眼科インストラクションコース 17

眼科診療のスキルアップ 緑内障編

眼科診療のスキルアップ 緑内障編

■担当編集委員 谷原 秀信

定価 10,450円(税込) (本体9,500円+税)
  • A4変型判  192ページ  オールカラー
  • 2008年9月24日刊行
  • ISBN978-4-7583-0730-7

緑内障診療力アップのための1冊!

さまざまな緑内障性疾患の診療におけるコツ,ポイントを「隅角閉塞とその類縁状態」「正常眼圧緑内障とその鑑別疾患」「発達緑内障と先天異常」「難治緑内障」の4章にわけ,典型症例をとりあげながら解説した1冊。
まず,各疾患や状態に応じて行っていくべき診療を述べた「戦略」,その後「典型症例」を提示し,病歴+受診時の写真,診療経過,その症例の診療に対するアドバイスを掲載する形をとっている。本文の重要ポイントは欄外に「ふきだし」の形で記載,図表でどこに注意して見たらよいかがわかるよう,図表内にも「ふきだし」の形でコメントを記載し,わかりやすく解説。


序文

 日常,多忙な眼科診療の合間に,ふと考え込んでしまう一瞬がある。日頃,あまり遭遇しない非典型的な状況や,深く考えてこなかった事象についてどういう説明をすべきか,次にどういう検査を考えるべきか,あるいは適切な治療はどうすれば良いのか,ふと疑問を感じた瞬間である。本巻は,このような場合に,迅速に対応できるように,簡潔かつわかりやすくポイントを整理していただくことを目的として企画された。まさに日常診療に,もうワンランクアップを目指した「スキルアップ」のための書籍である。
 「眼科インストラクションコース」シリーズは,本巻「眼科診療のスキルアップ 緑内障編」で第17巻となる。本シリーズの冒頭「刊行にあたって」に記載されているように,「眼科インストラクションコース」は,標準的治療や最近のトレンドをわかりやすくまとめて,初心者にも簡単に理解できるようなガイドブックであることを目指している。その企画趣旨に基づいて,「スキルアップ 緑内障編」としてピックアップされた診療ポイントは,大別すると,(1)隅角閉塞とその類縁疾患,(2)正常眼圧緑内障とその鑑別疾患,(3)発達緑内障と先天異常,(4)難治緑内障の四部構成である。これらは,診療上,とても重要であり,是非知っておきたい基礎知識なのだが,従来の本シリーズにおける緑内障関連の諸巻の企画で割愛せざるを得なかったポイントを,一挙に含めることができた。
 「スキルアップ」をキーワードに企画したものであるが,決して重箱の隅をつつくような枝葉末節の綱目ではなくて,日常診療で陥穽に陥らないために重要な診療上のポイントばかりである。原発閉塞隅角症の正しい診断,あるいは水晶体可動性やレーザー虹彩切開術のリスク,残余緑内障の対応などは,思わぬ深刻なトラブルに発展しうるポイントであろう。正常眼圧緑内障については,患者説明や眼圧管理の実際から,神経保護療法という治療概念の現状までを俯瞰してある。小児緑内障では,日常の診療手法から,多彩な発達異常の臨床写真を含めて,遺伝子相談への適切な応え方まで視野に入っている。そして最後は,難治緑内障として,多彩な病型と最新の治療手段の応用にまで配慮して,適切な記載が優れた執筆陣によってなされている。
 「眼科インストラクションコース」シリーズの特徴は,図解,注釈,吹き出しコメントなどの多彩な工夫をこらすことで,少しでもわかりやすく,直感的に理解し,記憶することが可能なようにしてあることにもある。読者にとって,好感の持てるこれらの工夫は,本巻においても十分に応用されている。「スキルアップ」を目指した本巻において,普段,学会などで激しく議論されている内容なども含まれてはいるが,あくまでも一般眼科医や若手医師にとっても十分に理解できるように,簡潔かつピンポイントにまとめられている。本書が,読者の皆様にとって,眼科診療技術をワンランクアップさせるのに役立ったとご評価頂ければ幸いである。

2008年8月
谷原秀信
全文表示する

目次

隅角閉塞とその類縁状態
 原発閉塞隅角症の見つけ方
 見落としやすい間欠的な閉塞隅角
 負荷試験はするべきか?その有効性と限界
 原発閉塞隅角症・原発閉塞隅角緑内障の治療指針
 原発閉塞隅角症の診断にひそむ悪性緑内障のリスク
 水晶体脱臼 Zinn小帯の脆弱性・水晶体の可動性
 レーザー虹彩切開術と水疱性角膜症のリスク
 それでも眼圧が高い! 残余緑内障の管理
正常眼圧緑内障とその鑑別疾患
 正常眼圧緑内障は失明性眼疾患なのか? すべき説明とすべきでない説明
 正常眼圧緑内障は,本当に眼圧が正常か?眼圧の変動と日内変動の意義と限界
 正常眼圧緑内障の目標眼圧設定の実際は? 設定値変化はどうするか?
 正常眼圧緑内障 薬物療法下でも進行する際の対応は
 神経保護 臨床上の価値と限界
 15mmHg未満で進行する正常眼圧緑内障は,どう管理するか?
発達緑内障と先天異常
 乳幼児の眼圧測定と隅角・視神経の観察はこうする!
 早発型発達緑内障の病態と理解
 発達緑内障の遺伝子相談・遺伝子診断 両親への説明
 先天無虹彩症の緑内障に潜む陥穽
 ICE症候群のフローチャート
 Axenfeld-Rieger症候群の診療フローチャート
 乳幼児に対する緑内障手術
 治療後の経過観察—ここに気をつけろ!
難治緑内障 診療のコツと注意点
 眼表面異常は緑内障のマイナス要因!!手術治療やそのオプションを用意!!
 薬剤起因性の眼表面異常
 ぶどう膜炎眼の眼圧管理 ステロイド応答と炎症の見きわめ
 Schwartz症状群(Schwartz syndrome)の診断と治療は?
 落屑緑内障で気をつけること
 網膜疾患に対するステロイド療法の眼圧応答
 精神疾患のある患者
 血管新生緑内障 抗VEGF療法の応用と原因疾患の管理
 通常の緑内障手術で奏効しない難治例,次の一手は?
 毛様体破壊術・Seton手術の適応と治療効果
全文表示する

関連する
オススメ書籍