない。そのなかで厳選されたレジメン集がこの著である。実際に薬物療法の診療を行っている医師が執筆にあたった。いずれの治療も実践されているレジメンであり,その際の注意点,工夫が随所にみられる。
 近年,臨床研究によってさまざまな治療方法が出現し,情報量も飛躍的に増大した。実際どの治療を行うのか迷うこともある。新たな治療方法を実施するには慎重な判断と十分な考察が必要である。自分が行おうとする治療が標準治療なのか,実験的な臨床試験なのかをわきまえることが必要である。ここにはわれわれが標準治療と判断した治療方法を具体的に,簡潔に記述した。現時点での標準治療の基本を確認していただきたい。実際に治療を行うにはその適応となる対象が術前,術後,再発転移であるのかをそのエビデンスが十分にあるのかを確かめなくてはならない。次にその投与方法,投与量,投与回数であり,病院において統一した共通のフォーマットが必要である。毒性の予測,対処方法についても共通の認識が必要である。これらの情報は看護師,コメディカルも十分に認識して共有する必要がある。基本の理解のうえに患者支援,服薬指導,安全管理が可能となる。それぞれの治療には絶対行ってはいけないもの(禁忌),注意しながら行うもの(慎重投与)がある。それらのエッセンスを簡潔にまとめたのがこのレジメン集である。ベッドサイドで大いに利用して安全な実施に努めてほしい。
 本著を刊行するにあたり,消化器外科部長・山口俊晴先生には貴重な助言指導を頂いた。このレジメン集は現在の癌研診療体制を表現したものでもある。乳腺センター部長・岩瀬拓士先生,化学療法科部長・畠清彦先生の日頃の指導に感謝する。最後に,多忙な診療にもかかわらず執筆したスタッフ・レジデント医師の皆様に感謝する。

平成23年1月
癌研有明病院 伊藤良則
全文表示する

目次

PART 1 治療の骨格
  治療の骨格  伊藤良則

PART 2 術前化学療法
  FEC療法  小林 心、伊藤良則
  FEC→wPAC療法  小林 心
  FEC→3wDOC療法  小林 心
  FEC→wPAC+wHER療法  小林 心
  FEC→3wDOC+3wHER療法  小林 心

PART 3 術後化学療法
  CMF療法  多田敬一郎
  AC療法  杉原 勉、伊藤良則
  CAF療法  三浦弘善、伊藤良則
  FEC療法  三浦弘善、伊藤良則
  CAF→3wHER療法  小林 心
  FEC→3wHER療法  小林 心
  AC→wPAC療法  徳留なほみ
  AC→3wDOC療法  徳留なほみ
  AC→wPAC+wHER→3wHER療法  小林 心
  AC→3wDOC+3wHER→3wHER療法  小林 心

PART 4 再発転移治療
  wPAC療法  瀬沼幸司、徳留なほみ
  wPAC+wHER療法  瀬沼幸司、小林 心
  3wDOC療法  菅 幸恵、徳留なほみ
  3wDOC+wHER療法  菅 幸恵、小林 心
  VNR療法  徳留なほみ
  VNR+wHER療法  徳留なほみ
  CAP療法  大迫 智、伊藤良則
  LAP+CAP療法  堤 千寿子
  CAP+wHER療法  小林 心
  GEM療法  大戸雅史
  GEM+3wPAC療法  大戸雅史
  Nab-PAC療法  中山美恵
  S-1療法  大迫 智、伊藤良則
  MMC+MTX療法  中島弘樹、伊藤良則
  ZLD療法  高橋俊二

PART 5 ホルモン療法
  TAM療法  多田敬一郎、伊藤良則
  TAM+LHRHa療法  菅 幸恵
  ANA療法  杉原 勉、伊藤良則
  EXE療法  瀬沼幸司
  LET療法  小石 彩、伊藤良則
  MPA療法  三浦弘善
全文表示する

関連する
お勧め書籍