眼科インストラクションコース 15

ここまできた! 網膜疾患治療

ここまできた! 網膜疾患治療

■担当編集委員 白神 史雄

定価 10,450円(税込) (本体9,500円+税)
  • A4変型判  144ページ  オールカラー
  • 2008年3月24日刊行
  • ISBN978-4-7583-0728-4

網膜疾患に対する最新の外科的・内科的治療をマスターしよう!

最新の網膜疾患治療を疾患ごとに分け,オールカラーで図に「ふきだし」をつけ,具体的にわかりやすく解説した1冊。
各項目は「外科的治療」と「内科的治療」でそれぞれ統一した見出しに沿って執筆されている。
外科的治療では「治療戦略」「適応と禁忌」「インフォームド・コンセント」「手術に踏み切るタイミング」「手術手順,エンドポイント(治療の最終目標)」「ベネフィットとリスク」について解説。術中のポイントとなる手技の解説やトラブルシューティングについても記載。
内科的治療(薬物治療)では「治療戦略」「適応と禁忌」「インフォームド・コンセント」「薬剤の使用量と投与スケジュール」「エンドポイント(治療の最終目標)」「ベネフィットとリスク」について解説。治療法を変更するターニングポイントや重要ポイントについても,適宜囲み記事等で記載している。


序文

 インストラクションコースの第15号は,新しい薬物治療によって変貌しつつある網膜疾患治療をとりあげました。従来,網膜疾患の治療は,レーザー凝固や硝子体手術などが先行し,感染性疾患を除いては有効な薬物療法はほとんどないという状況でした。特に1990年代においては,いろいろな病態の発生機序に硝子体がかかわっている可能性を考えて硝子体手術を試みるという傾向にあり,硝子体手術の適応が一体どこまで拡大するのかという状況でサージカルレチナ全盛の時代でありました。ところが,今世紀になってから,こういったサージカルレチナの動きが止まり,トリアムシノロンアセトニドの硝子体内注入や後部Tenon嚢下注入に始まって,光線力学療法,そしてpegaptanib,ranibizumab,bevacizumabといった抗血管内皮細胞増殖因子(VEGF)薬の硝子体内注入といった新しい治療法が登場し,現在では,網膜疾患に対する治療戦略において薬物治療が欠かせない存在となっています。
 そこで,この『ここまできた!網膜疾患治療』は,最近のメディカルレチナの逆襲ともいうべき薬物治療の進歩を反映した最新の内容になるように構成しました。特に,一時期硝子体手術の対象になっていた黄斑浮腫や新生血管黄斑症などでは,メディカルレチナの専門家に執筆を依頼し,前述の光線力学療法や抗VEGF薬硝子体内注入などの治療法を詳細に解説していただきました。とはいうものの,今もなお,硝子体手術が網膜領域において重要な治療手段であることに変わりなく,適応や施行時期に関する最近の変化,小切開による低侵襲化など,この手術の最新の情報を提供しています。さらに,手術療法とトリアムシノロンアセトニドや抗VEGF薬の眼局所注入の併用という新しい展開も盛りこみました。また,網膜情報の最新情報として,安全な内境界膜染色,加齢黄斑変性に対するbevacizumabの有効性,bevacizumabの分注から注入までの実際をとりあげました。執筆者の先生方には,ご多忙中にもかかわらず執筆を快く引き受けていただき,最新の情報をわかりやすく解説していただきました。この場を借りて厚くお礼申し上げます。
 最近の眼科学会の網膜関係では,シンポジウム,教育セミナー,インストラクションコースなどの多くがこれらのトピックスをとりあげています。研修医の先生から一般の眼科医の先生方に至るまで,この1冊を読めば,この数年における網膜疾患治療の新しい潮流を体感していただけると確信しています。また,網膜を専門とする指導医の先生方にとっても,若い先生方の指導に十分役に立つ内容になっています。以上,本書が少しでも先生方の日常診療の一助になれば,望外の喜びです。

2008年2月
白神史雄
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目次

裂孔原性網膜剥離は硝子体手術で治す
原因不明の硝子体出血は早めに手術しよう
良好な視力を目指そう糖尿病網膜症治療
 黄斑浮腫合併例に対する汎網膜光凝固
 増殖糖尿病網膜症に対する最新の硝子体手術
 抗VEGF抗体を使用した血管新生緑内障の治療
黄斑浮腫は外科的治療から内科的治療へ
 糖尿病黄斑症の薬物治療 〜注射で腫れをひかせよう〜
 網膜静脈閉塞
 白内障術後嚢胞様黄斑浮腫に対する新しい薬物治療
 macular telangiectasia 黄斑部毛細血管拡張症 浮腫を引かすためには:光凝固〜薬物療法
 ぶどう膜炎
極小切開硝子体手術で治すぞ!黄斑疾患
 黄斑上膜
 極小切開で直そう—黄斑円孔—
 小切開硝子体手術を用いた糖尿病黄斑浮腫に対する手術
脈絡膜新生血管はメディカルで治療する!
 加齢黄斑変性の内科的治療 現状と近未来
 若年者の新生血管黄斑症
強度近視に関連する黄斑部病変も積極的に治療しよう
 中心窩分離を治してみよう
 近視性脈絡膜新生血管・活動性があれば積極的に治療しよう
 黄斑部,後極部裂孔による網膜剥離
号外 網膜領域の最新情報
 より安全な内境界膜染色法
 加齢黄斑変性にbevacizumabは有効?
 bevacizumabの分注から硝子体内注入まで
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