小児疾患の身近な漢方治療 11

[第12回日本小児漢方懇話会記録集]

小児疾患の身近な漢方治療 11

■企画・編集 日本小児漢方交流会

定価 4,400円(税込) (本体4,000円+税)
  • B5判  62ページ  
  • 2013年3月25日刊行
  • ISBN978-4-7583-0486-3

小児疾患に対する漢方治療の実際とその応用を具体的に解説した最新実践書

2012年に日本小児漢方交流会により開催された第12回日本小児漢方懇話会の記録集。日本小児漢方懇話会は小児疾患の身近な漢方治療を主題として毎回臨床テーマを取り上げて開催してきた。今回は“小児科漢方の可能性と展望~何ができるのか,何を目指すのか~”をテーマとして,シンポジウム,総合討論で構成されている。
本書のシリーズは,日本小児漢方懇話会の記録集として,小児診療における最新の漢方治療の実際とその応用に至るまでまとめており,小児科医療現場の医師の生の声として極めて実践的な内容となっている。


序文

刊行にあたって

 一年間の休止期間を経て,昨年7月,京都にて小児漢方懇話会が再開された。ご存知のように,本会は故広瀬滋之先生が小児漢方の振興を目的として2000年に設立されたものである。一昨年に先生が逝去され,支柱を失った本会は終了か存続かの岐路に立たされることとなった。しかし,先生が会の継続を強く希望しておられたこと,会員各位へのアンケート調査で継続希望が圧倒的多数を占めたことを受け,形を変えて継続することが幹事会で決定された。
 再開にあたっては,当初からの姿勢,すなわち〈漢方ならびに伝統医学の原点や基本を見失うことなく,常に新しい視点からテーマを取り上げ,できる限り確実に記録しておくこと〉,そして〈多くの友人との交流を通して,従来の会ではなかなか得難い心の交流の場とすること〉の継承を軸とした。
 iPS細胞を例に挙げるまでもなく,最先端の医学は猛烈なスピードで進化し,西洋医学は年々その様相を変えていく。しかし,子供たちのささやかな生活の中で生ずる心身の苦痛・不安がすべて解決されるわけではない。近年,小児医療に於いても漢方が見直される機運にあるのは,現代の子供たちの〈生きにくさ〉を反映しているとも考えられる。
 小児漢方懇話会の再出発にあたり,テーマを「小児科漢方の可能性と展望」と題したのは,このような状況の中で小児科漢方に何ができるのか,そして何を目指すのか,を確認しておきたかったからである。大学小児科,小児外科,一般病院小児科,開業小児科など様々な立場からのご講演・ご討論を頂き,小児科漢方の将来に向けて真剣な実り多い議論ができたことを心から感謝している。さらに,地味なテーマにも関わらず多くの先生方に参加頂いたことに対して,お礼とともに感謝の気持ちをお伝えしたいと思う。
 今回,長年幹事を務められた大宜味先生が退任され,新たに小児外科から久留米大学八木教授に参加頂くこととなった。これを契機に,本会が子どもの漢方に携わるすべての人々と共に,さらに発展していくことを切に願っている。
 最後に,様々な紆余曲折にもかかわらず,本書の再発刊にご尽力頂いた関係各位に心から感謝申し上げたい。

2013年1月吉日
日本小児漢方交流会代表幹事  山口英明
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目次

刊行にあたって   山口 英明
プログラム
開会の辞   山口 英明

シンポジウム1   小児科漢方の由来と構造   山口 英明
シンポジウム2   大学からの小児科漢方への期待   濵﨑 雄平、田代克弥
シンポジウム3   日本小児東洋医学会の目指すもの   黒木 春郎
シンポジウム4   小児外科漢方の成果・方向   八木  実
シンポジウム5   病院小児科の立場から   池野 一秀
シンポジウム6   開業小児科の立場から   森 蘭子
総合討論      小児科漢方の可能性と展望~何ができるのか、何を目指すのか~

閉会の辞   山口 英明
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