新 癌の外科 -手術手技シリーズ 8

頭頸部癌

頭頸部癌

■編集 林 隆一

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
  • A4判  152ページ  2色,イラスト250点
  • 2003年9月29日刊行
  • ISBN978-4-7583-0453-5

国立がんセンターで行われている「頭頸部癌」の標準術式をイラストによりわかりやすく解説した頭頸科/耳鼻咽喉科/脳外科医必携の書。

前版刊行当時から手技的により完成され,国立がんセンターの手術法となっている頭頸部癌の外科治療を豊富なイラスト点数でわかりやすく解説した。知識と技術の向上に役立つ頭頸部外科医の必携の書である。

■シリーズ監修
垣添忠生


序文

 「癌の外科−手術手技シリーズ」頭頚部癌の初版から10年が経過した。その間の頭頚部癌に対する治療は,治療後の機能をより重視した方向へと大きく変革を遂げたと思われる。これは頭頚部外科医の喉頭癌,下咽頭癌に対する喉頭温存手術をはじめとする機能温存手術の開発・改良と同時に,化学放射線治療など内科的治療の発展によるものである。
 本書で示した頭頚部癌の外科治療は,基本的には前版のものと大きく異なるものではないが,その間に手技的により完成され当科における標準的な手術法となっている。前版以降の新しい工夫を加えると同時に,再建外科にもより多くの紙面を当てた。前版では触れなかった頭蓋底手術や上縦隔の手術手技について今回は加えることとした。また術後管理の一環として頭頚部癌の手術後に問題となる譫妄状態への対応も加えた。しかし,頭頚部癌の外科治療は日々進歩しており,本書のような教科書的な側面をもつ書物に当科で行っているすべての術式を盛り込むことはなかなか難しい。
 「癌の外科−手術手技シリーズ」は通称「銀本」といわれ,全国の多くの外科医に愛読されていると聞いている。本版の執筆者の中にはすでにがんセンターを辞された先生もいらっしゃるが,いずれの先生も前版の編集者である海老原敏先生の下で診療に携わった仲間であり,今回ご協力頂き版を重ねることができた。日常診療の激務を縫っての執筆でありようやく発刊に至った次第である。
 頭頚部癌の外科治療では根治性と機能保持という相反するテーマを両立しなければならない。そのためには画一的な手術法の踏襲ではなく,今後も多くの術式を開発し確立していくことが必要である。本書が若い頭頚部外科医の知識と技術の向上に役立てば,著者一同望外の喜びである。

2003年8月
林 隆一
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目次

聴器癌  小室 哲
 解剖  
 手術手技  
鼻・副鼻腔癌  岸本誠司
 鼻・副鼻腔およびその周辺領域の解剖  
 手術手技
口腔癌  羽田達正/朝蔭孝宏/平野浩一
 解剖  
 口腔癌の頸部郭清術
 頬粘膜癌  
 上歯肉癌  
 下歯肉癌  
 口腔底癌  
 舌癌  
 口唇癌  
中咽頭癌  鬼塚哲郎
 解剖  
 手術手技  
 中咽頭癌の頸部リンパ節の治療方針  
下咽頭癌  林 隆一
 解剖  
 下咽頭癌の切除術式  
 手術手技  
喉頭癌  海老原充
 解剖
 術式の選択
 手術手技
甲状腺癌  斉川雅久
 解剖
 術式の選択
 手術手技
唾液腺癌  平野浩一
 解剖
 耳下腺癌の手術
 顎下腺癌の手術
頸部郭清術  大山和一郎
 根本的頸部郭清術
 保存的頸部郭清術(conservative neck dissection)  
再建外科  木股敬裕/桜庭 実/菱沼茂之
 各種皮弁の挙上手技  
 手術時の血管の選択  
 術後管理と合併症対策  
 舌亜全摘術後の再建手技  
 中咽頭上側壁切除後の再建手技  
 下咽頭頸部食道切除後の再建手技  
 下顎骨切除後の再建手技  
 術後瘻孔の閉鎖手技  
顎顔面補綴  大田洋二郎/田代 浩
 顎補綴治療  
 顎顔面補綴治療  
上縦隔手術  吉積 隆
 上縦隔リンパ節へのアプローチ 
 上縦隔郭清  
 手術手技  
前頭蓋底手術  浅井昌大
 前頭蓋底の解剖  
 術前診断  
 手術手技  
 術後管理  
術前・術後管理  高地 明
 術前管理  
 術後管理  
精神腫瘍(術後せん妄)  岡村優子/明智龍男/内富庸介
 せん妄の診断  
 せん妄の原因
 せん妄の治療
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