できる!がん疼痛緩和

意外と誰も教えてくれなかった“リアルに使える”基本ルールとコツ!

できる!がん疼痛緩和

■著者 濱口 大輔

定価 3,080円(税込) (本体2,800円+税)

これまでのマニュアル本ではできなかったあなたへ。さあ,今すぐ患者さんの痛みを癒そう!

「緩和医療を学んではみたものの,さて実際にどう行えばよいかわからない・できない」という声にお答えする“リアルに使える”緩和医療の実践的解説書。「患者さんを前にして,緩和医療をどう始め,いかにゴール(疼痛緩和)までもっていくか」を主眼に,意外と誰も教えてくれなかった基本ルールとコツを網羅。
本書のフローチャート・チェックリストに沿って行えば,今やるべきこと,やってはいけないこと,やり残したことはないかが簡単にチェックできる。また,トラブルシューティングも充実しているので,困った場面も手厚くサポート。付録データダウンロードサービス付き。
もう緩和医療にビビらない,患者さんもビビらせない。さあ,今すぐ患者さんの痛みを癒そう!


序文

 あなたは痛みに苦しむ患者さんが,痛みから解放されたときの笑顔を見たことがありますか? 満面の笑みで「痛みがとれるなんて思っていなかった! ありがとう!」と興奮気味に言われたときの感動は言葉で表せません。そんな笑顔に出会う度に,もっと頑張ろうと思います。より多くの人に同じ経験をして欲しいと思いながら,緩和ケアチームで診療を行っています。

 緩和ケアチーム専従医をしていると,職種,学年にかかわりなく多くの医療従事者とお話しする機会があります。「患者さんの痛みをとってあげたいのに,オピオイドをどう使えばいいのかわからない」という相談を多く受けます。詳しくお話を聞いてみると「卒前または卒後に緩和ケアを勉強したことがある」という方が9割以上でした。つまり「教養としての緩和ケアの知識」はもっているものの,「実践に活かせる緩和ケアの知識」はもっていない医療従事者が多いということです。実践で活かせる緩和ケアの知識を身につけることで,より多くのがん患者さんを笑顔にすることができると気づきました。

 子供のころに泳げなかったときのことを覚えていますか? オピオイドの使い方は水泳に似ています。最初は水に対する得体の知れない恐怖,水に沈んでしまう恐怖を乗り越え,水に浮けるようになり,泳げるようになったはずです。5年ぶりに泳ぐときに同じステップを経ますか? 一度泳げるようになれば何てことはないはずです。オピオイドも同じで一度使えるようになれば,後は簡単です。はじめだけ努力が必要です。その努力をサポートするのが緩和ケア医の役割の一つです。「緩和ケアを専門としない医療従事者が,オピオイドを上手に使って,目の前の患者さんの痛みをとる」ことを目的に,筆者の専門研修,臨床経験,そして講演会でのフィードバックから得た知識を抽出し,より実践的に学べる方法論にまとめました。また既存のガイドラインから大きく外れるような内容は避け,初学者でも分かりやすいようにシンプルな内容にしています。若手の方々はもちろん,近くに緩和ケアの専門家が居なくて困っている方々にも広く使っていただけます。また緩和ケアの専門家で,緩和ケアを専門にしない医療者への教育が苦手という方にもお役立ていただける内容です。
 本書を通じて一人でも多くの患者さんを笑顔にする一助となれば筆者としてこれに勝る喜びはありません。

 最後に,これまでに出会った患者さんとご家族,医療従事者,公私ともに多くの気づきをくださる医療法人明雅会こだま小児科の児玉和彦先生,家族,そしていま本書を手に取ってくださっている皆様に心から感謝を申し上げます。また本書のきっかけを与えてきださったメジカルビュー社の加賀智子氏に心から感謝いたします。

2015年5月
濱口 大輔
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目次

Ⅰ部 ビビらない、ビビらせない オピオイド処方を身につけよう!
 1章 がん疼痛緩和の流れをつかむ!
  1 疼痛緩和はオピオイドが8割
  2 がん性疼痛緩和の流れを知る
  3 オピオイドを使える人、使えない人
  4 確実にできるようになるために
 2章 オピオイドの使い方を身につけるための心得
  1 プロではなく、上手なアマになる!
  2 「わかる」ではなく「できる」を目指す
  3 私たちの目的は「早めに痛みを癒すこと!」
  4 ビビらずに実践!
  5 興味がわいたらさらに勉強する
 3章 ビビらずにオピオイドを始めよう!〜痛みで緊急入院した患者さんが退院できるまで〜
  1 オピオイド開始時のチェックリスト
  2 薬剤を決めよう〜1 剤ずつ慣れていこう〜
  3 患者さんへの説明のチェックリスト〜ビビらせない〜
  4-1 オキファスト®を処方してみよう!
  4-2 フェンタニルを処方してみよう!
  4-3 モルヒネ注射を処方してみよう!
  5 副作用に対応しよう
  6 評価するときのチェックリスト
  7 増量のチェックリスト
  8 再評価しよう
  9 減量のチェックリスト
  10 オピオイドを変更してみよう
  11 痛みが落ち着いたら剤形を変更しよう
 4章 外来でもビビらずオピオイドを始めよう!〜外来で痛みが出た患者さんの痛みを良くするまで〜
  1 外来でもビビらずオピオイドを始めよう!①
  2 内服薬を処方してみよう!
  3 外来でもビビらずオピオイドを始めよう!②

Ⅱ部 さらに腕を磨くためのコツ
 1章 さらなる飛躍はレスキューにあり
  レスキューの使い方を工夫する
 2章 地域連携でさらに役立つオピオイドの使い方
  1 初診時に痛みがある
  2 知らないオピオイドを使っている
  
Ⅲ部 独り立ち後は技を磨く〜日常臨床で出会う困った場面に対応する〜
 副作用対策のQ&A
  ● 吐き気が出たら、オピオイドは中止したほうがよいですか?
  ● 吐き気止めは、いつまで続ければよいですか?
  ● ほかに吐き気対策で注意することはありますか?
  ● 強固な便秘対策はどうしたらよいですか?
  ● TOP3以外の副作用対策はどうすればよいですか?
 オピオイドの使い方のQ&A
  ● オピオイドを開始するとき、徐放薬でも速放薬の定期投与でもよいと聞いたことがあるのですが?
  ● オキシコンチン®を内服する時間にレスキューを使う患者さんの対応は?
  ●「夜だけ痛い」と言われたらどうすればよいですか?
  ● 注射薬の場合、夜間の痛みはレスキュー対応のみでよいですか?
  ● オピオイドの量が多くなったときの注意点はありますか?
  ● オピオイドの量が多くて専門家に相談できないが、変更が必要なときはどうすればよいですか?
 オピオイドの説明のQ&A
  ● 本当に麻薬で中毒になりませんか?8
  ● どうしても麻薬を使いたくないという患者さんを説得する方法を教えてください。
  ● それでも使いたくないと言われたらどうすれば良いですか?
 その他のQ&A
  ● 鎮痛補助薬は使いますか?
  ● オピオイド以外の疼痛治療を併用する場合の注意点は?
  ● できることはすべてやっても痛みがよくならないときはどうすればよいですか?

付録
  1 オピオイド換算表
  2 オピオイドの切り替え方法
  3 流速表
  4 CADD-Legacy® PCAポンプ使用マニュアル
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