泌尿器科超音波を使いこなす

泌尿器科超音波を使いこなす

■編集 棚橋 善克
千葉 裕

定価 8,800円(税込) (本体8,000円+税)
  • B5判  216ページ  オールカラー,イラスト250点,写真300点
  • 2014年3月20日刊行
  • ISBN978-4-7583-0569-3

泌尿器科医による,泌尿器科医のための超音波指南書

泌尿器科の日常診療で最も汎用される画像モダリティが超音波である。外来での実施が可能であり,腫瘍性疾患から結石,炎症性疾患,血管病変,先天異常,外傷など,幅広く診断が可能である。生検や穿刺にも活用されることから,日常診療で超音波を適切かつ自在に使えることが泌尿器科臨床医には不可欠である。
本書は泌尿器科超音波のエキスパートによる,日常診療で“どのように,有効に超音波を使いこなすか”を解説した手引書である。


序文

 医用超音波には,生体の軟部組織の構造描出や血流速度の測定などの診断的応用と,超音波により生じる強大なエネルギーを用いる治療的応用がある。また,超音波画像を描出すること自体が目的ではなく超音波画像を用いて他の手技を行いやすくすることを目的とする超音波インターベンションも発達しつつある。
 泌尿器科領域の診断的応用としては,経直腸的超音波診断法が心臓の超音波診断法とともに長い歴史を有している。超音波インターベンションの世界では,超音波穿刺術を応用した超音波ガイド下腎生検や経皮的腎結石摘出術(PNL)が広く行われており,後者は低侵襲手術の草分け的存在ともなっている。治療的応用としては,超音波砕石法,衝撃波結石治療法そして高密度焦点式超音波治療法(HIFU)など,泌尿器科関連の技術が広く活躍している。
 さて,人体の情報を得る方法として,視診,打診,聴診が古来より行われてきた。このうち打診,聴診は,音を頼りに診断を下す手法である。聴診は体内で自然に発生する音を弁別して病態を明らかにしようとするものである。それに対し打診は体外より圧力を印可してそれに対する生体側からの反応を観ようとする手段で,体外から照射した超音波エネルギーに対する組織内での反射波の強弱で映像を得ようとする超音波診断法と相通ずるものがある。
 一方,超音波やX線,MRIなど,画像診断技術が大きく進歩した現在,基本的な診断手技である視診,触診,聴打診を,昨今の若い医師がおろそかにする傾向があることは否めない。これらの古典的診断手技は,最新の診断技術とは違った情報を与えてくれるとともに,患者とのスキンシップという最新技術にはない大きな付帯効果があり,患者に対しとても安心感を与えることができる方法でもある。
 本書の読者は,新しい診断治療手技とともに,古典的な視診,触診,聴打診の重要性を再確認しつつ,超音波を利用していただければ幸いである。

2014年3月
棚橋善克
千葉 裕
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目次

I. 超音波で探る泌尿器疾患
 腎
  Step 1 腎を観る
   ①腎の解剖
   ②体位と基本走査
   ③正常画像とバリエーション
  Step 2 腎疾患を診る
   ①腎結石
   ②水腎症
   ③腎嚢胞
   ④嚢胞腎
   ⑤腎細胞癌
   ⑥血管筋脂肪腫
   ⑦慢性腎不全
 膀胱
  Step 1 膀胱を観る
   ①膀胱の解剖
   ②走査の手順:経腹壁的走査
   ③体位とプローブ走査
   ④正常画像
   ⑤超音波による計測(残尿量測定)
  Step 2 膀胱疾患を診る
   ①膀胱腫瘍
   ②膀胱内凝血塊
   ③膀胱結石
   ④膀胱憩室
   ⑤膀胱炎
   ⑥膀胱内異物
   ⑦膀胱子宮内膜症
   ⑧膀胱瘤
 前立腺
  Step 1 前立腺を観る
   ①前立腺の解剖
   ②前立腺の各種走査法
   ③前立腺超音波画像の表示方法(日本超音波医学会)
   ④前立腺超音波画像の基本パターン〔経直腸的操作(TRUS)〕
   ⑤前立腺重量の測定
  Step 2 前立腺疾患を診る
   ①前立腺肥大症
   ②前立腺癌
   ③前立腺炎
   ④前立腺結石
 尿管
  Step 1 尿管を観る
   ①尿管の解剖
   ②基本操作と超音波像
  Step 2 尿管の疾患を診る
   ①尿管結石
   ②腎盂尿管癌
   ③尿管瘤
  Step 3 尿管内エコー法
   ①尿管内エコー法とは
   ②検査手順
   ③正常の尿路像
   ④主な病変像
   ⑤体外衝撃波結石破砕法への応用
 精巣
  Step 1 精巣(陰嚢内)を観る
   ①精巣(陰嚢内容)の解剖
   ②基本操作
   ③正常画像
   ④超音波による計測
  Step 2 精巣疾患を診る
   ①精巣炎・精巣上体炎
   ②精巣腫瘍
   ③精液瘤・精巣水瘤・精索水瘤
   ④精索静脈瘤
 副腎
  Step 1 副腎を観る
   ①副腎の解剖
   ②体位と基本操作
   ③正常画像
  Step 2 副腎疾患を診る
   ①副腎皮質腺腫
   ②褐色細胞腫
   ③骨髄脂肪腫
   ④転移性副腎腫瘍
   ⑤副腎転移腫瘍
 陰茎
  Step 1 陰茎を観る
   ①陰茎の解剖と超音波画像
   ②基本走査
   ③超音波による計測
  Step 2 陰茎の疾患を診る
   ①勃起障害(electile dysfunction;ED)
   ②ペロニー病(Peyronie's disease)
   
 透析腎

 移植腎

 神経因性膀胱
   
II. 検査・手術に活かす超音波
 経皮的手技のための腎の解剖
 穿刺針コントロール
 嚢胞穿刺固定術
 経皮的順行性腎盂造影術
 経皮的腎瘻術
 経皮的腎結石摘出術(PNL)
 選択的腎生検
 超音波ガイド下前立腺生検
 小線源療法モニター
 HIFUモニタ
 超音波ナビゲーション
   
III. 一歩進んだ超音波診断
 ドプラ法
 造影超音波・ハーモニック法
 前立腺の硬さ(圧)測定
  ストレインエラストグラフィ
  シアウェーブエラストグラフィ
 3次元超音波
   
付録:症状・症候から引く超音波所見
 ①血尿
 ②疼痛
 ③膿尿(尿路感染)・発熱
 ④陰嚢痛
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