整形外科専門医をめざすための

経験すべき外傷・疾患97

改訂版

経験すべき外傷・疾患97

■編集 菊地 臣一
中村 利孝
越智 光夫

定価 12,100円(税込) (本体11,000円+税)
  • B5判  552ページ  2色
  • 2006年3月15日刊行
  • ISBN978-4-7583-0635-5

整形外科専門医に必要な知識・情報の総集本

2000年に刊行された『整形外科専門医をめざすための経験すべき外傷・疾患 88』の改訂版である。昨年,専門医資格取得のための分野が14分野(以前は8分野)に改定され,新たに3分野[整形外科基礎医学][リハビリテーション(理学療法,義肢装具を含む)][医療倫理,医療安全,医療制度,など]が追加された。本書はこれに則った97項目で再編成されている。各項目は,基礎知識,診察法,画像診断,鑑別診断,治療法の選択,トラブルシューティング,フォローアップを柱に構成されており,それ以外に役に立つ情報(分類,病態,検査法,注意すべき合併症,など)はplus Knowledgeとして囲み扱いで掲載し,見た目にも構成にメリハリをつけている。
本書の新たな特徴としては以下のものもあり,各外傷・疾患に関するポイントが拾い読みできる構成になっている。
1.本文前に〈診断のためのKEY phrase〉〈治療のためのKEY phrase〉として,診断・治療のポイントをピックアップしている。
2.本文は簡潔に解説されているが,その中でとくに重要な点については,欄外でさらに
コメントされている。
3.本文後の〈POINT UP VIEW〉は前回の〈最新情報〉のみではなく,口頭試問に役立つ情報を〈口頭試問ファイナルアタック〉としてQ&A形式で掲載されている。


序文

 本書は,平成12年11月に初めて出版されました。その時代,医療界に,認定医制度,あるいは専門医制度といった名称で,各診療科に専門領域の認定という枠組みが我が国に導入されました。本書は,この時代の流れに沿った形で,整形外科専門医が国民から信頼されるために最低限必要な知識や技術,さらにはknow-howの獲得を最低条件として,その構成や内容を,日整会専門医の取得という目的に沿って企画・製作されました。発刊後,本書は読者に好評をもって迎えられ,現在に至っています。
 その後,医療制度や医師の研修制度が大幅に変更され,我々は今その激動期の真っ只中にいます。今日,これらの制度変更と,整形外科専門医の資格継続要件の改定(教育研修講演の受講必須分野の内容が14分野になりました)も視野に入れて,改訂版を発刊することになりました。今という時代,整形外科専門医なら,自分の専門領域でないから分からないとか,診療しないということは,国民には通用しなくなってきています。我々には,運動器に関することであれば何であれ,患者さんの疑問や質問に的確な答えを提示して,指導し,患者さんのニーズを満足させることが求められています。したがって,本書の構成は,整形外科専門医の資格継続要件の改定に沿い,と同時に整形外科医として最低限取得しておかなければならない知識や専門医試験でのポイントを簡潔に分かりやすく解説することを主旨としています。
 新規の企画として,まず診断のための「KEY phrase/治療のためのKEY phrase」という項目を設け,診断・治療のポイントを箇条書きで提示しました。もう一つは「POINT UP VIEW」に[口頭試問ファイナルアタック]を設け,各外傷・疾患に関して口頭試問に役立つと思われる事項を提示しました。また,各外傷・疾患に関して患者さんから受ける疑問・質問の参考例,それに対する説明の仕方についてアドバイスを加えました。
 もちろん,整形外科専門医として知っておかなければならない基礎知識,病態,画像・検査,合併症,鑑別診断,治療法の選択,トラブルシューティング・緊急処置,フォローアップ,治療成績などについて,箇条書きで簡潔に記載することについては,従来の編集方針を踏襲しています。「POINT UP VIEW」で,それぞれの外傷・疾患について学会や雑誌などで話題になっている最新情報を解説しているのも同じです。
 執筆者の大多数は,専門医試験の口頭試験試験官を経験されている先生です。それだけに,専門医に求められる実際的な内容が網羅されていると自負しています。執筆者の方々に厚く御礼申し上げるとともに,本書が,若手整形外科医の専門医資格の取得に,また専門医取得後の日常診療に役に立つことを編集者一同が願っています。

2006年2月
菊地臣一
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目次

I. 整形外科基礎科学    
 1 骨の解剖(構造)と生理  田中 栄
 2 関節の解剖(構造)と生理  石黒直樹
 3 神経・筋肉の解剖(構造)と生理  西浦康正
II. 外傷性疾患(スポーツ障害を含む)     
 4 鎖骨・肋骨骨折  杉田 孝
 5 肩関節脱臼  畠山雄二,井樋栄二
 6 野球肘・肩  岩崎安伸
 7 槌指  藤  哲
 8 離断性骨軟骨炎  越智光夫,出家正隆
 9 大腿骨骨幹部骨折  杉田 孝
 10 Osgood-Schlatter病,有痛性分裂膝蓋骨  内尾祐司,越智光夫
 11 下腿骨骨折  帖佐悦男
 12 ランニング障害  池田耕太郎
 13 偽関節 ・ 変形治癒骨折  大西五三男
 14 骨折に伴う合併症  帖佐悦男
III. 小児整形外科疾患(先天異常,骨系統疾患を含む,ただし外傷を除く)    
 15 脳性麻痺  松尾 隆
 16 筋性斜頚  藤井敏男,柳田晴久
 17 分娩麻痺  川端秀彦
 18 先天性股関節脱臼  佐藤雅人
 19 Perthes病  杉 基嗣
 20 大腿骨頭すべり症  石井良章
 21 先天性脛骨偽関節症  浜西千秋
 22 先天性内反足 特発性を中心に  君塚 葵
 23 骨端線損傷  松野尚弘
 24 内反肘,外反肘  吉津孝衛
 25 肘内障  松野尚弘
 26 多・合指症  荻野利彦
 27 弾発指(ばね指)  荻野利彦
 28 脊柱側弯症  細江英夫,清水克時
IV. 代謝性骨疾患(骨粗鬆症を含む)     
 29 骨粗鬆症  中村利孝
 30 骨軟化症  岡野 徹,豊島良太
 31 骨系統疾患  君塚 葵
 32 痛風・結晶性関節炎  井上和彦,徳永建路
 33 血液透析関連骨・関節症  森 諭史
V. 骨・軟部腫瘍     
 34 骨原発腫瘍  小口泰司,早乙女紘一
 35 転移性骨腫瘍  岩本幸英
 36 軟部腫瘍  内田淳正
VI. リウマチ性疾患,感染症     
 37 関節リウマチ  龍 順之助
 38 seronegative spondyloarthropathy  田口敏彦
 39 骨髄炎 結核を含む  川嶌眞人
 40 関節炎 結核を含む  早乙女紘一
VII. 脊椎・脊髄疾患    
 41 脊椎骨折・脱臼  芝 啓一郎
 42 脊髄損傷  芝 啓一郎
 43 腰椎椎間板ヘルニア  千葉一裕,戸山芳昭
 44 腰椎分離(すべり)症  野原 裕
 45 変形性脊椎症  菊地臣一
 46 脊柱管狭窄(症)  菊地臣一
 47 脊柱靱帯骨化症  税田和夫,星野雄一
 48 化膿性・結核性脊椎炎  田中靖久,国分正一
 49 強直性脊椎炎  都築暢之
 50 脊髄腫瘍  南部浩史,富田勝郎
VIII. 神経・筋疾患(末梢神経麻痺を含む)     
 51 神経損傷  平田 仁
 52 腕神経叢損傷  平田 仁
 53 絞扼性神経障害 手根管症候群,肘部管症候群  稲垣克記
IX. 肩甲帯・肩・肘関節疾患     
 54 肩鎖関節脱臼  高岸憲二
 55 反復性肩関節脱臼  筒井廣明
 56 肩関節周囲炎,腱板断裂  高岸憲二
 57 上腕骨外科頚骨折  中村蓼吾
 58 上腕骨骨幹部骨折  中村蓼吾
 59 前腕骨骨折 肘関節・手関節外傷以外の橈骨骨幹部骨折,前腕骨両骨骨折  木原 仁,別府諸兄
 60 小児上腕骨外側顆骨折  今谷潤也,橋詰博行
 61 小児上腕骨顆上骨折  高村和幸
 62 Monteggia骨折  酒井昭典
X. 手関節・手疾患(外傷を含む)     
 63 橈骨遠位端骨折  金谷文則
 64 手関節部骨折・脱臼 舟状骨骨折  松下和彦,別府諸兄
 65 手関節部骨折・脱臼 月状骨周囲脱臼  泉山 公,別府諸兄
 66 手指の骨折・脱臼 Bennett 骨折  田中寿一
 67 手指の骨折・脱臼 中手骨骨折  田中寿一
 68 指関節靱帯損傷 PIP・MP関節  坂田悍教
 69 手の腱損傷 屈筋腱,伸筋腱(槌指を除く)  二見俊郎
 70 Dupuytren拘縮  柴田 実
 71 Kienbock病  中村蓼吾
 72 腱鞘炎 手指屈筋腱,de Quervain  辻野昭人,落合直之
XI. 骨盤・股関節疾患     
 73 骨盤骨折  澤口 毅,松本忠美
 74 股関節脱臼・骨折  松本忠美
 75 変形性股関節症  原田真一, 進藤裕幸
 76 大腿骨頭壊死症  糸満盛憲,泉 敏弘
 77 大腿骨頚部/転子部骨折  岡野 徹,豊島良太
XII. 膝・足関節・足疾患     
 78 膝蓋骨脱臼(骨折)  池田耕太郎
 79 膝関節周辺骨折  阪本桂造
 80 膝関節靱帯損傷  佐粧孝久,守屋秀繁
 81 半月板損傷  佐粧孝久,守屋秀繁
 82 変形性膝関節症  勝呂 徹
 83 神経病性関節症  厚井 薫
 84 足関節骨折・脱臼  木下光雄
 85 足関節靱帯損傷  仁木久照,青木治人
 86 距骨・踵骨骨折  高倉義典
 87 アキレス腱断裂  仁木久照,青木治人
 88 Kohler 病  山本謙吾
 89 外反母趾  山本晴康
 90 尖足  黒瀬靖郎
XIII. リハビリテーション(理学療法,義肢装具を含む)    
 91 リハビリテーションの目的と評価  大井直往
 92 整形外科的リハビリテーションの実際  白土 修
 93 義肢,装具,車椅子,松葉杖の処方の実際  白土 修
XIV. 医療倫理,医療安全,医療制度等    
 94 整形外科診療に必要なインフォームドコンセント  紺野愼一,菊地臣一
 95 整形外科医に必要なリスクマネージメント  紺野愼一,菊地臣一
 96 整形外科医に必要なクリニカルパスの基礎知識  佛淵孝夫
 97 医療保健制度の仕組み(包括医療制度を含む)  藤野圭司

付録    
  脛髄症判定基準(改定17〈−2〉点法, 100点法)/肩関節疾患治療成績判定基準  
  /肘機能評価法/肘機能評価・参考/股関節機能判定基準/変形性膝関節症治療成績判定基準  
  /足部疾患治療成績判定基準/腰痛疾患治療成績判定基準  
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